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食べることは生きることを実感する本「ランチ酒」シリーズ(^^)

本(ランチ酒おかわり日和)(ランチ酒今日もまんぷく)

昼飲みの小説「ランチ酒」シリーズの2作目と3作目です。見守り本舗に勤める女性主人公が、依頼人の自宅へ赴いて夜から朝までの見守りを終え、仕事帰りの1杯がランチと一緒に飲むお酒であり、これがランチ酒ということになります。 

1作目ではこうしたランチ酒に登場する様々な店の名物料理が紹介されたグルメ小説と、依頼人の人生模様を主人公の生き方とオーバーラップさせながら描いた人情小説との両面を持った作品でした。2・3作目も同様に、こうした両方の要素を含みながら、物語が進行していきます。

ただシリーズが進むと新たな展開も必要となり、グルメ小説の側面は維持しながらも、人間模様を描いた側面では、これまでの依頼人の人生模様中心の描き方から、主人公の生き方にシフトしてきているような展開です。日々の依頼人とのやり取りの中からも、人生の岐路を迫られる場面が幾度か出てきます。

依頼人の高齢女性の息子の編集者からの交際の申し出
依頼人の元代議士秘書との出会いとその後の付き合い
元夫の妻の妊娠とそれに対する主人公の娘の心境
元代議士秘書からの提案のネクストステップ→
マンションへの引っ越しと自宅を民活に活用しての夜の仕事からの転職

主人公はアラサーのバツイチ、1人娘は元夫が引き取ったという設定で、しかも仕事も夜の見守り屋というイレギュラーな職種となっており、女1人で今後の人生をどのように生きていくか模索している最中でもあります。
そうした中でも様々な出会いがあり、それらに導かれるように新たな人生を少しずつ開拓しつつもあるのです。

そうした生活での1番の息抜きが、仕事帰りの1杯の至福の時間、ランチ酒であるのは間違いないと思います。2・3作目でも多くの実在のお店が登場します。店名は敢えてあげていませんが、料理内容などから想像がつくものもあります。

この小説を読んでいると、食というものはつくづくそれぞれの生活、さらにはそれぞれの生き方、人生に繋がっているものだと実感します。食べることは生きること、美味しい料理を食べて美味しいお酒を飲んで、幸せな気分になれば、それだけでもう生きている甲斐があったというべきではないかと、思ったりもしました。

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