
ディンギーの Take a chance
風を切るディンギーで さらってもいいのよ 少し影ある瞳
とても素敵だわ 『白いパラソル』1981 作詞 松本隆
80年代、そりゃあもうアイドルソングを歌いまくりました。新曲をワクワクしながら待ちわび、いち早く情報をゲットして歌詞を覚えるのが今で言うマウント取りでした。でも本当に純粋な気持ちで楽しんでた。テレビや歌しか娯楽がなかった昭和。
歌詞の意味なんて全く気にせず、何度も聴き何度も歌っていました。
聖子ちゃんがテレビであれほど歌って、私たちはあれほどマネして口ずさんで、でも誰も「ディンギーって何?」って思うことも無く、未だに知らない今は令和。
☆彡
恋に傷つき ふるえてるなら ピエロみたいに Wink and kiss
おどけしぐさで Oh! yeah Break Dance
『涙のtake a chance』1984 作詞 荒木とよひさ
ところで、慎吾ちゃんの『涙のtake a chance』。祝五輪採用で、デビュー曲に引き続き考察します。
よくダンスが歌詞の内容と合ってないと言われ、慎吾ちゃん自身も後年、「失恋の歌でバックスピンとかムーンウォークとかバク宙」って言っているけど、これって失恋の歌ではないと思うのですが。
相手の女の子は「恋に傷つき震えてる」から失恋しているけど、歌詞主体の男の子はそんなダイナマーイな子を前にして「一か八か」仕掛けようとしてるってことじゃん、フフ。
つまり、男の子が踊りで女の子の心をほぐして気を引いた後、やにわに take a chance してその子が「なにすんのよっ!(バチン)」となるか、それとも「えっ…?(♡)」となるかってことで、挑もうとする攻めの姿勢を歌っている曲だと思うのです。熱く突き進む若さを。
何を take a chanceするかっていうのは、なんと言いますか…、つまりその…「がばっ」ってことですよ。で、このような機会を男の子はずーっと狙っていたと。相手の弱った心に付け込んだ感じですが、この際「がばっ」で全て覆って包んで「涙の理由(わけ)」をその子の心から一気に追い出してしまおうってわけサ。
「がばっ」は、ヨダイナマイ yeah- ! の後のバク宙のときです。
Come on ! Come to me !

一か八かで君に体当たりしたんだから、君も僕に賭けてみなよ!
Take a chance on me !
だからこのダンス、歌詞の意図にぴったり合っていると思ってます。要は、この曲の登場で「振り付け」からダンスにパラダイムシフトしたってこと。直接的に示す具体的動作から世界観を創る抽象的表現へ。そもそもブレイクダンスを踊るために作られた曲。
一か八かの勝負に出たのは、言うまでもなく慎吾ちゃん自身。
息がとまるほどに このまま朝までも 抱きしめてあげるよ
かさねたハートの ままで 風見慎吾 『涙のtake a chance』1984
☆彡
子供のころは歌詞の意味なんて全く気にせず、気にしたところで分からず、英語のフレーズも分かりませんでした。ディンギーなんてどうでもいい。とにかく歌っていれば楽しかった。
でも人生何十年も経験すると、分かっちゃうし情景も浮かんじゃう。
でもでも「心は砂時計」ってちょっと良く分からない私は、やっぱり経験不足なのね。
渚に白いパラソル 心は砂時計よ あなたを知りたい 愛の予感
松田聖子 『白いパラソル』1981