開館50周年記念の大コレクション展「北九州市立美術館」
美術(北九州市立美術館大コレクション展)
北九州市立美術館開館50周年記念の美術館所蔵コレクション展が開催されていたので、どのような収蔵品があるのか興味を持って観に行きました。
磯崎新氏が設計し、北九州市では市立図書館と並ぶ同氏の代表的な建築物ですが、来館は昨年の石岡瑛子展以来、約1年ぶりとなります。
展示会場は1階と3階に分かれて、一部が写真撮影可能と表示してあります。順路で先ず1階から観て行きましたが、ドガやルノワール、セザンヌ、モネなど西洋絵画の他にも、葛飾北斎の有名な「神奈川沖浪裏」や鈴木晴信などの浮世絵、フランク・ステラやバスキアなどの現代美術、さらに草間彌生の南瓜のオブジェなどが展示されています。巨大南瓜しか見たことがなかったオブジェは、小さな南瓜が枠に中に多数納まっていました。他にも藤原新也の写真などなど。
とにかく多彩なジャンルの芸術作品の展示は、一通り観て回った後でわざわざ電車に乗って観に来た甲斐があったと実感しました。
ガイド本が見当たらずパンフレットしかもらわなかったので、詳しい収蔵リストは分かりませんでしたが、パンフと撮影した写真を確認しながら、観た作品を思い出すようにしました。展示作品の中には私でも知っている芸術家の名前が数多くありました。
開館50周年ということで、美術館建設中の写真も展示されており、キャンティレバー(張り出し)の2本の直方体は、鉄骨の枠組みが下のRC(鉄筋コンクリート)造の本体に乗る構造になっていました。
個々の特徴ある展覧会も魅力的ですが、こうした開館50周年での節目で、これまでの美術館の軌跡を振り返る所蔵コレクション展は、そのコレクションジャンルの多彩さを再認識すると同時に、美術館自体の特徴であり個性をも、改めて確認する経験になるのではないかと思います。
磯崎新設計ということもあり、来年は同氏の展覧会が予定されていますが、これもこの美術館ならではの特徴になるのではないかと思いました。
特徴が出しやすい私立の美術館とは違い、公立美術館での特徴作りには公共性とのバランスなど課題もあると推測しますが、企業や個人からの寄贈・支援も数多くあり、地域に根付いた魅力的な施設作りが肝要になるのではと考えています。
余談ながらカフェレストランでは、大コレクションランチなるものが販売されていましたが、11時30分スタートまで時間があったのと、少し高めの値段設定だったので今回は遠慮しておきました(笑)。
あと写真のキャプションは、拡大すると絵画の横に画家名とタイトルが表記されています(謝)