ニッキが残念だったことは
以前の記事「全てが最も高度に揃っていたアイドル」で、ニッキには才能や実力に値するほどの世間の認知度がないと書きました。その理由となりそうな活動事情や当時の傾向についても。
これまでは外的要因を書いてきたけど、ニッキ自身にもその原因があると思います。それを記すとファンの反感を買いそうで怖いんだけど、勇気を振り絞って書こうじゃないか!
彼は…ズバ抜けていなかった。
「そんなことないよ! ニッキは他のどのアイドルよりも実力が特出していたもん!」と熱い反論にまみれそう。お待ちください。比較の対象は他者ではありません。本人自身。
ニッキは顔、スタイル、歌、ダンス、トークの全てが優良なため、何かひとつの要素が彼の中でずば抜けていないのです。
彼のこれらの能力をレーダーチャートで表したとき、限りなく丸に近いきれいな五角形ができます。能力にムラがあると金平糖のようにイガイガになります。よくあるのが野球選手の評価。打撃はいいけど走力が無い。守備はいいけど長打力が無い。子供だったら、国語社会はできるけど算数がダメ。ニッキは国数理社の全ての成績が良い優等生。そういった場合、どうなるか。
【 J家の事情 父Jの教育プラン 妄想ストーリー 】
長男のトシはエリート教育でお金をかけて名門私立のKO大学に行かせた。そこで華やかに目立っている。ニッキはどの科目もできるから国立大に行かせよう。ニッキだけなら現役でTO大に受かるかもしれないけどすぐ下に双子がいるから、少し待たせて3人まとめていったん郊外の国立C大に行かせよう。そこで鍛えて、いずれ彼らをロサンゼルスの名門大学に正規留学させよう。結局その後3人をTO大に編入させたけど、ニッキは優等生ゆえ欠点が無いぶん人目に引っかからない。何でも出来るぶん、将来何を専門にさせようか悩む。あ、ニッキ、いつもアニキとして二人の面倒をみてくれてありがとね。下の弟たちにローラースケート履かせていたら活躍しだして手がいっぱいになってきた。ニッキ、大学卒業したらさらに下の弟たちの面倒見てくれる? 長男は独立しそうだし、次男はアテにならないし。あ、留学の話はナシね。
こんな感じではないでしょうか。あまりにもレーダーチャートが美しくカドがないぶん、何かしらの要素が際立たなかった。トシちゃんと言えばダンス。ニッキと言えば全部、でもワンサード。大衆にとってはワンオブゼム。
人々の視線は、となりで踊る長身で手足の長いダイナミックな方に行く。
芸能人は多少デコボコがあっていびつな方がかえって面白い存在として人目を引く。トシちゃんや慎吾ちゃんの歌唱力のように。ぎごちなさが残る光GENJIのダンスのように。視聴者はなんとなくしか見てないから。
ニッキは元からカドのない原石、磨かれきった丸いダイヤモンド。才能に恵まれすぎた二枚目のトラジェディー。