稽古考16
■ 2002/12/10 「礼について」考 その1
あらゆる武道に「礼」は伴うものであるが、礼そのものは武道に限らず、社会一般でも行われ、社会生活を円滑する行為となる。だから、武道における礼は固有のものがあるにせよ、社会生活における礼儀から考えてゆくのも一考ではないか。
「礼」その1 稽古前に畳を敷く事(稽古準備)について。
初めに私の不明から。私が三松禅寺道場に通い出したころは、少年部の稽古時間と一般部が分かれており、少年部は4時半頃からの稽古で、畳は師範と子どもたちが敷いていました。入門して3年ほど経ち少年部が廃止され、一般部のみの稽古となった。道場へ行くと、いつも畳みは既に敷き詰められており、稽古をするのみの状態でした。それが当たり前の状態で、なにも考えずにいました。
だいぶ後になってから、ハタと気付きました。野村師範が一人でいつも畳54枚を敷いていたのだと。何という不明。恥じ入りました。稽古日には出来るだけ、稽古時間より早くゆくことを決意。
現在の三松禅寺道場。道場生が率先して畳みを敷く。が、畳を敷くため稽古時間より早く道場に来る稽古生は限られています。仕事、学校それぞれの都合はあります。しかし、ちょっと考えて下さい。1年で100回の稽古があります。仕事、学校の都合でいくら遅くなるといっても、1年100回の稽古の内、2、3回は都合がつくでしょう。稽古の時、「お願いします」と言うだけが礼ではない。「礼」は稽古に至る全てにおいて言えること。そう考えていけば、自ずと「礼」とは何かがみえてくる。他人のしている事に無頓着にならないこと。「礼」は此処からはじまります。
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