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ウディ・アレンの新作映画は名作へのオマージュ満載‼️「サンセバスチャンへようこそ」

映画(サン・セバスチャンへ、ようこそ)(ネタバレありです)

ウディ・アレンの新作公開映画は、敬愛する映画へのオマージュが全編に散りばめられた作品になっています。完成は2020年で、大学で映画を教えていた主人公が、映画の広報の仕事をしている妻と、スペインの観光地、サン・セバスチャンで開催される映画祭へ行くというストーリーで、その期間中の当地での滞在ぶりを描いています。

妻が同行して取材を受ける映画監督との仲を疑いながら、もやもやしながらも先に進めない主人公の姿は、これまでウディ・アレンの映画では何度も登場した悩めるキャラであり、今回もその王道をいっています。

ストーリー云々というよりも、今回の注目はオマージュとして登場する9つの映画作品です。主人公が大学で教える映画は当人の言葉でいうクラシック映画であり、主にヨーロッパの古典映画を指しています。
このジャンルからの引用になりますが、私も9つの内、半分ほどしか分からなかったので、気になって観賞後にパンフレットを、久しぶりに買ったぐらいです。
正解を書くと、
1.オーソン・ウェルズの「市民ケーン」(ローズバッドのキーワード)
2.フェリーニの「8 1/2」(温泉療養地での公園の風景)
3.トリュフォーの「突然炎のごとく」(自転車をこぐ3人)
4.ルルーシュの「男と女」(雨の中の運転席での2人)
5.ゴダールの「勝手にしやがれ」(シーツにくるまる2人)
6.ベルイマンの「仮面/ペルソナ」(2人の女性の正面と側面の顔)
7.ベルイマンの「野いちご」(悪夢とかつての恋人を弟に奪われる男)
8.ブニュエルの「皆殺しの天使」(晩餐会で外に出られなくなった参加者の男女)
9.ベルイマンの「第7の封印」(主人公と死神とのチェス)

最後、主人公が死神とチェスをするシーンの再現は、アレン流にかなりユーモラスに描かれていて、別れ際に死神が健康に留意するよう野菜や果物を多く食べて、運動をするようにと告げながら消えていきました。

個人的にはヌーヴェル・ヴァーグに傾倒し、ベルイマンやブニュエルの作品は正直あまり観ていませんが、ベルイマンの信奉者であるアレンが、9つ中3つのベルイマン作品を取り上げたのは、成る程の感じです。

この映画、ウディ・アレン自身の回顧録とも言える作品ですが、往年のヒットメーカーも88歳になる現在は、同時に自らの人生の終活でもある映画だと理解しました。(写真は公式サイトより引用しました。)

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