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巨匠磯崎新が故郷大分市に設計した名建築「アートプラザ」

年度末有休消化の小旅行ーその8

240330(土)  アートプラザ(旧大分県立図書館)    
                     と磯崎新のデザイン術

磯崎新が設計した県立大分図書館、現在のアートプラザです。大分市出身の同氏は市内にも複数の建物を設計していますが、その中でも最も有名な作品がこの建物と言われています。

今回の大分旅行の目的の1つはこの建物の見学で、学生の頃見学して以来です。1966年竣工ですからもう60年近くになり、表面の劣化(汚れ)は、当時の打ち放しコンクリートの宿命だったかもしれません。
ただ内部に入ると外部ほどの劣化は少なく、これは北九州市立美術館でも同様でした。

アプローチの長いスロープを歩いていくと、「磯崎新のデザイン術」の垂れ幕があったので、ついでに観ることにしました。
受付で住所と氏名を記帳し、撮影は可能ですが、個人目的以外(SNSなど)には使用しないこととの注意がありました。

展示室は9つあり順路に沿って観て行くと、最初の展示室でいきなりネクサスワールドのツインタワー(アンビルド)の木製模型がありました。

私も設計事務所時代には模型を作っていましたが、当時は設計中のスタディ模型だったので、スチレンペーパー(発泡スチロールの薄いもの)でもっぱら作っていました。
木製のバルサ模型はたまに作るくらいでしたが、ここでは完成模型なので木製が中心です。

インキングしたケント紙の図面もあり、これだけ多くの模型を展示しながらも、その何倍、いや何十倍もの設計のみのアンビルドのプロジェクトがあったのかと、思わず考えてしまいましたね。

この施設には、磯崎から寄贈された1万8千冊の蔵書があり、その一部が展示されていましたが、自分も学生の頃読んだ本もあり、これも非常に興味深いものでした。

興味深かったのは神岡町役場模型の説明で、磯崎か提案したボールト3本のデザインが政治的判断で却下され、半円形のデザインに修正したとのことですが、これを機にその設計手法にメタファー(隠喩)が加味されたと書いてありました。

学生時代に、左翼的現地からの発言もあった磯崎の反体制へのスタンスがここでも理解できます。

この作品によって磯崎は日本建築学会の作品賞を受賞しましたが、60年経っても建築デザインのスタンダード以上のエバーグリーンとしての価値を保ち続けていると、改めて感じました。

次は現在の県立図書館である豊の国情報ライブラリーへと向かいます(^^)

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