稽古考31
■ 2004/11/10 「研鑽、道半ば也(みちなかば)」 考
「胸持ち二教抑え込み」。捌き、持たれた腕に閂を掛けるようにして、抑え込む。何度かやった後、胸を持たせずに相手から逃げるように手首を取り、抑え込んでいる道場生がいたので、「しっかり取らせて返せばどうだろう」と言い、道場の隅で「ガチンコ」でやってみる。
相手の腕が返らない。「道衣で滑ってんのとちゃいますか」と、端で見ていた道場生が、慰めを言う。だが、「ちゃう(違う)」。上背180センチをはるかに超える、胸板厚く力充分の体躯、英語を喋る国から来ている稽古生。「こうなったら意地でも」と、ムキになる。相手に握らしたままの手を固定させ、もう一方で手刀(と言うより拳を固め)手首を思いきり叩き付け、斜め下へ落とす。辛うじて相手を崩す。
強く押し込まれたままの腕を、相手の方に返すのはどうしても無理がある。胸を掴んでいる相手の肘の少し上あたりを押し回すようにする。その際、腰を充分返せば、相手を崩せるとの指摘。引けば押せ、押さば引け、の要領。
教訓その1、 体躯のでかい者相手に、捌かずに技をするな。
教訓その2、 裏と表を念頭に置きながら応用力を養う。
教訓その3、 技の変化に臨機応変、柔軟に対応する。
合気道研鑽、道半ば也。