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オススメの本
「母よ!殺すな」横塚晃一(生活書院)
Instagramに昨日この本のことを投稿したら、反響があったので、こちらにも投稿しておきます。この本は津久井やまゆり園の事件をきっかけに復刻することになったようです。
以下はInstagramに投稿したものとおんなじ文章に少し加筆修正を加えたものです。
この間、医療的ケアのあるお子さんが家に置き去りにされて亡くなったってニュースを見てからずっと考えていた。
ちょっと前に読んだ横塚晃一さんの「母よ!殺すな」に書いてあって、本当にそうだよなって思ったんだけど、レスパイト施設は障がい当事者が望んで作られるというより、障がい当事者の家族が希望して作られることがほとんどなのに、なぜそれを「障害者福祉」と呼ぶのか。
家族への支援なのだから、「障害者福祉」と呼ぶのはおかしいというようなことが書いてあって、じゃあ、それはなんて呼んだらいいんだろ?ってしばし考えこんでしまった。ちなみに著者の横塚さんは脳性麻痺当事者です。
障がい者福祉じゃなくて、家族支援(福祉)?とかそーいうの?考えてみたらはっきりとしたそういうのってないよね?
そこを切り離して考えられたら、お年寄りの介護や、育児なんかも含めてもう少し制度や法に広がりが出るんじゃないか...なんて考えたら、50年前に書かれた文章なのに、めっちゃ新しいとわたしは思った。ということは、もちろんデイや福祉サービスは当時より増えたとはいえ、あまり世の中は変わってないということですね。
この本が書かれた頃に起きた母親が障がいのある我が子を殺してしまった事件(こちらには明確な殺意があったと思われるので、今回のものと比較するのは違うかもしれませんが)の時のように「死なせて(死んで)しまっても仕方がない」「お母さんが可哀想」で、社会が通り過ぎないことを祈りたいし、自分自身もこれについてはきちんと考えなきゃいけないと感じています。
どんな状況でも生きる価値のない人なんていないし、生きたいと思って当然。母親が我が子を死なせなきゃいけなかった背景をきちんと直視して、私たちは変わっていかなきゃいけないと思う。