住処を変える、という選択。
住む場所を変えることには大きな決断が伴う。
大きく何かが変化することを感じ取っているからかもしれない。
こんな人へ向けて書いています
「自分の状況の変化に繋がる選択」を、しようとしている人へ。
住処を変える、という選択の背景で考えてきたことを語ります。僕たちは「後悔したくない」生き物なので、「自分で自分の行動選択に納得することができるか」が、充実感をもって生きる上ではとても大切だと考えます。
あなたが「自己納得できる」行動選択をするヒントになれば嬉しい。
このnoteを書いている人
僕は東京に妻と息子と3人で暮らす、32歳の話好きです。
明後日には生まれ故郷の群馬へ。独立1年生、父親1年生です。
僕らが生きるこの世界に、あなたにとって「居心地のいい居場所」を。そんな居場所を、ご自身の力で創れるようになって頂くためのお手伝いをしています。
そして「いきたい場所への中継地」である、という想いをこめて、「とまりぎ」をコンセプトに選びました。
音声配信サービスstand.fmの公式パートナー(SPP)、居場所づくりを通じて人をもっと自由にするコーチとして活動中です。
1.住処と、執着心。
これまで生きてきて4度目の引っ越しだ。大学進学。キャンパスの変化。結婚。そして今回は、独立と子育て。
人生には「転機」がある。慣れ親しんだ場所から離れるのは、準備が面倒だったり、お金がかかったりすること以上にエネルギーが必要なもので。
ウイルスが世界を一変させる以前は、土地との物理的な繋がりが強かった。地縁だったり、仲のいい友人だったり、お気に入りの居場所だったり。そんなに頻繁に会う相手がいなかったとしても、「すぐに会える距離にいること」自体に見出していた価値は思いのほか大きかったように思う。
新しい生活様式。stand.fmを通じて音声の、Twitterを通じて文字の世界に暮らすようになってから、僕の「繋がり」はインターネットの上に成り立っている。「物理的な世界」で繋がっていた友人とはすっかり疎遠になり、ほとんどの時間を家で過ごすようになった。
PCとスマホで繋がる世界が、世界の全てだと勘違いしてしまわないように、僕は「自然」と「人影」を求めて公園まで歩く。あぁよかった、ちゃんと僕の知っている世界がまだあった。そんなことを確認するように。でも、それ以上の愛着も執着もない。この土地から離れることに後ろ髪を惹かれる想いは、あまりない。
引っ越しを明後日に控え、妻と分担して粛々と段ボール詰めを進めている今も、あまり「引っ越すのだ」という実感が湧いてこない。これまでの暮らしに比して手放すものが少ないからなのかもしれない。
それは、物理的に荷物を手放すとか、土地を離れることに留まらず、人との繋がりに伴う物理的な距離感に、関係性の距離感をも重ね合わせてきたからなのかもしれない。
インターネット世界に生きるようになって、いつでも・どこにいても・たとえ引っ越しても関係性の変わらない方々との「日々」は続くわけで、こうやってnoteを書く場所が実家のリビングに変わったところで、さして大きな「時間の使い方」の変化を想像できないからかもしれない。
引っ越しというのはそれ自体に高揚感がある行為である気もするのだけれど、ひどく落ち着いた心もちでいる自分にちょっと驚いている。
2.子供の成長と、住処。
生後半年を迎えた息子が、身体全体を「へ」の字に折り曲げながら、頭を地べたにこすりつけて前進している。予想していた「ハイハイ」とはちょっと形が違うのだけれど、気付いたら彼の座標が変わっている。「いつの間にそんなに移動したの?」とびっくりするほどだ。
僕たち夫婦が引っ越すことを決めた大きな理由の一つが、子育てだ。「せめて2LDKの間取りじゃないと厳しいですよ」。そう、親しい友人が子育ての先輩として教えてくれていたものだから、お腹が大きな頃の妻とともに「もっと広い家」を探していた。
今の住処は1Kの間取りだ。クイーンサイズのマットレスに親子三人が川の字で寝ている。息子の可動域はこのやわらかな長方形の上が全てだ。そこからはみ出ればフローリングの床へのダイブが待っている。
「大きくなってきてからまた家を探そう」。今の住処を夫婦共にやたらと気に入っているため、内覧を重ねても住みたい家はなかなか見つからなかった。そのまま出産時期を迎え、息子が生まれて今の暮らしが始まった。そして今まさに、「大きくなってきてから」のタイミングが訪れた、というわけだ。
枕で囲いをつくりながら落ちないように工夫することもできるけれど、それを突破されるのも時間の問題だ。賃貸借契約の更新時期も迫り、更新料が20万円近くかかることに鑑みて、転居することを決めた。
はじめは郊外の、もっと広くてもっと安い家賃で暮らせる家の候補を妻が探してくれていたのだけれど、僕はなかなか乗り気になれなかった。家賃が少しばかり下がっても、ずっと心にひっかかってきたとある問題が解消されないように思えたからだ。
その問題とは、生活コストである。
3.生活コストと、住処。
僕は今年の1月末に独立した。副業として軌道にのっていたわけでも、お客さんの顔が見えて確信を得たわけでもなく、「会社を辞めなければならなくなったから」というのっぴきならない理由で、「独立してしまった」。
そんな「個人事業主デビュー」を仕立ての僕が、8か月も独立した仕事のみで暮らし続けて来られたことは、奇跡に近い。戦略的にものごとを積み重ねてこられたわけではなく、そのときどき立ち表れた目の前のことに必死に食らいついた結果にすぎない。ご縁を頂き、暮らしを支え続けてくれた皆さまのお陰である。感謝に堪えない。
僕の仕事は定期的に発注があるタイプのものではない。信頼関係を築けているお相手に、たまたま「必要としているタイミング」が訪れたときにだけ、売れる。見通しとして計算できる月の売上は10万円ちょっとで、そもそも今の家賃を払えもしない程度なのだ。
ここに、まったく顔の見えていなかったお客様との繋がりが生まれ続けてきたおかげで生きて来られた。
「そろそろ契約更新の時期だね」。と話していたときに、その後の暮らしの資金繰りに向き合ってみた。更新料、20万円。住民税、30万円。WEBサイトの制作Fee、40万円。生活コスト以外の出費が100万円近くあることが生々しい現実として立ちはだかった。
夏までは絶好調だった先物投資も、9月に差し掛かるタイミングで80万円ほど吹き飛び、生活の余力がいよいよないぞ、という現実が見えてきたのだった。
僕は人生全体でみればおおざっぱでおおらかな生き方をしているのだけれど、差し迫った危機に対しては必要以上に慎重になるらしい。
息子の生後6か月が経ち、妻が育休期間に受け取れる育児給付金が2/3から1/2へとなった。僕の売上が「ずっと0だったとしたら」、いつ資金が底をつくのかを計算し始めた。
「ずっと0だなんて、弱気すぎでは?経営者なら必死に売り上げをつくるもんだ」という声も聞こえてきそうだけれど、努力を重ねることとリスクを楽観視することとは全然違う。
8か月も個人事業を営んでいて「売上を立てるまでの流れが再現可能になっていないのかよ」と情けなくもなるのだけれど、それを今の今言っても遅いわけで。とにもかくにも僕がやるべきことは、家族の暮らしを成立させ続けることだ。それは、「お金を稼ぎ続けるコト」だけではない。
そしてこの度とてもありがたいことに、実家が受け容れてくれることとなった。「広い家」と「生活コスト」の問題が一挙に解決する選択肢だった。
さらにありがたいことに、妻と僕の母は仲がいい。世に聞く嫁姑問題の恐ろしさを想えば、これが僕のもっとも恵まれていることなのかもしれない。本当に周囲に恵まれている人生だ。
4.住処と、自立して生きること。
一人暮らしをしてきた12年間。結婚してからの2年間。
起きる時間も寝る時間も、気ままに自分たちで決めて暮らしてきた。18歳の頃は、生家から離れて暮らすことが「大人になること」だと思っていたのかもしれない。子どもが産まれる前の僕だったら、「帰ってこい」と言われても、頑なに帰らなかったと思う。
「自由」を愛する僕としては、実家で暮らすことはどこか「縛りが増えること」、とみなしていたところがある。集団生活であれば自明なことだが、それは「自分の意思を表明すること」を避けて生きてきたからなのかもしれなかった。「有無を言わさず従わされる場面」に異議を唱えなかった、自らの問題でもある。
今回の引っ越しを、とてもポジティブに捉えられている自分に気づく。子どもに今よりも広い空間(そして安心できる居場所)を与えてあげられる。孫にすっかり心を奪われている母に、息子を触れさせてあげられる。いつ支払い不能になるかわからない僕の苦悩によってかけてしまう、妻への負担を軽くできる。
そして何より、「お金の為に」自分の苦手なことに耐えて働かずとも、今の大好きな仕事で挑戦をし続けられる。
この2年間は、「自分が大切にしたいコトの価値の序列」を自覚した時間だったと思う。そして、僕が大切にしたい時間にとってプラスになることが見えている今回の引っ越しは、今の僕が納得している選択なのだ。
自分が大切にしたいものを大切にするために、選択の責任を引き受けるコト。責任の引き受け方は、色々ある。必死に売上をあげる努力をすること、家族が東京で暮らし続けられる仕事をみつけること、そして今回の僕のように、住処を変えること。
世の中に「正解」はたくさんある。目的の叶え方は色々ある。でも、どの「正解」が自分にとって納得できる選択に繋がっているかは、あなたしか知らない。
「自立」の意味を追いかけ続けて生きてきたおかげで、今日も僕は自分の生を選んでいる。
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ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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