顧客に適切な情報を届けたい!試行錯誤のプロダクト機能情報デリバリー
🎄🎄このnoteは、cmkt Advent Calendar 2020、18日目の記事です🎄🎄
はじめまして。株式会社ビズリーチの山田と申します。
noteからしばらく遠ざかっていたのですが、cmktで今年もアドベントカレンダーをやる!ということで久々に記事を書いてみることにしました。
現在私は「HRMOS採用」という採用管理システムのカスタマーマーケティングを担当しており、その中でもメイン業務として
「プロダクト機能情報のデリバリー(伝達・告知)」を行っています。
cmktではこのテーマについてあまり触れられてこなかったと思いますが、これから相談できる仲間を増やしたいので、この半年くらいでやってきたことや感じていることなどを書いてみたいと思います。
多くの機能が爆速でリリースされるHRMOS採用
上長である鈴木もCREについての記事の中で書いていましたが、HRMOS採用では直近半年で50を超える機能がリリースされています。開発チームのみなさんいつもありがとうございます🙌
主なリリース実績
【連携機能】
■doda全社対応
■エン転職全社対応
■Google Meet連携
【データの扱いやすさの改善】
■求人の一括インポート
■応募情報評価情報CSVの出力項目改善
■カスタムフォームのCSV出力
【セキュリティ課題】
■reCAPTCHA導入
■SSO認証
【UI/UXの改善】
■応募導線の英語対応
■面接官画面の英語対応
■PDFの見えやすさ改善
■インポート画面の表示スピード改善
■エージェントのヘルプページ改善
■メール変数の改善
■添付ファイルのプレビュー改善
■面接設定時のUI改善
■エージェントへの一括メールの上限引き上げ
■エージェント側の管理画面でのフリーワード検索
このように機能が爆速でリリースされる環境なので、そのスピードになんとか食らいつこうと、開発チームと密に連携をとりながらデリバリーをしてきました。
機能を「使うべき顧客」に使ってもらうためにデリバリーをしたい
とにかくがむしゃらにデリバリーを行っていましたが、「このままやり続けていいんだっけ?」と考えるタイミングがあり、その目的を見直すことになりました。
半年前、顧客へ機能情報デリバリーを行う目的は以下の2つでした。
① 機能を認知してもらい、機能についてのお問い合わせを減らすため
② 機能を利用してもらうため
もちろんこの2つに間違いないは思いますが、①はCSの工数削減のためだし、②は「誰に?」という部分がかけているなどツッコミどころが多いです。
また、ある機能について「認知したか」「利用したか」を測るための顧客アンケートを行ったことがありました。要望を出してくれていた顧客は積極的に機能をチェックして、利用してくれているだろうと思っていたのですが「機能について知らなかった」「気づかなかった」という声が多く、まだまだ機能を伝え切れていないことに改めて気付きました。
これらのことから目的の整理をし直し、このように設定しました。
機能を「使うべき顧客」に認知してもらい、利用してもらうためです。
もちろん「問い合わせ削減」や、「HRMOSは機能リリースをたくさんしているよ!というアピールにつなげたい」という目的もありますが、
顧客に必要な機能を届け、利用していただき、効果を実感していただきたいと考えています。
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ここからは、実際に行っている3つのことを書いていきたいと思います。
1.適切な媒体について
2.ターゲット設定について
3.社内デリバリーについて
1.適切なHOWは何?と考える前に使えるものはすべて使う!
現在HRMOS採用では
・メール
・画面上のポップアップ
・サポートサイト
・コミュニティ内のSlack
・チャット
・CSMからの個別連絡
などで機能リリース告知を行っています。現在使えるものをすべて使っている状態です。
これまでは、リリーススピードの速さに伴い効率を重視して「顧客へのインパクトが大きそうなリリースに関しては手をかける」と決めていました。
具体的にいうと、機能によってランク分けを行い「インパクトが少なそうなリリース」に関しては情報を出す箇所を少なくするルールにしていました。
しかし、告知をしたあとのデータを見てみると
・サポートサイトのみ確認している顧客
・メールのみ確認している顧客
・そもそも何も見ておらず、CSMの連絡で機能を知る顧客
と、情報の受け取り方が様々だということがわかりました。顧客によって情報を受け取りやすい媒体は異なるのです。
(以前SNSや広告の仕事をしていたのですが、facebookとtwitterでは利用している層が違うからどちらにも情報を適切な形で出しておく、みたいなことだなあと。。)
ということで、デリバリーについてはどれだけやっても無料ですし、出せる場所すべてに情報を出し続ける、という当たり前のことをやっていくべきだなと再認識しました。それからはほぼすべての機能リリースを、面をフルに使いながら告知しています。(もちろん工数面では悲鳴が上がり気味なのでずっとこのままってわけにはいかないですが)
2.デリバリーするターゲットは一体誰なのか?機能ごとにターゲットを定義する
面をフルに使うことで「認知してもらえる数」は増えてきていますが、目的にもあった通り、これからは全体通知だけではなく「機能を使うべき顧客」を把握して認知・利用してもらう活動をしていきたいと考えています。
では「機能を使うべき顧客」とは一体誰なのか。これに対し、ターゲットが2種類いると考えています。
①その機能を必要としている顧客
②その機能を必要としているかもしれない顧客
①その機能を必要としている顧客
=要望を出してくれている顧客、または機能に直結する課題を持っている顧客です。
現在HRMOS採用では「現状共有シート」という、CSMが顧客の要望や課題、ユースケースなどを記載するフォーマットが用意されています。「該当の機能を欲している顧客」が一目でわかる状態まで整理されているので、このシートからリスト化し、デリバリーのターゲットとしています。
このターゲットのことを
「顕在層」・・・機能に関する要望や、課題が顕在化している顧客
と呼んでいます。
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②その機能を必要としているかもしれない人
=「機能を必要としているかもしれない」と予想できる「プロダクト上での行動」をしている顧客です。
例えば、Aという機能がBというページにできる場合、Bというページに○回以上アクセスしている顧客を「機能を必要としているかもしれない」と定義する、ということを行っています。
このリストのことを
「潜在層」・・・機能を必要とする可能性がある顧客
と呼んでいます。
この①と②の「顕在層」「潜在層」を機能のリリースがあるたびに定義し、リスト化しています。そして、ターゲットごとの機能の認知率、利用率、機能の置かれたページへのアクセス率などを計測しています。
現在はデリバリーの結果がどうだったか、誰に届いて誰に届いていないのか、までを見れる状態しか作れていません。それぞれのターゲットごとの目指すべき指標や、届け切れていないターゲットに対して打ち手を考え実行する、ところまでは手が回っていません。
しかし、ターゲットを把握し、そのターゲットの状態がわかるようになったことは、「使うべき顧客」に認知してもらい、利用してもらうためという目的に少し近づいているかなと思っています。
(またまた広告の話ですが、このターゲットではインプレッションが○でクリックが○でCVが○で・・・、のような考え方が生きてちょっと面白いなと思っています。)
今後は、
・「顕在層」をより正しく拾えるように情報取得の精度を上げていくこと
・「潜在層」ターゲット設定の精度を上げていくこと
・ターゲットごとの目指すべき指標を設定すること
・届け切れていないターゲットに対して施策を打つこと
がネクストアクションになってくるのかなと思っています。
3.デリバリー対象は「顧客」だけじゃない?意外と悩みが深い「社内デリバリー」
ここまで顧客へのデリバリーの話をしてきましたが、実は他にも大切なデリバリー対象がいます!それは「社内メンバー」です。
以前機能情報デリバリーについてのイベントに参加した際「社内へのデリバリー」がうまくいってないと感じている方が意外と多いことがわかりました。
▼CS×Product Meetup #2のアンケート結果。約4割の人が社内への告知に関して「できていない」と感じている。
顧客への告知だけでなく、社内へのデリバリーが必要な理由はいくつかあると思いますが、
・CSMが機能について認知し、顧客と接点を持つ際に正しい機能情報を届けられるようにする。
・セールスやマーケティング部署のメンバーが機能について認知し、新規顧客向けの武器として使えそうであれば使っていただく。
の2点が大きなところなのかなと思っています。
社内へのデリバリーに関してもまだいろいろ試しているところですが、リズムが掴めてきているように思っているので、CSMへのMTGやSlackなどでの伝達の他に実践していることを3つ記載します。
①CSMにスプリントレビューに参加してもらう
スプリントレビューとは開発チームがプロダクトの機能をレビューする時間のことです。弊社では毎週スプリントレビューが開催され、CSMが任意参加となっています。
元々は「CSMが機能の開発背景まで知った上で顧客に伝達できる状態にする」「開発が顧客目線のFBを取得する」という目的で参加してもらっていましたが、結果、機能の認知にも繋がり、具体的な操作方法も学んでもらえているので社内デリバリーに役立っています。エンジニアの方が機能について実際に説明してくれる非常に貴重な時間なので、CSMは生きた情報を持ち帰ることができているように思います。
②セールスやマーケティング部署のメンバーへの伝達
CSMは顧客を持っているので機能について深く知る必要があり、それを知る機会もありますが、セールスやマーケティング部署のメンバーは機能について知る機会があまりありません。リリースして大分時間が経ってから「え、これ出てたの?」「これ知ってたら商談で活かせたのに」という声が上がることも珍しくありませんでした。
これに対し現在行っていることは以下の2つです。
・セールスやマーケティング部署のメンバーがよく見るSlackチャンネルに、わかりやすく機能情報を掲載する
・セールスのメンバーの代表の方に機能リリースMTGに参加してもらう
です。この施策をやったおかげで認知率があがった!とはまだ言い切れませんが「Slack見たよ!」「あの機能出たんですねすごい!」などと声がけしてもらえるようになったので、少しは効果があったのかなと思っています。
③VOCを熱いうちにシェアしてもらう
直近、ターゲットを把握している効果もあってなのか、VOCが多く回収できるようになってきたので、VOCを回収したらなるべくすぐSlackのVOC専用チャンネルでシェアしてもらうようにしています。シェアをすることによって
・チャンネル内の情報を見た人が、改めて機能について認知できる
・顧客の反応を知って「私も伝えてみよう!」という気持ちの醸成ができる
この2つの効果が生まれるのではないか、と考えています。まだ効果があった!とはこちらも言い切れていませんが、今後も続けていこうと思っています。
関係者が増えれば増えるほど、社内デリバリーは難しくなっていくと思いますが、それぞれのターゲットに対し適した形で伝達できるようにしていきたいです。
おわりに
「機能情報のデリバリー」について書いてきましたが、まだスマートな状態ではなく、かなり泥臭い動きをしていると自負しています。
しかし、仕組みづくりの前にまずは泥臭くターゲットに対して届け続けることが大切なのではないか、とも思っています。未だに完全には情報を届け切れていないと感じていますしね。
最終的には、どのターゲットに何を届けて、どう使って、どういう状態になってもらいたいかを定義し、顧客に適切な情報を届けられる仕組みを作れたらいいなと思っています。
この記事をきっかけにデリバリーや、カスタマーマーケのことについてお話できる方が増えると嬉しいなと思っていますので、ぜひtwitterやcmktのイベント(12月23日開催ですよ!)などでお話ししましょう!
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