稽古考10
■ 2002/05/14 (Tue) 大阪合気会の演武会
先日行われた大阪合気会の演武の中で、学生が行った杖や太刀取りを初めてみた道場生から、アレは何ですか。或いは、どう思われますか、との問いがあった。私にも最後の方の太刀演武は意外に思えた。
見ていて、まっさきに頭に浮かんだのは時代劇の殺陣でした。学生の場合は、その大学の伝統的演武スタイルがあり、杖の○○大学、太刀の○○大学と、先輩から後輩に伝えられる演武(技)があるように聞いています。今までも演武会でオーソドックスな太刀取りや杖取りの演武はありましたが、今回は今までにない殺陣のような演武でした。あれを体術中心に稽古している初心者にどう解説したらよいものか。
合気道の体術の延長上に杖、太刀はある。と常々考えており、合気道を始めてまだ数年しか経たない学生が、太刀取り、或いは杖取りならまだしも、我流の、しかも時代劇の殺陣のような組太刀、組杖を演武会でおこなう事に、合気道上級者は戸惑うであろう。まして初心者は誤解こそすれ、素晴らしいとは思わないのではないか。それが、先に述べた「アレは何ですか」或いは、「どう思われますか」の問いであろう。
開祖が言っておられる「合気道を修業する者は、剣を持てば合気剣法になり、杖を持てば合気杖術にならなければならない」は、体術としての合気道を充分に研鑽し、しかる後、我が体が剣や杖と何ら変わらず、一体化する事の意味を表現しているのだと私は理解している。
ただ、合気道は人によって技の解釈が違ったりしますので、一概にすべてを否定出来ないが、取り敢えず合気剣、合気丈は殺陣とは違うのだ。と、もしそう見えるとすれば、それは行った者の未熟さなのだと私は考える。