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1度きりの人生 自分で画を描かないと

前々回、トシちゃんのインタビュー記事について書きました。

「テレビに出る頻度は愕然とするほど下がったね。ジャニーズの子との共演は絶対NGになったし、それは今も続いている。今で言う忖度っていうの? テレビ局側が気にしてるんだから、僕にはどうしようもなかった。」
田原俊彦 還暦直前インタビュー Bunshun Online 2020/12/13

「共演は絶対NG」「今で言う忖度」「テレビ局側が気にしてる」

うーん、意味が分からないです。なぜ共演してはいけないのかが。忖度、つまり「心中の押し量り」。テレビ局側が気にしてることは何か。それはジャニーズ事務所の心中、なんだろうけど、トシちゃんがテレビに出ることがジャニーズにとってなぜ不都合なのかが全く分からない。

「出て行った人に成功されては困るだろうから」ってたって、投資された分さんざんアイドル時代に稼いで回収して、年齢が上がって売上が落ち着いてきた人がアイドル事務所を出て行くことに何の問題があるのでしょうか。

仮にジャニーズにとって不都合だとして、「タハラトシヒコを出演させるのならウチの子は出しません」となったときに、テレビ局は「あっそう、じゃそれでいいです」で済ますことはできないのでしょうか。

テレビ局が持つ放送権、というのか厳密には知らないけど、公共の電波を使えることはものすごい利権で強い立場のはずなのに、なぜここまでプロダクションを気にするのだろう。スポンサーとの関係?ホニャララ協会?このあたり、素人の私には全く分かりません。でもこれは「締め出し」だろうし、なぜわざわざそんなことをするのかが不可解。とにかく、タブー状態になっているのがなんとも気持ち悪いですね。

「僕みたいに一匹狼で戦ってる人間は周りから噛まれっぱなし 」   田原俊彦

なんとなく分かるのはテレビ局は芸能事務所と仕事をする構造になっていて、タレント(=才能)とではないわけで、どんなに魅力のある芸能人でも力を持つ事務所の管轄内にいない人は相手にしない風習になっているということ。大きな事務所だったら一括で取引きできるけど、局がひとりひとりに対応するのは大変だろうし、長年培ったコネやルートがあるのだろうし。

それでもトシちゃんは独立した。そういう気持ちになったのは、育った家庭環境から自立心が育まれていたのと、あとひとつ、そういう役柄を演じたことがあったからだと思うのです。「びんびんシリーズ」や『日本一のカッ飛び男』等で。演じたキャラクターはその役者本人の心理に強く作用します。熱血漢だったり正義感だったり、そういう役をしていると本当にそういう思考になる。だから「いつまでもジャニーズに寄りかかっていちゃいけないという思い」を持ったのかなって。組織に属しているといろいろあるから。

「何だってできるはずだよ。1度きりの人生だもん、自分で画を描かないと。」 田原俊彦

一方、マッチはかなり若いときに芸能界入りし、すぐにスターになったから完全な世間知らず。芸能界どころかジャニーズ以外の世界を全く知らない。「ここはアイドル事務所だから」「もう大人だから」「自立しなきゃ」などの思考の芽生えようがないから年を取ってもずっと居る。何の疑問もなく

そういう類の人はだいたいこのような精神の持ち主。

ー  ウエンツさんは独立だったり事務所移籍については考えないんですか。
「全く考えないです、面倒くさいです」「人の下に入って生きていたいです、人に守られたいです」      ウエンツ瑛士 (某超大手芸能事務所所属) 
「ひろゆき×ウエンツ瑛士」 ウエンティービー 2022年2月1日 [追記]

その点、ニッキはいろいろ考えていた思う。だから退所時に「長年居たことに恥ずかしさを覚える」と言った。

テレビを見ていて「なんでこの人、芸も魅力もないのにずっと出てるの?」と思ったらたいてい大手事務所の所属。

「何でテレビに出ているんですかって言うと、事務所のゴリ押しがあってのこと」「ゴリ押しをしてもらうため、マネジャーの誕生日には手紙やプレゼントを贈り、社長に物を贈っている」「事務所に愛されているから、その上でのゴリ押しはもうOKでしょう?」 
ウエンツ瑛士 「ダウンタウンDX」NTV  2020年8月20日

アイドルとしてはそこまでパッとしなかったのに、事務所にしがみついて長年メディアによく出ている人がいるけど、トシちゃんはそういうふうになりたくなかったんでしょう。ホンモノでいたい。自分の足で立ちたい。歌唱力不足も克服してダンスは一流実力をつけたんだから自立しなきゃ、と。

☆彡

芸能界のことなんて当然私には何も分かりません。ただ、大人になって分かるのは、普通の世界でさえいろんな裏があるのだからそこではさらに、でしょう。タレントが売れたり活躍できたりというのは才能実力よりも所属組織の力に寄ることが多く、私たちがテレビから与えられているイメージはたいてい事務所やマスコミに操作されているということ。大衆は何となく思うだけだから。

☆彡

中山秀征氏のように、世間から「中身がない、底が浅い」「見たくない」とまで言われている人物が、「大手事務所だから」「現場スタッフと仲が良いから」という理由だけでテレビ画面に出続ける。

某有名起業家ユーチューバーの証言。

「つまり、人の好き嫌いとか人間関係でキャスティングが決まる世界なんですね。そうすると、とある大手の芸能事務所をやめようとすると、‘おまえもう干すぞ’ と、そういう話が成立するわけです。テレビに出られない。芸能事務所とディレクターさんががちがちに繋がっているから、‘俺が言ったらおまえもう二度と芸能界に復帰できねえぞ’ というふうに言われると終わりなわけです。」「人脈とコネの世界です。芸能界というのは」  
堀江貴文 ホリエモン YouTube 2020年7月28日

テレビ番組の制作側が「この才能を大衆に見せたい」と思う人物が画面に出るのではなく、単に大手事務所に気に入られているだけの人が公共の電波に乗せられて茶の間に届けられる。

出演者の実力も人々の要望も関係なく、特定の事務所の都合次第で質の良くないもの、特に世間に求められてもいないものが、公共の電波に乗せられて私たちに届けられる。そして、それを大衆はなんとなく見ることになる。

最近、とある芸人MCが吉本興業との契約を終わらされたが、それが大事件のようにとらえられた。大手芸能事務所とは、社会にとって何なのか。