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stand.fm:人との関わり方(妻との夫婦喧嘩より)


こんばんは、まーです。

 僕がstand.fmを始めたきっかけは「妻との夫婦喧嘩」でした。コロナ禍で在宅勤務になり、単身赴任の週末婚生活から一緒に暮らすようになり、増えた喧嘩…。

「構造的に問題解決をしたい。話し合いをしよう。」と妻に持ち掛けられて、コメダ珈琲で話し合うコト6時間。色々と見えてくることがありました。

 妻との暮らしは、人間関係の最小単位。喧嘩をするたびに、「どうしてこんな風になってしまうのだろう?」ということを話しあって、仮説と実践を繰り返して、今では随分と仲良くなったように思います。

 この記事では、過去の収録の整理を通じて、この半年間学んできた「人との関わり方」について考えていきたい。


1.「箱」。結婚生活でも、職場でも。一番知っておきたかった概念。


 僕が前職を辞することに決めたとき、最後までひきとめてくれた上司が「こいつに話をしてやって下さい」と繋いでくれた、別部署のコンサルタント。「君に、ある本の話をしよう」と、教えてくれたのが本書です。

 「箱に入る」という特徴的な言い回しで語られるのは、自己欺瞞(あるいは、自己正当化)のお話。自身を守るために人は箱に入り、周囲への見方を歪めてしまいます。「悪いのは会社、上司、部下。自分はこんなに貢献しているのに…」

 歪んだ認知では、自分をとりまく状況やものごとを客観視することができません。振る舞いを改める契機を失い続けることになる。

 箱から出てくるための唯一の方法は、「自分が箱に入っている(=自己欺瞞に陥って歪んだ目で世界を認識している」ことを自覚する
こと。この概念を知らなければ、箱から出てくることができないんですね。

 我が家では、僕も妻もこの「箱」の概念を共通認識にしたことで、喧嘩をしているときであっても、「今、あなたは箱に入っているよ」と声をかけあうことで、建設的な対話をできる状態を整えていくことができるようになりました(箱に入ったまんまだと、何を話しても相手が都合のいいワガママを言っているように聞こえちゃう)。


 そんなわけで、第一回はこのテーマ「箱」について収録することにしました。

01 「箱」とは何か。人との素直な関わり方を妨げてしまうもの。

(唯一、原稿を書いた初回収録。ちゃんと冒頭で番組紹介を試みています。続ければよかったのに)


28 「箱」とリモートワーク

 コロナ禍になって、フルリモートワークになりまして。箱に入るメカニズムは、「自分への裏切り」が起きた時。すなわち、誰かのために何かをしよう、と心に思ったのに、それを叶えられなかったとき、です。

 初めてのフルリモートワーク環境で直面したのは、圧倒的なコミュニケーション不全でした。慣れない中での協業はハードルが上がり、一緒にいればなにげなく受け取れるはずの「ありがとう」も聞くことができなくなる。

 成果につながらず、相手のために何かできている、という効力感を失うと、自己正当化が顔を出します。「別にこの同僚を喜ばせる為に働いているわけじゃないし」という自己欺瞞です。

 リモート環境で共創していく上で「コミュニケーション量の確保」が重要視される一因はここにあるな、と思いました。すなわち、「相手に貢献できることを知っている状態」をつくり、行為のフィードバックを適切に得られる状況を整えることです。


177 仕事で「箱」に入るメカニズム

 本書の末尾では、「これから解決しなければならない大きな問題」として、職場環境において人々が箱に入り合う状況をとりあげています。仕組みで解決しなければならない、と。

 会社には、箱に入りやすいわかりやすい仕組みがあります。「掲げられた成果目標」です。これに到達できない状況が訪れるだけで、自己正当化は顔を出してきます。外部環境要因、同僚との摩擦、タイミングを逸した不慮のトラブル。

 あるいは、自分は「やっているつもり」になっていても、相手が「感謝を伝えたくなる」だけの変化量を届けられていない、という客観的な状況があっても、「自分は貢献しているのに、無視するなんて、悪いのは依頼者だろ?」などと自己欺瞞に陥ります。

 こうなると悪循環で、「この人のために何かをするのは人生の無駄」と思いはじめ、ますます成果に繋がらなくなる。

 組織の人間関係が、「箱に入り合ったもの」となった末路は、成果の上がない烏合の衆です。


 冒頭のコンサルタントが僕に話してくれたのは、「今、まさに、我々の会社はこの状態にある。すなわち箱に入り合って、足をひっぱりあっている。由々しき状況だ。」ということでした。
 
 今振り返ってみると、まさに僕も箱に入り込んでいて、誰もかれもが「敵」に見えていたように思います。ちょっと前まで、自分のチームは、社内で一番居心地のいい居場所だったのに


 「箱」に入る恐ろしさを、家庭でも、職場でも味わってきたので、何か人との関係でうまくいかなくなっているな、と感じた時は、「自分は今箱に入ってないか?」と問いかけるようにしています。

 自分の状況から「自己正当化」の要素を取り去って客観視できれば、億劫だった人との関わりが前向きなものに変わり、状況を打破する道筋が見えるからです。夫婦喧嘩をしていても、「自分を護るため」だけの言葉を無用に投げ合うことがなくなり、建設的に「問題そのもの」に目線を合わせられるようになってきました。


 と、いうことで、第一回「箱」に絡めた過去収録のご紹介でした。今後もこんな感じでいくつかのトピックスを整理していきたいと思います。

 人とすれ違ってもやもやする夜を、一刻も早く終わらせるために。

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