【エッセイ】テレビを囲む時間。
奥さんは、連続ドラマが好きな人だ。
朝ごはんは朝ドラの時間に合わせて、いつも8時に。
大河ドラマの時間になると他のことをしていても、一度手を止めてテレビの前で真剣に観入っている。
なので今井さんもわたしも、その時間になると一緒に座ってじーっと観ている。
引っ越してきたばかりの時、それまで観ていなかった朝ドラを朝ごはんの流れで観始めることになった。
感動するシーンで、もらい泣きをしている奥さんの横で、
話の流れもわからないまま観ていたわたしも、なぜかぽろぽろと涙が出ていた。
それまでの話なんかちっとも知らないのに感動はするもんだなぁと冷静に思いながら、なんてあたたかい時間なんだろうと思った。
10月になり、また新しいドラマが始まる時期になった。
CMを観て、「これおもしろそうやなぁ」と奥さんが言ったのが、『ファーストペンギン』という水曜日のドラマ。
女性が港に活気を取り戻すために、大きな権力に立ち向かうお話。
第一話を観てみると、すごくわくわくして面白いお話だった。
「面白かったし次が楽しみやわ」と嬉しそうな奥さん。
続きがどうなるのかわくわくを共有しながら、みんなでテレビを囲むあたたかい時間が、また来週も再来週もやってくると思うと、
次の水曜日が待ち遠しくてたまらない。