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稽古考20

■ 2003/05/27   「研鑽根拠地」考

一年ぶり或いは二年ぶり、忘れた頃にヒョッコリ稽古に顔を出す人。「久しぶりやな」と声を掛け合う。道場でよくある光景です。

「古巣に帰ってくる」と言うのは適当ではないのかも知れない。鳥は巣立てば帰ってこない。又、巣そのものを大きくする鳥もいない。「古巣」と言う他に何か適当な表現があるだろうか。「ホームグランド」、私の場合は近い言葉のように思えるが、他の道場生にはこれもちょっと違うようだ。自身が合気道を始め何かを獲得した場所(地)、合気道研鑽をまた続ける根拠となるべき所(地)。さしずめこんなところから「研鑽根拠地」が尤もらしい、か。

いろんな雰囲気を醸し出すこの道場には、「去る者は追わず、来る者は拒まず」の田中利明道場長の方針がある。これは、二年前「或る問題」が起こった時の道場長の見解である。去っていく者には、この道場の魅力が充分に伝わっていない事への「自省の気持ち」を持つべき、と道場長は言う。

また、来る者にはこの道場の良さを理解させる努力は怠らない。と言う。私などは、来る者でもそれが不適当なら拒むほうなのだが、それはしないと言う。結構意見も違うのだが、それでもここは私の研鑽の根拠地となっている。


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