サプリメントより滋養食と説く本「食べて、100歳」(^ ^)
本(食べて、100歳)
副題が「サプリメントより滋養食」という、長寿のためには何を食べれば良いかを指南した本です。筆者の永山久夫さんは今年92歳になる食文化史研究家で、まさに自ら実践してきた長生きをするために良いとされる食材を多く紹介しています。
食文化史研究家である以上、歴史上の食に関する文献などを参考にしながら解説していますが、古くは平安時代、さらに江戸時代にも日本人の生活の知恵が生み出した栄養バランスが良くて健康に役立ち、さらに長生きができる様々な食材があります。
目次を見るだけでもその説得力ある内容が伝わってきそうです。
第1章「花咲けるシニアで100歳」 第2章「江戸っ子の“元気めし”」 第3章「免疫力アップの健康食」 第4章「歴史の偉人たちの食の知恵」 第5章「不老長寿の100歳食」
第1章の最初に登場するのは「にんにく」で次が「わかめ」。さらに「きな粉」「鱈」と続いて、「スルメ」「抹茶」などを滋養食材として挙げています。
「花を咲かせる100歳食のすすめ」では以下の12項目がリストアップされています。
豚肉の生姜焼き・納豆・かつお節茶・味噌汁・そば・まぐろ・鶏の胸肉・麦飯・生姜味噌とにんにく味噌・とろろ昆布・くるみ・ごぼう
第2章に登場する料理は「鰻の蒲焼」「あさり飯」「つくだ煮」「初かつお」「ぬかみそ漬け」などで、江戸っ子が好んだ「元気めし」の効能を説明しています。
第3章では免疫力がある食材を紹介していますが、先ずは「ねぎ味噌」で、次が「人参」「ニラ」、他に「かつお節」「日本茶」「椎茸」「梅干し」や「らっきょう」なども免疫力があり、風邪予防やウイルスの予防にも効果があると説いています。
第4章では歴史上の偉人に学ぶ食生活の知恵で、江戸時代人生40年そこそこといわれた頃に、90歳まで現役の浮世絵師だった葛飾北斎が好きだった「くわい」、徳川吉宗が好物で名付け親となった「小松菜」、クレオパトラが飲んだスープに使われた「オクラ」、貝原益軒がその効能を解説した「アシタバ」、平安貴族が老化防止に好んで食べた「もずく」などなど、歴史の偉人が好んだ様々な滋養食が紹介されています。
最終章の第5章では長寿である100歳食では、不老長寿の「いも粥」と「とろろ汁」が登場します。そして最後には古代からの不老長寿食として「ひじき」を挙げています。
日本人が昔から食べてきた様々な食材が、不老長寿のための食べ物であったことを改めて実感し、そうした食生活をこれからも実践していきたいと、読了後に感じた1冊でした。