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【コーチング】食えるコーチへのお便り相談・イマココを語り”すぎる”ことへの警鐘【月刊コーチング10月号】

日々を、慈しむ。在るを、観ながら。


本noteの建て付け

このnoteは、2023/10/20に、宮本さんと対談させて頂いたラジオコンテンツを書き起こしたものです。

適宜、読みやすさを考慮し表現の加除を行なっている旨、ご容赦ください。


【ラジオのURL】
https://stand.fm/episodes/6531f5fa60f56f2e78731c6d

※ stand.fmアプリをダウンロードいただくと、バックグラウンド再生が可能となります。記事と合わせてお聴きになりたい方は、そちらがオススメです。

宮本さんのご紹介

ICF認定資格PCCを保有するコーチ。2010年から、13年間コーチ業を担う。ラーニングファシリテーター、研修講師、組織開発コンサルタント、大学にてプログラム開発等を行なっている。コーチを軸にしながら、「いい未来をつくる場づくり」をしている人。セッション累計3,000時間。「チームコーチングをいかに日本に広めるか」に向き合い開発されたプログラム、GTCがいよいよ始まる。

宮本さんのTwitter


ひろのさんのご紹介

「月刊 コーチング」の産みの親。パーソナルコーチ。 ビジュアルプラクティス。すでにそこにあるものを大切に、ビジュアライズを用いて個人の内面と組織・社会のつながりを探究中。在るものを描き、全体性を満喫するひと。本稿のタイトルイラスト・挿絵の全てを担当。

ひろのさんのTwitter


月刊 コーチング


宮本さんとの対談「食えるコーチになるには?」の反響を受け、シリーズものとして毎月ラジオ収録をお届けすることにしました。

今回の収録をふまえて頂いたタグラインはこちらです。


本企画に寄せる想い


ー この月刊コーチングに寄せる想いとして。

宮本さんご自身は今後「法人向けの価値提供」・「プログラム開発者」としてのお立場でのチャレンジをされていく。

そこへ向けて、これまでの取り組みのひと区切りの時期と伺いました。

そうなんですよ。

元々は、まーさんが色々とつぶやいてるところに、すごく心がうずいたところがあって。

ご自身の取り組みを情報商材化してビジネスにするっていうことをされていて、全然良いと思うしそれが一つの勝ちパターンだと思うんですけど・・・。

まーさんとはご縁があるので、そういう形でというよりは「こういうふうに僕はしてきたんだけど、どうだろう?」とか、「こういうところを考えてみるといいんじゃない?」って言いたくなったことがたくさんある。

いわゆる「おせっかいおじさん」なんですけど、なんかこのおせっかいさをポジティブにとってみると・・・

やっぱりここ十数年、コーチとしてお仕事としてやれるようになったのって、業界のお兄さんお姉さんたちに支えられてきたのがある。

クライアントさんに教えていただいたこともたくさんありますし、個人コーチとクライアントのマッチングサービスもある。

そんな皆さんから教えていただいたことを業界に恩返ししたい。

もちろん守秘義務とかそういったものを守った上で、業界が良くなるために、何か今この立場でできることってあるんじゃないか。

これからは軸をチームコーチングに移していこうと思っているところなので、(パーソナルコーチはやり続けるものの)パーソナルコーチングのやりきりという観点でも、自分の集大成的にこうやってまとめる機会があるのはいいなっていうとこもある。

それで、月間コーチング編集部をやらせていただいてるって感じですね。


ー恩送りの受け取り手として僕もすごく嬉しいなと思うし、宮本さんがチャレンジされてきた中で「再現性ある方法として伝えていきたい」という想いも受け取っていて。


それが僕らのコンパス・灯台になると思うので、ぜひ手に取っていただき、実践に生かしていっていただけると嬉しいです。

現場で磨いてきたものを「再現性ある手法」と言っって頂けるのがすごい嬉しい。

と同時に、これは「パターンランゲージ 宮本編集版」ですっていうのもお伝えしておきたい。

スローガン以下、マニュアル以上の抽象度でまとめられたコツを「パターンランゲージ」と言っています。

コーチをやるなら、(コーチだからとか関係なくかな)絶対に知っておいた方がいいです。

マニュアルではないので、僕がやっていることをそのままやっても効果はないと思います。ただ、できる限りの抽象度でいうので、それをご自身に応用していただくと、比較的効果があるんじゃないかな。

その文脈がずれてなければっていうところを、お話できたらいいなと思います。


ー山口周さんのnoteで、「筋の良い努力」を構成するものは、①良い方向と②良い方法の二つだ、という話があります。

スローガンとしてどういう方向を目指してるのか、それに合ってるのかっていうところが筋の良い方向性の要素な気がする。

また、具体で積み上げていく上で宮本さんご自身のエピソード・鍛錬として何をどうすればいいのかっていうお話に、筋の良い方法を構成する要素がありそうです。

プラグマティックにやりたい我々の趣旨に沿ってるなって思います。

やっぱり最終的には、このコーチ業界という田畑を耕せたらいいですね。

このフィールドが肥沃な大地になっていくといいなっていうところですよね。

前号の反響

ー前号の反響としては大きく二つあって。

まず、「顧客をちゃんとみているか?」っていうところでの柔軟な価格設計のお話や、「自分の社会的機能としてコーチングってどうなんだっけ」というポリシーのお話がありました。

そこに触れてくださったリスナーの方・読者の方々の間で、「自分のサービスの価格設計に柔軟に向き合えるような契機になった」であるとか、「私は価格をいろいろに定めるのではなく、そこに自信を持って挑戦したいんだ」といった対話の種になりました。


もう一つは、メンタルヘルス領域で「過剰適応、あるな」というお話。


ケアの領域とコーチングとの境界みたいなところでも、自分のやってることに対する緊張感を持ってやらなきゃなっていうお話をいただきました。


また、「コーチングとカウンセリングの違い」というテーマへの問いかけに、コメントを頂きました。


ご意見を頂きまして、ありがとうございました!


コーチとカウンセラー


ー まずはこのあたり、いかがでしょうか?

セッションの質の観点と、マーケティングの観点それぞれからコメントできるなと思います。

まずセッションの質の観点から。

クライアントさんに「よかれ」と思ってやったことが、まさに凶器になる。手を出しちゃいけないとこに出してしまった。

そんな経験はしたくないし、させたくない。コーチとしてすごく大事なところ。

想いを持ってくださってるからアンテナが立つ。そのアンテナを持っていたら一旦大丈夫ってのが本当にある。

𝕏やnoteをみていると、やっぱり「コーチングとカウンセリングの違いについて」を語りたい瞬間があるんだなと。

マーケティングの文脈では、この話題に触れる必要があったとしても、そこは「別にこだわる必要ないな」っていうのを改めて感じますね。

やっぱりどんな課題に対応でき、それに対してどんな解決策をご提案できるのか。それをする私はどんな自分なのかっていうこの三つが語られることが、マーケティングやセールスにおいてすごく重要だと思うんです。

その観点において、教科書的な「コーチングとは何か」「カウンセリングとは何か」、「どんな論争があるか」っていうのは、マジでクライアントからすると興味ないところなんじゃないかなと。

いや…興味ある人も一定数いると思うんですけど、そこよりも「どんな状態の自分がこのサービスを使っていいのか」ってことの方が気になるところだと思います。

そこを言葉にし始めると、コーチング入口もカウンセリング入口もあるなっていう状態があるんじゃないかなと思うんです。

それなので、改めてご自身のコーチングを通じて、「どんな状態の人がどんなふうになることに対してお役に立ちたいのか」という問いに立ち帰って答えていくことの方が、大事。

それでもしいて言うなら、「心理的な病の診断はできません。」と伝えること。精神科医しか診断はできないので。

またもちろん、「処方もできません。」

あとは国家資格としての公認心理士へのリスペクトを含めて、「そういった勉強をしてません」というスタンス。

わざわざそこまでは言わないですけれど、「している人と同じようなことができますよ」ということは言わない。

これは例えば心理アセスメントはしません、というお話になる。

そういう類のことで、それをわざわざ気にする人はあまりいないと思うし、そういった表現をされているコーチさんもあまりいません。

あまり気にせず、ご自身のコーチングの特徴の方を考えることに時間を費やすのがいいんじゃないかなって思います。



ー サービスの受け手からすると、間口は広くあってくれた方がありがたい側面も感じます。

しんどいときには・・・ポジティブなときには・・・といった大雑把なくくりでわりきるものでもない。

「コーチング」っていう扉であるからこそ、くぐれる人もいると思うんです。

特に過剰適応気味な人は、とかく医療っていう入口を叩きにくい背景もあります。

コーチングから入るんだけど、「適切にコーチがリファーできることで医療に繋げられる」っていう側面もあると思います。

そうそう!

入口でハネるような説明を無理にしなくてもいいんじゃないかなとは、僕も思っています。

それで、やっぱり「対人支援業界」って話になっちゃうんですけど。

昨今でこそ「Z世代の新しい価値観」で、「カウンセリングを受けてる人の方が、自己理解が進んでいる人でいいよね」とか、「宇多田ヒカルさんご自身がカウンセリングを受けています」っていうことを雑誌の取材の中で語られて、共感みたいなこともあったりして。

そうして「カウンセリングを受ける」こと自体のハードルは下がっているとはいえ、やっぱりカウンセリングを受けることへのハードル・もっと言えば心療内科を受診することのハードルってまだまだある。

そう思うと、やっぱりコーチングってめちゃくちゃ入りやすい対人支援の入口だと思うんですよ。

それなので、希望でもあるし、怖いことでもあるんですけど。

コーチングが求められてくるし、出会いは絶対に増えていくと思います。


他方で怖いことは、そこから「医療への入口としてのコーチの機能」を持っていく必要がありますよね」っていうところ。

だから、よりアンテナ立てた方がいいですね。

「セッションの質」という意味では、カウンセリング領域へのアンテナの立て方っていうのは、より必要になってくるんだろうなと思いますね。


ー 支援に繋がる溝を埋めているところ、「コーチが医療への入口を肩代わりしてきた面もある」というお話を頂きました。

よりライトに、コーチング受けるという入口で入ってくるけれども、そこで探求していく中でトラウマに気づいたりとか、医療的な対応が必要だなっていう違和感に気づいたりとか。

そういう経験を積み重ねていく中でリファー先と繋がっていく。

まさに「目の前のクライアントさんのお困り状況」を、自分の手に負えないのであれば、その手に負えない中でも「繋いでいくっていう関わり方」はあるはず。

そういう中で、真摯に向き合っていくことになるんだろうなと感じています。


コーチングとカウンセリングの違い

そうですね。

この話の最後に、「コーチングとカウンセリングの違い」というところについては2点あります。

一点は、ご自身に何かしらの不調、「身体的な不調」とか、「感情的にもちょっとコーチに聞いてもらうだけでは整理しきれん」みたいなことが起きたときには、カウンセリングをご活用いただくことをおすすめします

カウンセラーセンターにお勤めの、フォーカシングを使われる方とか、トラウマケア、EMDR。

私もぶっちゃけて言うと、フォーカシングとEMDRを使われる方のお世話になったこともあるんです。

もちろんcotreeにもお世話になったこともありますし、使ってみると、コーチングとの違いをすごく感じます。

もちろん個人でコーチングを学ばれているカウンセラーさんもいるので、そこはグラデーションで違いは明確にわかりませんってとこもあるかもしれませんが。

ソマティックケア・ソマティックエクスペリエンスのケアも活用させていただいてます。

受けると違いってすごいわかるので、ご自身が使ってみるといいんじゃないかなっていうのはある。


もう一点はまさに、ソマティックエクスペリエンスっていうところで小笠原和葉さんのVoicyを聴いていて「いいね!」と思ったのが、「コーチングとカウンセリングの違い」で。

ちょっと正確な表現はできてないかもしれないんですけど、「コーチングでは社会性を扱う」というお話をされていて。

これすごい表現だなと思って。

やっぱりどちらかというと、社会福祉という観点に入ってくると、カウンセリングという文脈の中でも「社会復帰」という文脈で、ソーシャルスキルトレーニングっていう形で、メンタルダウンしたところから「どう社会に入っていくか」っていうトレーニングもあるんですよ。

「リワーク」なんて分野ですけれども。


それとはまた別に、やっぱりコーチとして、「こういうふうなクライアントがこういうふうなことをしていきたい」とか、「こういうふうな仕事をしていきたい」ってなったときに、その仕事を社会にどう接続していくかっていうのは、やっぱコーチングだからこそ扱えると思うんですよね。

それなので、言ってしまえば自己実現だと思うんですけれども。より社会性の獲得。


逆に言うと、カウンセリングではご自身の状態を本当に整えることに集中する。

それが「社会でどう思われるか」とかは一旦置いといて、今この瞬間、ご自身の健康状態がちゃんと回復してくるっていう、そこに集中するのはカウンセリング。

これが和葉さんの切り分け・・・というよりも和葉さんの「社会性を身につけるコーチング」ってところからインスパイアされた宮本の考えですけど、そんなふうに捉えていただけるといいんだろうなと思ったりしますね。


ー その真っ只中にいる当事者の僕からすると、めちゃくちゃ納得いく話だなと思っていて。

去年、適応障害になって以来、この1年間は「ケアとして自分を整える期間」を過ごしてきました。

だいぶ回復してきた中で今、「この先自分のやっていくチャレンジ」というところで、「社会に接続する働き方」を模索している。

自己実現としてのあり方、挑戦したいっていう気持ちもあり、そのはざまに今まさにいるところなので、今の話はすごく響くものがありましたね。



それでは、本編に入っていきたいと思います。



1 食えるコーチへのお便り相談


頂いたお便りにお答えしていく、公開コンサル企画です。

ここでインスパイアされた方がいらっしゃいましたら、ぜひご自身のご状況を書き添えて僕らにメッセージを頂ければと思います。

まーの公式LINE 宛に、お気軽にご連絡をお寄せくださいませ。


お便りのご紹介

※ お便り随時募集中です!匿名でも記名でも構いません。あなたの挑戦を教えてください


はじめにお伝えしたいこと

ありがとうございます。

まず「有償セッション時間が200時間を超え、スクールの資格を取る」って個人の世界で言えば大変なんだけれども、社会の文脈で言ったら「大したことないじゃん」っていう面も持っていたりするんじゃないかなって。

特に、これで生計を立てようと思うと、この方にお伝えしたいのは、「お疲れ様でした」と。

スクールのリーダーさんとか、コミュニティ内ではたくさん(祝福を)言ってもらえるかもしれないけれど、それ以外の人から言われる機会は少ないんじゃないかなと思うので、やっぱりそうお伝えしたい。

結構すごいことですよ。200時間。有償でやって、スクールの資格も取って。

スクールに貢いだ金額もあり、投下した時間もあって、ここまで200時間やっているってことは、それだけ「人に喜んでいただいている」こともあるはず。

まずはそこに対して「お疲れ様でした」っていうところをお伝えしたい。


この葛藤って、皆さん通るところですよね。私も同様に通ってきました。


次に、ちょっと上からコメントしている感じにはなるんですけど、「これからどうしていく」っていう話をする前に、この「貯金だったりパートナーの稼ぎに頼りながら早くちゃんと家計を支えたいと焦りを募らせています」っていうところがすごい気になって。


というのも、こちらの方が男性か女性か、それ以外の性認識かはわからないですけど、「パートナーの稼ぎに頼りながら、支えたいと焦りを募らせる。」という文脈からすると、それぐらい「責任感のある方なんだな」って思います。


その上で、あえてこう言ってみたいのは、「パートナーの稼ぎに頼っていいじゃないですか。」

頼ってしまうからこそ失われるものってのも、ある気がするからこそ「自分で支えたい」っていうところもあると思うんですけど。


この場であえてコーチとして関わるならば、「パートナーの稼ぎに頼りきってみたら何が起こる?」というのは聴いてみたいところですよね。


もはやお便りの相談に全く答えないで「そもそもその問自体、別に考えなくていいんじゃない?」ぐらいの話になっちゃうんですけど・・・

まずそこに頼れているんだし、後半の方まで読ませていただくと「子供もまだ小さい」ってことで、多分子育てにもコミットされている方なんじゃないかなと思います。

これは日本の社会の問題でもありますけど、子育てとか家事をするっていうのは、経済指標の中では換算されないのだけれども。

社会っていう観点もそうですし、ご家庭、そしてお子さんの人生に対して、十分に貢献されているので、だからこそ、パートナーの稼ぎがあるんだったら。そこに頼れている今があるんだったら。


それ、肯定してあげてください。


それをまずお伝えしたくなりましたね。


まずは第三者からの視点になると思うんですけど、まずはこのお手紙を見て、コメントや問いを投げかけた宮本についてどう思いますか?

ー 僕自身にも当てはまるところが多々ありますね。


有償セッションの100時間は、「資格試験を受ける要件」として、通過点みたいに過ぎ去ってしまうことも多い。

それだけの人数の方と出会い、人生をともに向き合って価値を一緒に作ってきたっていうこと自体を、おおっぴらに褒められるってことはないですよね(守秘義務などもあるところだから)。

そういうところを「自分でまず認めてあげる」という観点での宮本さんの今のお話はすごくジンワリきました。


そもそも人を頼れないから苦しんでいる人や、専業主婦の方のチャレンジのお話を聴いていても、家族やパートナーに支えてもらっているところに対して「自分も経済的な方面でも貢献をし、家族の中での、自分の立ち位置をもうちょっとちゃんと固めたい」っていう願望もあります。


僕自身も、心療内科に通っている中で医師に「家事をやっているだけで1日終わっちゃうんですよね。なんだかそれで焦るんですよね・・・」と、社会復帰を考えた時の気持ちの話をしたら、

「いや、専業主婦の方で、家事をやっているだけでもノイローゼになる人が何百人来ると思ってるんですか!」ってツッコミを頂いたこともありました。

「家事・育児をやっていることって、すごいことなんだぜ」っていうのを受け取れて、すごく救われた気持ちになりました。

今、ご自身の工程を焦らせるものっていろいろあると思うんだけれども、「まずはそこから見てあげる」っていいなって思います。


プロセスワークの観点からみた、「社会状況と負い目」の関係性

松村憲さんから教えて頂いたプロセスワークの観点から見たときに、「個人の意思を超えたところ」ですよね。社会的な状況の影響を受ける。

社会的な状況・価値観の影響を受けて、「やっぱり生計を支えなきゃ。家計を支えなきゃと。」なるのは、「パートナーのの稼ぎに頼ってしまうことに負い目を感じる社会的な価値観」も要因としてある。



まずはあなたの今のこの「焦る感じ」って、「あなただけのせいじゃないですよ」っていう。


そこからお話をスタートしたいです。


「そんなんで終わって、現実変わるんですか?」という話もあるので、ちょっと現実を変えていく方針でコンサルティング的な物言いをちょっとしておこうと思います。


でね、そんな焦りから集客したって絶対集客上手くいかないんですよ。


「あなたはそんな人、頼れますか?」

もう少しわかりやすく言ってみると。

あえて、こんな言い方します。


自分はセッション時間を200時間しかしていなくて、出身スクールの資格を取っただけ。ACCもPCCも取っていません。

「コーチ業界」からしたら、まだまだひよっこです。


しかも、生計は立てられておらず、パートナーに頼りっきりというのも何か、イマイチですよね。


わざわざそうは言わないけれど、そう、聞こえてくる。


「さあ、私に頼ってください。」



頼れますか?そんな人。


ー 前面に出ているところの「頼りなさ」がすごい。

社会的証明の乏しさみたいなところもそうだし、特に勝負していこうとしている領域が「コーチ業界」となって、自分をそこに位置づけてみると、すごくおぼつかなさを感じますね。

一番のポイントは、「自分は頼ることを否定している」のに、「頼ってください」っていうこのダブルバインドなんですよ。

「ぜひ私に頼ってください」というのであれば、「私もお世話になっています。」「頼っているんです。」

人って、そうですよね。

僕も頼っているところあります。

その上で、「コーチっていう文脈で、私を頼ってもらえたら嬉しい」って思うんです。


ー この話、響く人がめちゃくちゃ多いんじゃないかな。

「弱音を吐けないんです」とか、「発信できないんです」って方に多いのが「ネガティブなことなんか表現しちゃいけないと思ってる」ということ。

でも、クライアントさんがコーチングの場に来ると、「何でも話してください」って伝える。

こういうダブルバインドがある方が多い。

「自分が弱音を吐くこと」を、自分に足して許していないコーチに、果たしてクライアントは弱音をさらけ出せるのか。


その葛藤こそ、チャンス

ただこれね、このダブルバインドっていうのはある種の「葛藤」です。

葛藤が高まると、変容のタイミングなんですよ

それなので、ご自身が「コーチングを受けてください」って感じなんですけど。


「頼れない自分」を、コーチングで扱ったとしましょう。

お手紙をいただいた方がクライアントとして、コーチとの対話の中で「頼ってみる」ってチャレンジが出たとしましょう。

その上で、「頼ってみるの、悪くないですね。」となる。

旦那様なのか奥様なのか、パートナーさんなのかはわかりませんが、「私は全然気にしていないよ。あなたの健康が大事だし」といったコメントも仮に、もらったとしましょう。


もうそれ、めっちゃいいセッションじゃないですか。


そのアクションを決めるセッション、振り返りセッション、を積み重ねて、「ちょっと頼れるようになりました。」と変わっていく。

そのプロセス自体が、そのまま価値になるんですよ。


そしてその変容したところから告知文をつくってみると、変わるんですよ。

例えば・・・


---

私自身は頼れない人でした。

頼ることは悪だと思っていました。


けれども、コーチングを通じて頼ることは悪くない、と気づきました。

不安はあったんですけど、コーチのサポートがあって、チャレンジができました。


そしたらパートナーから、「あなたを支えるのが喜びだ」なんてコメントをもらって。価値観が変わりました。

世界が変わるようでした。


そんな経験をして欲しいなと思って、「1人で頑張らなきゃって思う人のコーチ」をやっているんです。


そんな私の前でぐらい、まずは弱音を吐くとこから始めてみませんか?
---


自身の体験と紐づいた、こんな告知文はどうでしょう?

ー いやぁ・・・むせび泣きそうですね。



自身の経験と、語りをつなぐ

書くという行為や、人と接点があったときにそういう語りができるか。

もしくは、そういう共感から、そういう言葉をかけられるか。

それがすごく大事。


メンタルモデルが、マーケティングやセールス、「お客様との出会い」っていうところに非常に繋がります。

ちゃんと伝えるためのテクニック的な「書き方」は、「今月の1冊」でご紹介する本(セールスレターの本)で学んで頂いたらいいなと思います。


自分がどんな経験をしてきたのか。その経験をしてきたからこそ、こういう価値を提供できますっていう言い方ができたときに、差別化が図れるんですよね。個人の経験はN=1なので、その経験が他人と被ることはない。


ただそこを提供価値にするにあたっては、「相手に届く言葉にする」っていうところに知恵が必要。


体験から始めていただくのはすごい重要で。

その体験に紐づいた、「あなたが願う世界」を語れるかってのも大事。


一番やっちゃいけないのは、その体験にあまり紐づかずに、空気感で作っちゃったビジョンで集客することです。


一番ふわつくので。

ー その人自身の原体験をちゃんと繋いでいる感じがあるかどうかは、文章を読めばすごいわかりますもんね。



受け取ったものを、届けていく自信がまだ無い時には

ー 例えば、自分はコーチをつけていて、大きな変容を経てきて、いい経験をさせてきてもらっているとします。

だけれど、いざ「届け手」になるとなったときに、「同じだけの変化を自身が起こせる自信がない」というお声もよく聞きます。

その辺りは志の問題、スキルの問題、いろいろ複合的にあるとは思うんですが、そういったお悩み相談に、宮本さんはどうお答えしますか?

その不安は、価格で調整しましょう。

自分が自信を持って提示できる価格からスタートし、「喜んでもらっておいます」という事実が、ご自身を変えていく。

その順番でやっていかれるといいかな。


また、一足飛びのパターンもあります。

業界の単価にボンと当てて、そこに見合う自分になるためにちゃんと金銭投資もしていく。

ただ、こちらは精神的負荷が高いので、時間的・金銭的余裕がある時にやっていただけたらいいなと思っています。


ある一定スクールに投資した後というのは、なかなか金銭的余裕がないところもあると思うので。


まずは自信を持って提案できる金額でやって、自信がついたらそこで価格を上げる。その繰り返しをしていくことをおすすめしますね。

ー クライアントさんからもらうお声に触れて、「自信を持って次の提案をできるようになった」というお話もよく聞きますね。

目の前で起こってきた事象、変化。それを、自身が確信できるとこまでやるっていう。

そのときに絶対、もらしちゃいけないのは、「ご自身の経験・変化」っていうところ。

場にちゃんと立って、自分も変われたし、実際に「人が変わる200時間」のセッションを提供してきたっていう、その実績。

そこに拠って立って、「ベストを尽くします」と、言い切ることです。

ごちゃごちゃ言わないってことですね。


ー ライティングの正しい捉え方とも関連する気がしています。

「集客しなきゃ」「よく見せなきゃ」と思うと、背伸び的な、ちょっと自分を大きく見せようとしちゃうこともあろうかと思います。

だけれども、「自分がやってきたこと以上にやろう」と思ったら、そこを埋める何かをしなきゃいけないって話にも繋がるし、今まで共にやってきて変わってくださったお客様がいるという事実をもって「語れる」ことですよね。

そこはもう、自信を持って伝えて良いことなんだと思うし、「自分の拠って立つところは何なんだ?」っていうところを見つめることが、とても大切そうです。

そこに「お役に立ちたいんです」っていう気持ちは、嘘じゃないじゃないですか。

気持ちと繋がって、言葉を繋ぐっていう。


「そんなふうに言ってくれた、あなたにお願いします」って。

お相手は安心して、あなたに頼れますよね。


中級者向けの具体的な販売戦略

ただ一方で、現実問題目の前のキャッシュフローを良くしたいじゃないですか。そこの話をします

こういう「信念論で終わりがちなコーチ業界」ってあるので。

メンタルモデルが変わっただけじゃマジ変わらないですからね。


そこで、単価✖️⚪︎⚪︎するお話をしましょう。

おすすめは、6回パッケージ。その6回数パッケージである理由をつける。
例えば1回の単価1万円で、6回セットで5万円とかにしましょう。

限定数量で実際に、一生懸命できる人数枠にする。10枠とか。

そんな風にまず、プログラム化する。

クライアントの人数でカウントするんじゃなくて、クライアントとのコーチングプログラムを何件あるって考えにすると良いです。

そうして「5万円の商品を買っていただくためにどう出会うか」っていうところを考えると、5万円をコーチに出せる人だったら、例えば2時間のワークショップにいくら出していただけるかな?と考える。

0円の無料体験会って形にしてもいいですし、2,000円とか1,000円の場作りにしてもいい。

やっぱりコーチングに入ってく上で、「そもそも何でコーチをつけるんだろう?」っていうの潜在的ニーズの顕在化のタイミングがなかなかないんですよ。

それが生まれるのはコーチングスクールなんです。それなのでスクールの講師は売れるんですよ。

シンプルに認知も取れるし、一番悩みが浮上したタイミングでご提案できるから。

それなので、そういう機会を作って差し上げる必要があるんですね。


2時間2,000円で、例えばシンプルに時節に合わせて、「来年度の計画を立てる前に予祝をしませんか」とワークショップをしてみたり、来年の計画自体を立てるワークショップや、今年を振り返るワークショップなど。

もしもこの方が、ご家族との云々かんぬんっていうところに想いがある方だったら、「ご家族とのパートナーシップを考えるワークショップ」とか。

複数人で考えて、かつエントリーにしやすい価格で、オンラインで2時間とかで場を持ってみる。

2,000円で3人行きたいと言ってくれれば6000円。時給1,500円のアルバイトをするよりもいいみたいな話もあります。

一旦それを月4回とりあえず頑張ってやりながら、「個別のプログラムもあるんです」っていうのを常に言い続ける。

何が言いたかったかというと、バックエンドって言いますけどね、クライアントさんへの商材提案を、「この業界での多数層よりも安い方なんだ」と自信を持って、ぜひやってほしいです。

6回プログラム5万円っていうバックエンドに対して2,000円の体験会という形でワークショップを開く。

それは、個別プログラムで取り扱う内容を切り取ってテーマ設定し、そこに向けてご自身が一生懸命勉強していただいて、ワークショップ企画して提案する。

そこでまた「ワークショップを企画する」っていうタイミングの勉強が、そのままコーチングの中身にも繋がっていける。

いろんな側面からテーマを切り取ってやっていただいて、そこでたくさんの出会いをできる限り作っていく。

そこに合わせて諦め図に地道にやっていけるといいですね。


課題がピタッとはまったらバズるので。


でもそこには一番、心底そこにお役に立ちたいんだっていう信念があることが一番大事なんですけど。


やっていただくと、やっぱりそのときそのテーマを語りたい・どうにかしたいんだっていう方と出会っていって、体験会で深まって、さらに形にしたいところでコーチングに繋がっていきます。

一旦これが、わかりやすい中級ぐらいのやり方かなと。


パラレルワークで支える、初級の取組

初級だと、もうぶっちゃけ「それで生計を立てるのはやめましょう」って話です。

一旦就職しちゃって、空いた時間で知り合いづての紹介で、コーチングをやっていきましょう。

コーチング勉強会に参加しながら顔を売っていく。

コーチング業界の何がいいかっていうと、ニーズがもう既に高まっている人たちがたくさんいるので、あとは相性勝負になる。


コーチを付けていない人と出会って、相性で繋がっていく。

そんな繋がり方をしていきましょう。


この方はパラレルワークも視野に入れていらしたので、中級バージョンをご紹介しました。

一旦ご自身の原体験や、「こういうクライアントさんに貢献したい」っていうテーマ切りで、ワークショップを企画して、参加しやすい形でやる。

そこでの出会いの中で、「個別でご支援できますよ」っていうプログラムとしてのコーチングをご提供する。


これが、一旦ここのタイミングでお手紙に対して出せるソリューションかなと思います。


たとえば「人生の輪」をワークショップに

ー 僕もやってみたいなって思ったのが、「人生の輪」のワークショップですね。

すごい良いと思う

ー 「満たされているはずなのに」といった、自身を取り巻く条件的にはハッピーそうなんだけど、でもモヤモヤしてんだよな・・・みたいな状態。

人生の輪を描いてみて、凹みの中身を探求していくのに個別プログラムやりませんかって、繋げやすいですよね。

導入セッションで使われるツールでもあるし、そういう企画を僕もやってみようと思いました。

ぜひ参加者フォローで、一旦無料で最初の頃はお話を聞かせていただくと、顧客インサイトもすごくわかるようになるし、その参加者フォロー自体がコーチングの時間として機能するならば、価値も提案できるようになります。

自然な流れで増えていくと思います。


最後にここのまとめでいくと、パートナーさんを頼ることを許可できて今のままでいけるんだったら、そこからチャレンジしましょう。

でもやっぱりそこを頼りきれないし、すごく持ち出しが多くなってるんですよ時貯金すげえ切り崩して不安なんですだったら、就職する。

それは全くもって悪くも逃げでも何でもないので、一旦ご自身の今までのスキルセットで、勤められるところに勤めて、生計を黒にしてからチャレンジしていただくことをおすすめします。

その経験自体が数年後のコーチとしての自分の糧に間違いなくなるので、リラックスして考えてみましょう。

ー 男性・女性・パートナーの立場を問わずな抽象的な観点でお話を頂きました。皆さんにも当てはまる部分があるかと思いますので、ぜひご活用いただけると嬉しいです。




2 「イマココ」を語り”すぎる”ことへの警鐘


ー 続いては、「イマココ」を語り”すぎる”ことへの警鐘というテーマです。

僕もコーチングの中で「イマココ」を大事にしようとか、「今何を感じていますか」というアプローチをしたりとか、ネガティブな感情に包まれているときに身体感覚に目を向けていただくみたいなセッションのアプローチをすることがあります。

その体験を通じて、いかに自分が「未来や過去」に思考で飛んで苦しんでいるかって気づかれた体験をする。

その体験を礼賛するように、「イマココの自分を語る」っていうところに傾倒していくような。それはそれで効くところもあるかと思うんですけど。

これについて宮本さんがお感じになられたことを、お話いただけたらと思います。


それは本当に「イマココ」か?

冒頭の、「コーチングとカウンセリングの違い」にも繋がってくるんですけど。

ちょっと2段階に分けていきます。

まず改めて皆さん、「ここ切り分けてくださいね」っていうところがある。

自然と皆さんやられていることなのですが、「今を語ってくださいね。」といういうと、「今感じているところ」から、「過去の自分のほにゃららを語り始めていく」・・・って、よくやるんですよ。


それはイマココじゃないぞ

過去の話をしているんです。


過去の話をしているときに、自分が「今何を感じているか」を語るんです。

ここの切り分けができないと、「過去のつらい体験の反芻」になる。

過去のつらい体験を思い出させて、思い出したことによって、それがトリガーになって体がまたネガティブな反応をしてしまって、それを繰り返す。

これが、対人支援者がいる場ではそこにホールドされて、そこが認知承認される経験を経て、一旦しっかり完了できたらいいです。

でも、そこを完了しきれないと、傷口を開けた状態になったところからセッションが終わった後にもそこがずっと残っちゃう。

あの時つらかったんだよねっていう形だけが残っちゃう。あの時つらかったんだよねって言葉だけが、内側になり続けるって状態が出てくるんすよね。

それでそこには、対人支援者がいない。


ちょっと寒くなってきたな・・・肌寒いし、そんなときに限って今日は在宅ワークで1人だな・・・お腹も減ったけどなんかご飯を作る気にもなれない。うん。寂しい。私過去にこんなことがあってつらかった・・・と、Twitterにたくさんつぶやく。


周りの人から見ると、「大丈夫かな?」となる。

コーチングをやると、「なんかすげえ過去をいろいろえぐられるやん」、みたいになってしまいます。

ー 「開腹手術をしたけれど閉じてない」みたいシーンが浮かびましたね。

そう。開腹手術をしたけれど、閉じてないんですよ。

そのときにしかも、「そこを認められてよかったね」って。

良かれと思ってコーチの言った一言が、「認められてなかった自分」っていうところの罪悪感にトリガーするときがあるわけです。

認められなかった自分、駄目だったんだ。

でもやっぱり認められないような、あそこでああやって宮本さんに「認められてよかったね」って言われたことはすごい嬉しかった。

「嬉しかった」がまた欲しくて、あの過去を思い出し。でも許せない、許したい」みたいな葛藤が起き。

ずっとその過去にい続けるってことが、スタートする。


思い出す必要がなかった。

(あるいは、トラウマケアという文脈では、ケアをする必要がある・あった事象かもしれないけれども)

トラウマケアをしたいと思っていたが、過去の傷口だけ開いて、開きっぱなしでずっと風穴に風をさらし続けるっていう。

塩水を塗り続けるってことを、クライアントにさせるっていうきっかけになるから、気をつけてねって話ですね。


「設問」として機能するとき、しないとき

ー セッション時間との兼ね合いもあり、「セッションの閉じ方」までは学ばないな、とも思っていて。

「イマココ」から入口を見つけ、探求を始める。

その状態で日常に戻り、「設問として行動と学習が続く」といった、「コーチングプロセスとして肯定的な捉え方」もできると思うんです。

でもそれが、「手術後にお腹があいてる状態で日常に戻ってしまう」懸念と地続きなのだとしたら、「危ないなぁ」とも。

それが「機能するとき」と「機能しないとき」って話をした方がよさそうです。

「機能しないとき」は、「傷がえぐられた」って表現で体験を語られるときですね。

「コーチングでえぐられたっすわ〜!」みたいに笑っていたらまだいいですけど、そもそもそんな声も出てこないときってやばくて。

「めっちゃやばい状態」って何かっていうと、つらい状態がずっと続き、それにとらわれる機会が増える中で、行動が起きていないとき

「そこに悩み続ける」という状態を起こしていたら、それは「ネガティブケイパビリティを鍛えている瞬間ですね」・・・では、ないです。

ただ傷口をえぐっているだけの時間です。

よく機能していない。

同じ関わりして、襲い続けるので、そのコーチングの期間は、苦痛の時間、苦痛の期間になっていきます。

「受け入れられない自分を受け入れるということが、成長である」という世界観でセッティングがされていると、それがゆうに続きます。

お互いにそこが共有できちゃう。雄弁に語られる自分は鍛えられていきます。

ただ、被害者の箱に入ってしまう。でも「被害者だったよね」と認めてあげる必要があるんだけど、そこでケアされた上で、その過去の影響を受けなくなった”今”何をしたらいいかを扱うのがコーチングで大事なところ。


影響を受けた状態で、卑屈な状態で、卑屈をどうするっていう何か、永遠のループに入っちゃう。それは機能していません。

ポイントは、何かしら行動が起きているかどうか。


それなので「機能している」っていう状態は、行動に変わっているかどうか。

例えば「確かにこういう状況になると、こういう自分を思い出して卑屈になるんですけど、宮本さんとのセッションを思い出して、卑屈になってたのはあの過去の事象の影響を受けてたから卑屈なのであって、今ここは卑屈な自分になる必要ないんだ」っていう。


卑屈になる必要はない、今ここの健康な自分に目を向けられて。多少のドキドキ感はあるけれども、「新たな人間関係作りを試してみよう」とか、「普段やらなかったことをやってみよう」とか。

ここはうまくいった。でも、ここはうまくいかなかった。

そういったことが起きているのは、機能している状態。

ー 「イマココ」と「過去」の混同、みたいなことはすごく起きていそうだなと思います。

そうなんです。

「今感じていること」を「どうですか?」と問うてはいるのだけれど、クライアントさんは「思い出された過去の話を滔々と語っている」っていうシーンもそうですね。

ー 例えばシャドウに対するアプローチをするときに、「3・2・1シャドウワーク」のようなやり方をすると、シャドウが生まれた瞬間を辿っていく、みたいな関わり方をすることもあります。

そう考えると、(必ずしも過去の語りが悪いという話ではなく)、過去を語ってもらうシーンはあるのだけれども、なんだか様々なかみ合いが悪く起きたようなシーンをお話頂いたような気がします。


「痛み」の捉え方

ー 苦しいことは、プロセスとしてある。

根性論的な、「苦しいことが人を成長させる」とかではなく、「変容のプロセスとして痛みを伴うものである」という世界観はあるはあるけれども、

医者の誤診のような・・・

これは「麻酔が切れて、本来的な生きる機能として出てくる痛み」なのか、「マジで押しちゃいけないところに触れてしまって痛いのか」、みたいなところを捉えていく難しさをすごく感じました。

やっぱりカタルシスが起きるので、過去を思い出し、今思い出されてる「過去の自分」に対して言葉がけができて、「そのときに感じられなかった感情を感じられて」、一旦完了する。が、できたらいいんですけど。

「今の言葉」がめっちゃ大事で。過去の自分を思い出して、過去に感じられていなかった感情を「今」感じ直して、完了する。「今」、スッキリした自分がいる。

だけど、「こういう体験」ってめっちゃ話したくなる。エンタメ性があるからさ。

「過去の」感情を話していると、ダイナミックに心動くよね。

「私、こういう経験を昔しててさ。あれ本当につらかったんだけど・・・」

この語り、リピートできますよ。ずっと原体験語りがそこに登場するわけですね。するとその人はね、過去にいるんですよ


段階を整備するんです。

そこは、「完了したら」、「その体の状態で」、「どうしていきたい」。

ちゃんと、未来に意識を向けてあげる必要がある

過去を語って、「ざわざわした」。「もう無理です」ってなってるんだったら、それは「今」その人に扱いきれない量の過去の未完了の感情を思い出させてしまっている

そして、そこをトリガーしたところから、あらぬ妄想が膨らんで、さらに体に対しても感情的にも少し刺激が強い状態になっている。

これは、トラウマケアが必要な状態です。

まずは「身体に意識を戻しましょう」「足裏を感じてみて」とか、「ちょっと散歩しに行きましょうか」とか、「お風呂入ってゆっくり温まってください」とかね。

神経系レベルで整えてあげないと、あかんよ。


アフターフォローの余地

ー お腹開きっぱなしでセッションを終えてしまったみたいな状態がありうると思うんです。

パートナーシップがあり、継続的な関係の中で「予後を聞く」みたいな、お医者さんが「縫った後どうですか」みたいな。

そういった形で聞いていく中でのアフターフォローができる部分もあるのかもしれません。

「コーチとしてお腹開けっ放しで行かせちゃったかも」ってなったときの対応って、どんなことがあるんでしょう?

過去にトリガーされて発展していく妄想と、その妄想が故に起きる体の感覚っていうのを、しっかりこちらがキャッチしてあげて、それが故に今起きてますねっていうことをお返しすること。

それによって、その状態から出します(脱同一化)。

ちょっと自分をメタに見られるなったところから、足裏を感じたりとか、違った刺激を入れて、本当に「イマココ」の感覚を取り戻していただく。

要は、過去になんか親御さんに嫌なことを言われて、「あのときすごい悲しい自分がいた」みたいな。

悲しかったね。でも、それで泣けてよかったね。はあるんですけど。


ストップ!


「今周りを見て?親御さんいる?」「いません」みたいな。

「あのときは欲しいもの買ってもらえなかったね。でも今あなた欲しいものは買える?」「いや数十万の買い物はできないですけど、欲しいもの、買えますわ」みたいな。

あのとき欲しかったおもちゃぐらい、すぐにでも買えますわっていうのがイマココじゃないですか。

これから何を得ましょう?何を披露しましょう?って、楽しい体の状態になりますよね。

ちゃんと「イマココ」に、本当に「イマココ」に返してあげるっていうことをしなきゃ駄目ですよね。

セッションの飛び方って意味では、そこの体験を踏まえて、「今現在何歳になられたあなたがいて、今その状態でどうしていきたいですか」っていうのを、ちゃんと呼吸を整えた状態から、ちゃんと未来に意識を向ける時間を取る。

そんなお話をして、「今自分が何を感じているか」を、もう1回語り直してもらうってことが大事です。


もはやクライアントは、語らなくてもよい

究極、語らなくてもいいです。

落ち着きを感じられている様子が目に見えたなら、そのままいてください。

なぜなら「語ろうとする」と、過去の思考から「こんな良い体験しました!」と、また語りたくなっちゃうので。

語り始めたらまた過去に行って、それにトリガーされた体の状態になりやすいから。


過剰な弛緩と、社会性の減少

ー 事前に頂いていた「過剰な弛緩と社会性」についてはいかがですか?

同じなんですよね。

過剰弛緩・・・結局緩みすぎちゃって、癒されたはいいけど、「その状態が良い状態」ってなっちゃう。

「温泉入った後の状態がいい状態」っていうふうに、体に認識させちゃうと、日常生きている中では温泉に入った状態が毎日毎秒続くわけじゃないじゃないですか。

すると、「価値基準」として刷り込まれた瞬間に、温泉に入っていない状態が、日常生活が駄目なように見えてくるんすよ。

そんなことないじゃない。


私、コーチだから過去の原体験聞いてそれを認めてあげて、お相手を温泉に入ったような感覚にさせられるけど、コーチは仕事としてやっているんです。

その関わり方をパートナーに求めるのは、パートナーに酷ですよね、みたいな話もあって。

「そうなんだね」ってただ聴いてくれて、「今のあなた好きだよ」「そんなあなたと何かしたいんだけど」って話してくれるパートナーが大事なのにも関わらず・・・「ちゃんと聴いてくれない」みたいな。

コーチの傾聴レベルを求め始めちゃったりするわけですよね。


セッションが耽美ですごく優美な世界観がゆえに、「それを日常化しようとするのは違いますよ」って。

日常化しようとして、その日そういう日常になってない日、状態を批判していくと、社会性が減っていきます。

ぼーっとして当然。温泉に入った後なんだから。何に繋がるかわかんないからいいんだよ。無理に、日常に繋げるなみたいなことをしなくていい。

温泉に入って気持ち良かったそのまま、漫画読みながら畳のところで寝よう、みたいな話です。

日常がこうなってないから、「やっぱり私の日常はまだまだウェルビーイングじゃないのかな」って無理に繋げるなって話です。


コンフォートゾーンのズレ

ー これ「クライアントサイドの体験から」峻別するの、難しいなって感じています。

例えば、セッションの中で望ましい自分のビジョンを見て、「こうしていきたい」っていう願いに気付き、「そうなってない今」がコンフォートじゃない状態です。

つまり、「コンフォートゾーンを未来に置く」セッションを経た上で、その未来へと向かっていく原動力として「(コンフォートゾーンではなくなった)現在の現実の気持ち悪さ」に出会っていくみたいな。

今回のお話は、「セッションの時間に特有の心地よさ」が自分の新たな感覚基準へと変わってしまって、「日常全部がしんどくなる」みたいな状態が「行き過ぎ」という感じなのでしょうか。

行き過ぎなんです。

ー 「副作用にしては・・・なんか生きづらさ増しちゃっていないか?」みたいな。

そう。ドラッグと一緒。


ー 世界観としては今、わかった気になっているんですが・・・。また扱った方がよさそうなテーマな気がします。

そうしましょう。

そういう状態になりやすい精神の障害的な名前が付いたものもあったりするので、続きをまたやりましょう。


ー このテーマはまた、続刊でも扱っていきたいと思います。




3 今月のおすすめ本


『あなたの強みを高く売る 自分の強みをお金に変えるAMMサーチシート』

今回はシンプルに、「食えるコーチになるには?」に繋がるところで、こ
の本をご紹介したいと思います。

神田昌典さんという方と衣田 順一さんがメインで書かれています。

ご自身のプロフィールを書く際に、「こんなフレームで書くといいですよ」っていうAMMサーチシートっていうのをご提案されている。

やっぱりコーチとしてご自身をどう紹介していくか・どう違いを作っていくか・そのときにご自身の体験から何ができるかっていう提供価値に言い変えていくプロセスが必要なんですけど、どうやったらいいかわかんない。

そんなときに、おすすめです。

いわゆるマーケターで有名な方で、セールスレターの書き方などにも詳しいのですが、本書ではプロフィールを作るところに特化されています。

コピーライティングなんかもされているんですけど、自己紹介プロフィールを作る際に実際に効果があった方法を今回1冊の方にまとめて売っていただいてるものですね。

ご自身を「どう自己紹介していったらいいかわかんない」って、コーチの方々にとってのあるあるだと思うし、僕自身も未だにわかんないくらい。

こちらの本にあるワークシートをやって頂くだけでも、整理されるところがある。


ロールモデルとしての、たけちみりさん

それで、個人名をこのラジオで出さない方がいいのかもしれないんですけど、マジでこの人売れていくだろうなと思っている人がいて。

たけちみりさん。

ご自身のできること・ご経験と、ご自身の提供価値を紐付けたわかりやすい自己紹介をされている。

今日お話してきたようなステップになりうる場を作って、その後のフォローもされながら、本当に必要な方にとっての情報発信をされていっているので、この方は皆さんモデルにされたらいいんじゃないですかね。

僕も真似させていただきたいというぐらい、お上手だなと思う。

ー 彼女がTHE COACHで基礎コースを受けられた日に初めましてしてから以来のお付き合いですけど、この1年間を見ていても、凄まじいです。

ぜひ今回のお話も踏まえながら、みりさんとお話をされてみるのもいいんだろうなと思います。彼女の活動からヒントになること、めちゃめちゃあると思うんですよね。

当事者性の高いテーマで、それにちゃんと寄り添うっていうコンテンツを生み出し続けているのを感じるので、本当にロールモデルだなと思います。


🔸たけちみりさんのWEBサイト
https://www.militakechi.com/


4 ミンデル読書会


おすすめの場のご紹介です。


ハッシュタグ #ミンデル読書会 でTwitter検索していただくと出てくるんですけれども。

アーノルド・ミンデルという、プロセスワークの創始者の方がいらっしゃいます。まだ出版されていない、彼の未翻訳本を、翻訳したものをもとに読書会をしようということで、10月からスタートしています。

全12回なんですが、4回目までは新規のご参加者を募集しております。

単純に読書会というよりは、事前に読んできて頂いた上で、本書で紹介されているワークをみんなで一緒にやろうというもの。

認定プロセスワーカーで、一緒にチームコーチングを開発・提供している松村憲さんに、ファシリテートいただいてます。

専門的な観点から、彼がミンデルさんと対話してきた知恵も乗っかった解説も踏まえて読書会をしているんです。

なかなか1人で読んでいても「このワークどうやったらいいんだろう?」って悩みがあると思うんですけど、そのワークをする場がある。しかも最新のプロセスワーク理論にも触れられるんですね。


ご自身の「対立」とか「人間関係」をどうにかしていきたいとか、そういうお悩みがある方のソリューションに間違いなくなる場なので、ぜひご興味ある方はご参加いただけたらと思います。

(なお、過去の回のアーカイブも全て見て頂けます。)


ー 時間が合わなくても自分に合った受け方をできることもそうだし、「本当に12回もあるこの熱量のプログラムがこの価格でいいのか?!」って、僕ほんとビックリしました。

本当にあれ、読書会という名の「変容プログラム」です。


ー 説明会に参加した中で松村憲さんにして頂いたワーク、すごかったです。

本で読んでも多分あの動きはわからなかったと思うけれど、あの場で身体を使ってワークをやったからこそ受け取れのものが絶対あったなって確信しています。セッションにも役立ちますしね。

僕も(途中からだけど)参加したい!



5 おわりに

毎度長くなっちゃってすいません。

本当にこの場を頂いてありがとうございます。
月刊コーチングは、「場」だと思っています。

オンラインの非同期ではありますけれども、皆さんの反応をもとに作られている企画ですので、ぜひ皆さんの日常のお役に立てればと思います。

また、これを聴いて頂いた方からのご感想・ご質問を、お手紙等で頂けると嬉しいなと思っています。

ーお便りも随時募集しているし、テーマのリクエストもドンドン頂きたいですね。

「読んでいてこんなこと困ったよ!」だったり、「こんなこと実践してみたよ!」だったり。あなたの声を、お待ちしています。




それではまた、11月号でお会いしましょう!







ここまでお読み頂き、ありがとうございました!


どこか「仕方ない」と自分の生を諦めていた僕が、人生を取り戻したのは、自分の願いを知り、これを指針に生きることを選び、行動を重ねてくることができたからだなと実感します。

コーチングを学んだことで、僕の変容は加速しました。
労働観が変わり、人生観が変わり、生きる質感が変わった。その感動を届けたくて、コーチの仕事をしています。


そんな僕の挑戦の原点にある想いを綴ったnoteはこちら。


コーチングに触れて、ガラリと人生が動いた話はこちら。

「居場所で人を自由にしたい」想いをインタビュー頂いた動画はこちら


🔸サービス紹介

ご自身の価値観を整理したり、居場所を探していくための構想を、「喋りながら考えてみたい」という方向けに、頭の整理にお付き合いするサービスを提供しています。


🔸コーチングセッション
現在はご紹介のみで承っておりますが、ご興味のある方はお問い合わせいただけますと幸いです(公式LINE)。

🔸公式LINE
また、直接まーと喋ってみたいぜ、という方は、気軽にLINEで話しかけてもらえたら嬉しいです(公式LINE)。今は平日10時~14時くらいの時間に話せることが多いです。

「あなたの物語に共に出会う嬉しいその瞬間」を、今から僕も心待ちにしております。


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