稽古考35
■ 2005/01/17 腕(手)を引き下ろさない「入身投げ」考
交差取りであろうと順手取り、或いは諸手取りであろうと、『入身投げ』の時、「受け」は握った手を離さない。「取り」も握られた手を手刀で切り下ろす事なく、転換時、腕を下げない(手を肘より下にもってゆかない)稽古。このところ三松禅寺道場でよくやる稽古。
『入身投げ』の時、引きつけの肩が傾き、身体が傾くのを是正する稽古法だと私は理解し、おこなっている。
この場合、受けは結構しんどい。投げも同じく、である。通常の入身投げのように、相手の首の乗った腕を返し、踏み込み投げるのではなく、充分な転換から腰の切り返しを早くし、手刀で斬り下ろすように投げを打つ。この際どうしても足の踏み込みが遅れる。流して投げれば良いのだが、形を重視とすれば(基本となる)足の踏み出しに拘っている。もっとも、これは腰の切れを意識した稽古としては良いと思う。