【中学社会】学校とは少し違う時差計算の方法②
では、いよいよ計算方法について解説していきます。
緯度・経度が分からない、時差がなぜあるのか分からないという人は⓪からご覧ください。
時差の計算は、教科書では、日付変更線を東から西へ越える場合は1日進める、西から東へ越える場合は1日戻す……のように書かれています。
しかし、これが分かりにくい!
東から西が進む?戻す?
どっちがどっちだったっけ?とこんがらがり、時差計算が嫌いになった方も多いのではないでしょうか。
分かりにくい場合は、自分が分かる計算方法が他にないか探してみてください。
時差計算の方法はいくつかありますが、そのうちの1つを紹介します。
テーマは
時差計算の鉄則
まず、時差の計算で必要なことは2つ!
① 2地点間の経度差を出す
② ①で出した経度差÷15=2地点間の時差を求める
面倒な①、②が数直線を使うと簡単に求められます。
例題を使って解説していきます。
教科書やテスト・入試問題に出てくるような問題文には、このような地図と一緒に載っていることが多いです。
日本が中心になるように描かれた地図ですね。
しかし!
時差計算では経度0度を中心にした地図で考えます。
(時差の単元で出てくる用語「グリニッジ天文台」があるロンドンを中心に考えていきましょう。)
ここで使うのが数直線です。
地図をよく見てみてください。
──────
──────
地図の上(に書かれていることが多い)、この経度を数直線に見立てて使っていきます。
経度0度を中心として、西側を西経、東側を東経と言います。
0を中心として西側をマイナス(-)、東側をプラス(+)と考えます。
数学で出てくる数直線と同じように0の左側がマイナス、右側がプラスです。
(西側)マイナス ──── 0 ──── プラス(東側)
分かりやすいように、使うところを拡大します。
A地点:東経60度
B地点:西経120度
ではなく
A地点:+60
B地点:-120
で考えます。
時差計算の鉄則はこの2つでした。
① 2地点間の経度差を出す
② ①で出した経度差÷15=2地点間の時差
①のために、-120(西経120度)と+60(東経60度)の間の目盛りを数えます。
1目盛りは15ずつ、つまり経度15度=1時間の時差ずつ取ってあります。
12目盛り分=2地点の時差が12時間あるということです。
2地点間の時差が分かれば、問題文に合わせて時間を進めたり戻したりします。
A地点が3月11日午前11時のときのB地点の日時を求める場合
A地点よりも左側にある地点の日時を考える
つまり、A地点から見てマイナス側(左側)にある地点の日時を考えるので、3月11日の午前11時からマイナスしながら時間を考えていきます。
3月11日午前11時の12時間前なので……
答えは3月10日の午後11時ですね。
時差計算まとめ
①経度0度を中心に数直線を書く
②時差を求めたい地点の経度を確認する。
③マイナス側を西経、プラス側を東経として、経度差を出す。
④経度差÷15で2地点の時差を出す
(地図によっては15度ずつの経線で書かれているので、目盛りを数えるだけで、④の計算が不要な場合もあります。)
⑤日時が分かっている地点から見て、左側の地点ならマイナス、右側の地点ならプラスで、もう1つの地点の日時を求める。
おまけ
例題では、Aの日時が分かっているときのBの日時を考えていきました。
その逆も載せておきます。簡単です。
プラス側に向かうので、+12時間するだけです。
次回は、飛行機が出てくる時差問題を考えていきます。
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