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【私の経験】システムインストラクターが私のスタッフワークの土台を作ってくれた話し
仕事の経験を書きたい、と思うと膨大な量になりそうだし、まとめられるのか。「職種ひとつひとつをnoteに書いてみよう」と書き始めました。
第2弾はシステムインストラクター
思いのほか長文になりましたm(__)m
システムインストラクターになったのは入社17年目の4月。
営業職を16年経験した後のこと。5月には基幹システムが全国展開されることが決まっていた。
この基幹システムは、ワンライティングと言われたシステム。
データベースにある企業情報をもとに、商品の選択、納品先の選択、販売条件の設定、契約内容等、営業が作成した内容で契約が完成するシステム。これが動いてくれないと、お客様と商談をしても納品はおろか、見積りすら提出できないのだ。
それまで私が所属していた営業チームは他のチームに先んじてシステム導入済み。システムに慣れるのが早かったからという理由で抜擢された。
導入までの準備期間は1か月。
●導入までの期間にやったこと
全社ミーティングへの参加
メーカー・販売会社の担当者が集められたシステム説明会に参加。
システム全体の再説明、体制の確認、トラブル対応などが説明された。
説明会以前から存じ上げていた方、この説明会で知り合った方々は今後の問い合わせ、相談のためにメモメモ。
帰社後に早速行うのは、データの整理。全国をまたいだシステムではあるけれど、自社のみ使用するデータがあるため、その準備と着手。カットオーバー以降も並行してデータ整理は続いた。
データベース整理の実務は担当外。
担当者に伝えるためには私がそのルールを"きっちり"理解しておかないとバトンが渡せない。
タスクチームの立ち上げ
社内のシステム担当者とわたし、ほか1名、計3名ででタスクチームを立ち上げた。スムースに営業部門・間接部門にシステム運用してもらうことが目的。
週1ペースでミーティング。
カットオーバー前から問い合わせは入っていたし、自分たちなりに「課題」を見つけては打ち合わせを繰り返した。
サポート準備
タスクチームを立ち上げたことが一つ。
わたし自身は、トライアルサイトで様々な商談を作成しては滞りそうなか所を見極め、イントラ内に情報展開。問い合わせ先の再整理。
販売ルールの再確認。実はこれが様々に問題を巻き起こしてくれた。
それまでも販売ルールは展開されていたけれど、「私ごと」がより深く大きくなり、再度入念に読み込み。
販売ルールを逸脱して商談作成ができないことはわかっていたので営業部門にも、特にマネージャーには「よく読んで理解を深めてください」とお願いしていた。
●導入当初のトラブルとカットオーバー後の対応
システムが止まる
全国の営業が一斉にアクセス(従業員数も営業部門の人数も記憶の彼方です…)
止まっては復旧、の繰り返し。
のちのちシステムが止まる現象はなくなっていったけれど、導入当初はヒヤヒヤものでした。私のところには「いつ動くの?!」という問い合わせが主体。実績を作っていくシステムなので、本部の方たちの心中やいかに、です。
操作方法がわからない
毎日のようにある問い合わせ。
多いときは1日100件前後ひとりで対応していた。
マニュアルは配備されていたけれど、見るより聞くほうが早い、という心模様。それはよく理解できるが、マニュアルみて~と思うことはあった。
レアケースも様々。
レアケースを確認した後はTipsとしてイントラにアップ。
情報共有することで、一人でも、少しでも早く手離れよく。
営業がシステムに慣れるまでとにかく丁寧に、細やかに。
「ここ」がわからないという問い合わせをしてくるけれど、「どうゆう結果を望んでいるのか」がわからないと解決にはつながらない。わからないという一歩先を、二歩先を質問して対応することを繰り返した。
●大変だったこと
販売ルールを理解し、受け入れてもらうこと
システムで商談作成を行うことがワンライティングになり、人が介入することが激減。システムは"ほぼ"販売ルールに則り作られているので、ルールから外れるとエラーが出る。
「エラーが出る」と私への問い合わせとなり、ルールのからの逸脱が判明。
「前はできたのに」とシステム導入以前の状況を持ち出される。
販売ルールを手に説明を繰り返す。
実績問題があるのでそう簡単に「わかった」と引き下がってはくれない。
そんな時こそ、冷静に、丁寧に…。上司にも状況をシェア、販売ルールについてズレがないことを認識。必要に応じて上司からも説明をしてもらった。
※"ほぼ"販売ルールに則り作られている、と書いたのには理由がある。
ルールから逸脱した商談作成ができたことがあったのだ。
NGはNG、商談作成できるからOKと思わないようにと営業部門への周知をする必要が出てきた、という笑えない話もあった。
商談作成をしたくない
「代わりにつくって」
何度も言われたけれど、お断りしていました。私の世代はパソコンネイティブではない。私より年齢が上の方々ももちろんそう。それでも時代に合わせてパソコンを使えるようになってきた。
できない=商談作成したくない、はちょっと違うんじゃない、そこは譲らなかった。
●うれしかったこと
システム導入された上期の評価が人生で一番良かったこと。
役割遂行表は自己評価→所属長→部門長と評価され最終的には社内決裁。
営業時代も含め、一番高い自己評価で提出。
そのまま決裁された。
その時に上司から言われたのは『「常務から、きみのおかげで上期の営業成績が予定通り着地した」と言われて自己評価のまま決裁おりたよ。もちろん僕もそう思ってクボさんのつけた評価のまま申請した』と言っていただけた。
販売会社である以上、実績を作る営業が評価される。
そう思って疑っていなかったし、周囲からもそういわれていた。
「ああ、見てくれていたんだ」と心から嬉しかったし、努力したかいがあったなぁ、と思ったのでした。
評価結果はもちろんうれしかった。それ以上に、伝えてもらった言葉は心にしっかり残ったし、見守っていただいていたことが身にしみてうれしかった。
●この仕事で学んだこと、得たこと
前向きに引き受けたか
答えはNO
なぜ私が選ばれるんだろう、と思った。
システムに慣れるのが早かったからという理由とはいえ、なんで私が。
①セールスレップであることの誇り。
所属した企業ではセールスとは言わずセールスレップ(会社の代表)という呼び名だった。新卒研修でもそれを教え込まれる。
②営業からスタッフへの異動は「営業ができない人」のレッテルを貼られていた当時。のちに選ばれたんだ、と言われたけれど、組織が醸成する空気は怖いものだ。ひきずった記憶がある。
前向きに引き受けたわけではないけれど、引き受けた以上は
準備を精いっぱいすること
カットオーバーされたら丁寧に対応すること
を決めた私だった。
その結果どう思ったか
思いがけない人事異動から始まった初めてのスタッフワーク。
システムインストラクターの仕事は、これ以降のスタッフワークをするにあたっての土台を作ってくれたと思っている。
①一人一人要望が違うのでそれに合わせて対応をする。
常に相手優先。相手の立場を考えた発言と行動。求められたその先を見据えて行動すること、声をかけること、話を深く聞くことが、動きやすい環境を作っていくことにつながると学んだ。
②営業が働きやすい環境を整える
①からの流れではあるけれど、声をかけやすい環境づくりをする。
そのためにアンテナを高くあげる、感度も上げる。そうすることで、「クボさん」と声をかけてもらいやすく整えていく。
③発言は的確に、言い切る
相手が迷うような発言はしない。
「~だと思うよ」という言い方はしない、ということ。
断言するリスクは背負うかもしれないけれど、リスクにならないように下調べ、根拠もって話をする。そうすることで営業が迷わず進んでいけるようサポートする。
●まとめ
会社員である以上、自分で仕事を選べることは少ない。
終身雇用のにおいが強烈に残っている時代。
先入観は否めないとは思うけれど、人事異動は受ける、一択。
システムインストラクターのち、兼務で販売促進サポートスタッフ。
それ以降は、販促企画、営業教育、新入社員教育、商品教育、審査業務等、様々なスタッフワークを行った。
私のお客様は誰でどこにいるのか。
その人はどんな課題を抱えているのか。
相手の様子を見ながら私が対応できることなのか、対応できない場合は誰につなぐと解決の糸口をつかめるのか。
最初は考え考え、上司に相談しながら進んでいったシステムインストラクターの仕事。メーカー・他販社の関連部門の人に相談することももちろんあったし、答えが見えない時はせめての最適解を探すために行動した。
それがスタッフとしての土台になったし今のわたしを作ってくれたと思っている。
※最後までお読みいただきありがとうございました。これほど長文になるとは、思っていなかったです。