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31歳で早世した天才アーティストの回顧展「キース・ヘリング展」

美術(キース・へリング展)

福岡市美術館で開催中のキース・へリング展へ行ってきました。ポップな色調の絵画や、躍動的な彫刻などが印象的なへリングですが、やはり1番印象に残っているのはエイズにより31歳で早世したというショッキングな事実でした。
ただこれまで断面的な知識しかなかったので、1度整理するためにこの展覧会へと向かった次第です。

1958年生まれのへリングは成人すると、当時流行の最先端であり、大都会の持つ猥雑さも併せ持ったニューヨークへと移り住み、その地下鉄をキャンバスに絵を描くストリート・アーティストとして活動を始めます。私も個人的に思うのは、地下鉄は最も都会的な空間であり、大都市特有の所有物ではないかと思います。
世界各地の地下鉄に乗車して感じたのは、世界中で最も地下鉄が発達している都市はニューヨークと東京であり、それだけ地下鉄を通して都会の息吹を肌で感じることができます。

こうしてへリングの活動は絵画全般に拡大していきますが、その画風に影響を与えたものとして、やはりポップアートの存在が大きかったと思います。実際にアンディ・ウォーホールをモデルとした「アンディ・マウス」という作品に表現されていますが、子供の頃のファンだったミッキーマウスと、影響を受けたウォーホールとのコラボ作品であり、その影響力を象徴する作品と言っても良いと思います。さらに鑑賞後に買ったガイド本にはウォーホ―ルと一緒に撮った写真もありました。

自身がゲイということもあり、性的マイノリティーとしての発信を作品を通して行ってきましたが、そうした活動は今日のLGBTQの活動の先駆者的な存在であり、そのメッセージは今全世界で大きなムーブメントとなっています。
性的マイノリティーゆえの苦悩とそうした障害を取り除くために、作品の中にメッセージを込めて制作していったと思います。確かウォーホールもゲイではなかったかと推測しますが、アーティストにゲイが多いといわれるのも、そうした感性が要求される創作の現場ではないかと思います。

キース・へリングの僅か31歳という短い生涯での回顧展となりましたが、その作品に込められた彼自身の生の声ともいえる叫びを聞いたような気がしました。

へリングの作品は当地福岡市にも存在し、福岡市の福祉施設「あいれふ」の前庭に屋外彫刻があります。鮮やかなオレンジ色とそのポーズから、躍動感あふれる作品となっています。美術館での鑑賞後、こちらの彫刻も再度観ようと帰りに立ち寄ってみました。

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