稽古考25
■ 2003/11/11 「八方投げ」考
三松禅寺道場の稽古。今まで稽古したことのない技をする。片手取りを表に捌くのでもなければ、裏でもない。自分の中心に受けを導き、転換入り身する。四方投げの変形だと、言う。私はすこぶる素直な性格だから、言われたままに実践する。何度かやっているうちに、はたと気づいた。相手が取っているのは「八方投げ」の受けだ。
そう考えてみると、この「転換入り身」の「入り身」を省くと、まさしく「八方投げ」の理合いである。「いっぺん相手を、これで投げてみよう」と、悪魔のささやき。果たして、腕の逆間接を極めたまま肩越しの投げ。「う~む」上手く飛んでいった。時々やる「ユニーク」稽古も、なかなか良い。
【八方投げ】
相手の腕の肘関節を極めたまま、肩越しに投げるので、少し危険。かつては三松禅寺道場でも田中裕昭師範がよく指導されていましたが、最近は「禁止技?」になったのか、どこの道場演武を観ても、一切していない。四方投げとの違いは、「投げ」の方向にある。四方投げは相手の背方向に腕を(投げを)返してやる。八方投げは相手の進んで来る方向そのままに(腕を極めたまま)投げる。
【理合い】と言う語彙
文字打ちでも出てこないし、普通の辞書には載っていない。分厚い辞書を引くと、「理屈」と言う意味を示すものがあり、私はそれを当てはめている。一般には余り使わない言葉だが、居合道などでは、頻繁に使用する。例えば、「想定」と「理合い」の違いとは何か、など。
概ね「理合い」については、技(業)の過程において、「何故そうするのか、そうすべきなのか」と言う理屈の体系であると、私は解釈している。