接客業

自分は接客業をしている。
明らかに適正でないにも関わらず、技術職でもあるという部分に惹かれ接客業に従事ているのだが、まぁ、苦手だ。

いや、表面上は穏やかにやっている。自然体に笑顔で接し、時折笑い合ったりなどして、忙しいけれども充実はしている。
だが、休日になると反動のように鬱鬱しい気持ちになるのだ。人と密に接する回数、時間の分だけ、魂をやすりでジリジリ削られているようだと、休日になると気づくのだ。
なぜなんだろう?取り分け大きなミスがある訳でもないし、誰かに酷い扱いをされた訳でもない。
未熟ながら、学習する日々といった比較的順調な道のりなのに、何故せっかくの休みが鬱鬱しいのか考えた。

多分、というか確実に、根っこが物凄くひん曲がっていて暗いのに、明るく普通のフリをして生きるのがしんどいのだろうと思った。
学校でも会社でも、家族でもそうだが、集団に混じって生きる限り、協調性が求められる。チームワークが求められるのだ。
分かっている。平和に仕事をした方が断然やりやすいのだから、当たり前に協調し、明るくいた方が他人にとっても、何より自分にとっても楽なのだ。(実際そちらのが楽)

だが、そうしていくと、もう一方の暗い自分が抑圧され、大きな反動となって休日に響くのだろうと気づいた。
どうしたら暗い自分を織り交ぜながら社会でチームワークを取れるようになるんだろうか。
そしたら一番楽なのだが、暗い自分が明らかに反社会的すぎて、とてもじゃないが表に出せない。
独りで自由に生きられるようになりたい。

いやいや、まず反社会的すぎる部分を治す努力をすればいいんじゃないか?という話だが、今はまだ先延ばしにしたい。
もし独りで生きていけるようになれれば、この暗い方の自分にも、人権があったのだと感じれるからだ。
社会で求められる明るい自分なんぞ、後から強制的に作られた形でしかない。
元々長く過ごしている自分を、まだ全否定したくない、と思う。まぁだから、未熟なのだけれど。

とにかく今は、休日の鬱鬱しい気持ちを消すために掃除をしている。

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