大きな事をする時は
今の職場に入社したのが5年前。
当時、就業規則や賃金規定はあるものの社員はその存在を知らず、有給の管理もされてなかったので、休みは上司の許可があればOKというなんともアバウトな職場で衝撃を受けた。
個人経営で社長と反りが合わなかったり仕事が出来ないとすぐクビになってしまう為、皆社長を恐れ何も言えないような職場だった。
いやいやいや、有給ないとか有り得ないでしょ…
嫌なら辞めるしかないという選択肢もおかしい…
この会社でしか働いた事がない先輩はこれが当たり前で、イエスマンでいなければクビになるからと全てを諦めていた。
せっかく好きな仕事に巡り会えたのにこれではあんまりだと思い、私は父の言葉を思い出した。
「大きな事を成し遂げるにはまず皆を同じ方向に向かわせなければならない」
父は私が中学生の時にとある施設を建設する事を夢見ていた。
そんな夢みたいな事叶うわけないって内心思っていたけど、17年後その夢は叶い、12億円の立派な施設が誕生した。
当時、宝くじ1等の金額が3億円だった為、父は1等を4回当てるよりスゴい事をしたと冗談交じりで笑っていたのを覚えている。
・自分1人の利益を考えるのではなく、皆の事を考える事
・1人では叶える事が出来ない事も集団になれば叶いやすい
この2点が重要で、それをするには周りの人と同じ目標に向かう必要があった。
今の職場でそれを実現する為には、権力が2番目に強い人をまず仲間に入れようと考えた。
長年社長の言いなりが当たり前で洗脳された状態の人に、今のままではまずいですよと言う事を訴え続け3年目でようやく現状を変えなければならないという所まできた。
最大の難関、社長へのアプローチ…
これも4年目でやっと仲間と協力しながら就業規則と賃金規定の改定、タイムレコーダーの導入が実現された。
高齢の社長が終活の話をし出したタイミングを狙い、もしもの事があった場合、就業規則や賃金が整備されていないと残された社員達が困りますと訴え、社員が辞める時は、もし労基にチクられたら未払い分の残業代を遡って支払わないといけませんよと説得したのが効き目があったように思える。
今思えばめちゃくちゃ大変だったけど、退職していった人には感謝もされたし、作戦を立てながら時間を味方につけ、先輩を味方につけ、社長に嫌われないように笑いを交えながら仕事を進めていくのは本当にやりがいがあり楽しい。
ただの事務員でも昭和から変わらなかった会社のルールを変えられたのだから、これを読んだ皆様もきっと夢は叶うし、時間をかけて変えたい現状を打破出来ると信じている。