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カワイイのはクチでした #12 ナキウサギのクチ
動物のω(オメガ)すなわちクチとその周辺の図鑑を作るため日本中をかけまわっていたころ、時期が悪くて撮影できなかった動物がありました。それがナキウサギです。
写真集やネットで見るナキウサギは、かわいくて、小さくて、フワフワしていて、モキューッとしていて、さわりたくなって、つまみたくなるような、そんな理想のωの持ち主でした。
どこへ行けば会えるのだろう、と調べてみると「飼育している動物園はない」「日本では北海道にしか生息していない」「山中の岩場まで行かないと会えない」「でも行っても会えない事多し」「鳴き声だけで姿が見えなかった」「鳴き声さえ聞こえなかった」などなど「ガッカリ情報」のオンパレード。
なかなか会えない幻のωというわけですか。私もナキウサギのωを撮りたいなあ…とつのる思いを押さえかね、北海道の然別湖まで撮影に出掛けたのが2009年?月のこと。
標高の高い然別湖周辺はすでに氷点下でした。雪のちらつく強風の中、大きなレンズ背負って山を登り、薄暗い曇り空の下で何時間もナキウサギが出て来るのを待つなど苦労の末、ようやく撮影できたのがこの写真です。まことに素晴らしいクチです。かわいい。ジーン。感無量。
ナキウサギを好きになった方は、ナキウサギの保護活動をしている「ナキウサギふぁんくらぶ」のホームページを見てみてくださいね。役立つ情報やかわいい写真がありますよ。
本連載で紹介したω、いかがでした?皆さんもぜひ、身近な動物のωをじっくりと観察してみてくださいね。
このnoteは、2013年に新聞で配信したコラム(全12回)です。
なきうさぎファンクラブ http://www.pikafan.com/fanclub/
ナキウサギをGoogle画像検索すると幸せになります