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aCrew for Real Estate ~OYO、スペースマーケット、カウル、グッドルーム登壇! 注目スタートアップが不動産業界のディスラプトを語る~に行ってきた!

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会場はRepro社。ビルエントランスの昭和感と社内に足を踏み入れた際のギャップがすごい。。不動産業界で話題のOYO社登壇と聞いて参加決定!

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Twitter枠もnote枠も申込みゼロ!!CS系のイベントと比べて圧倒的に高いスーツ着用率!!ホームなはずなのに感じるアウェイ感w

■概要
日時:2019/07/09(火) 18:00 〜 22:00
場所:Repro株式会社イベントスペース
   東京都渋谷区代々木1-36-4(全理連ビル4F)

■登壇者
OYO LIFE マーケティング責任者 山口氏
スペースマーケット マーケティング部 堀田氏
ハウスマート CTO 高松氏
グッドルーム株式会社 webマーケティング主任 越智氏

OYO LIFEが仕掛けた合理的な奇策
OYO LIFE マーケティング責任者 山口氏

OYO LIFEについて・OYOとは
創業から6年で世界代6位のホテルブランドに成長。ソフトバンクより大型資金調達。孫さんの目下の関心はOYOとPayPay。
OYOの特徴は自分たちで物件を所有し、サービス提供を行っていること。不動産、ホスピタリティ事業領域における垂直統合型のモデルであることが注目されたポイント。

なぜOYO LIFEなのか
ホテルではなく不動産・OYO LIFEとして参入した理由は、東京都内のホテルは8〜9割程度の稼働率で回っている。インドのOYOは、中価格帯・標準化されたホテルサービス提供事業者としてスケールできたが、日本にはビジネスホテルという既存の強いプレイヤーが存在するため、不動産から参入。

解決したい課題
「不明瞭で重い初期費用」「分断されて複雑な手続き」「湧きづらい生活イメージ」「大変な入退去作業」
Amazon同様に、スピーディーにサービスが得られる・既存のプロセスと比べ、スピードに差が出る部分で価値を提供しようと考えている。

提供するサービス
マンスリーマンションとビジネスモデルは同じ。ただし、入居後の体験、サービス提供に重きを置いている。現在2,000物件程度集めており、将来はT2D3的な成長と住まいのプラットフォームを目指す。

マーケットの考え方

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to Bでは既存のプレイヤー、ステークホルダーと協業。to Cは一般の賃貸入居者より、まずはマンスリーマンションユーザーをターゲットに置いている。

USP
オールインワンルーム=入居してすぐにストレス無く住めるよう、カーテン、家具家電等をセット

オケージョン開発

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賃貸生活の時間軸での選択肢が広がる中、各カテゴリともにわかりやすいオケージョンが存在する。OYO LIFEは月単位のオケージョンを狙う。特に、ライフサイクルの切れ目である、就職・転職、離婚、等のタイミングにハマりやすい。

戦略ターゲット
20代後半〜30代前半の男性。現在、入居者の平均年齢が32歳なので、ほぼ想定どおり。

具体的な施策
carpet bombing インドから明確に指示されたこと。毎週情報を出し続ける。プロモーションは影響力のありそうな人にFacebookADを50万円あてただけ。あとはプレスリリースなどで情報を小出しにすることで、憶測・推測が議論を呼び、火種が勝手に広がって行った。うまく行った要因は「情報は一回に溜めないこと」。
東京0円ライフ→くじ当選者に無料でOYO LIFEに住めるキャンペーンを実施。『認知→体験→理解』の順に体験が新しい考え方を提供する。OYO LIFEはハビットチェンジを起こすサービス。その場合、通常の『認知→理解→体験』の順だとファネルからどんどん離脱してしまう。

OYOパスポート
現在50社ほどのサービスを無料で使える。住まないとわからない。
自分たちで場所を保有しているため、その場所を媒体として捉えている。場所をしっかり使い、ユーザーの満足度を最大化させるためのサービスを作っていきたい。そこまで行くと、「賃貸」ではなく「ライフ」になる。目指しているのは”家賃”の向上ではなく、”生活”の向上。

体験者起点のグロースハック
入居者が10人いたら10人が満足するようなサービス開発、提供に注力している。毎日が失敗の連続ではあるが、どんな事業状況でも、マーケターの立場の人がサービスが目指す世界をぶれたら終わり。その点は非常に意識している。

インドア花見ブームの舞台裏を仕掛人が語る!
スペースマーケット マーケティング部 堀田氏

スペースマーケットのビジネスモデル
空きスペースと利用者とのマッチング、成約手数料ビジネス
身近なレンタルスペースの利用例→用途は多岐に渡る。趣味の延長や、日常生活の延長、など。
スペース数は1万1千件程度まで成長。イベントスペースや会議室を中心に、首都圏や政令指定都市などに広く分布。
ゲストは法人の利用が多め。そのため、年齢層は意外と30代以上が多い。

月別のトレンド検索

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今の時期のトレンドはBBQ。BBQが出来る屋上スペースなどが人気。コスプレイベントの開催場所などは通年でニーズがある。

スペースマーケットのマーケティング
ホストの獲得=営業チーム、アライアンスが担当
ゲストの獲得=マーケチームが担当 (→今日はここの話)

スペースマーケットの課題
①スペースマーケットの認知向上 →現状、認知率15%程度。
②スペースを借りるという新しいライフスタイル自体の認知向上・行動定着

マーケティングの構造

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認知度・好感度、利用意欲・ニーズの2軸で、どちらの方向で施策を行うか。

インドア花見キャンペーンの狙い
「インドア花見」をフックにスペースマーケットで場所を借りるという体験を知ってもらいたい。キャンペーンの構造は「①カテゴリ認知→②ブランド認知→③利用意欲」

①カテゴリ認知
メッセージ設計=「何を伝えるか」。生活者のインサイト=「インドア花見」にはピンとこないが、お花見の課題には共感出来る。
伝達方法設計=「どう伝えるか」。メディア担当者のインサイト=視聴者・どくしゃに有益な情報や注目に値する情報を届けたい

②ブランド認知
スペースマーケットの広め方
・ブランド/サービス名露出がされるように交渉、文脈づくり
・SEO対策 「インドア花見」関連のコンテンツをオウンドメディアと記事連携であらかじめ準備→「インドア花見」検索結果を独占し流入増

③利用意欲の喚起:「やってみたい感」の醸成
世の中ゴト化:メディアでの事例紹介、他社とのコラボ
自分ごと化:SNSでの拡散、UGCが生まれる土壌づくり

今後の展望
スペースを借りるきっかけを作るような、ワクワクする体験をつくって発信していく。例:納涼・流しそうめん、テレワーク・リモートワーク

KPI&フレームワークから考えるアプリ改善
ハウスマート CTO 高松氏

何故アプリを作っているか
集客→物件の提案→見学→契約の一連のプロセスの中で、「物件の提案」の部分を人手でやると非常に時間がかかる。ここの部分にアプリを提供し省力化を図る。

やりがちな開発の進め方
・思いつきで新機能をどんどん開発
・気になったところから直す
なぜだめなのか
→アプリは便利になったが、KPIが伸びない
→やったほうが良いことは無限にあるが、時間も資金も有限

改善施策の手順

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1.KPIツリーの明確化
プロダクトの成長=ビジネスの成長、となるようにていぎする。改善すべき指標を明確にするのが目的。
カウルのKPIツリー

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アプリでは見学率とリテンションレートの改善を目指す。

カウルのユーザーステップ

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利用開始から一定のステップを経て見学申込みに至ると仮定し、これをファネルとして計測。ユーザーが躓いているステップを可視化し、そこを改善。

2.考える土台となるフレームワークを決める
何故フレームワークか?
皆で共通認識を持って施策を回していくため。土台があるとアイディアが出てきやすく、発散しにくい。有名なのは海賊指標。計測できることが大事。

3.定量的にボトルネックをみつける
Actionを細かくトラッキングする計測しなければ改善は始まらない。
カウルでは200以上のイベントを計測。アプリ起動、会員登録など。
分析基盤を自前で構築するのは大変→Reproを利用。

4.定性的に施策を考える
コンバージョンボタンまわりに改善の余地が無いか、ヒューリスティックに分析。そこのステップで滞留しているユーザーを読んでインタビューを実施。

5.最後に計測して振り返る
施策前後で期待した効果が出ているか、継続して改善するか、ロールバックするか。何故計測するか→施策の勝率を上げるため。どんな施策がヒットして、どんなものが駄目だったのかの知見を貯める。

まとめ
感覚で施策を考えるのはやめましょう。手順に沿って施策を回していけば、失敗の確率を減らせる。

注意したいこと
ユーザーの気持ちになって定性的に解決方法を考える。数字偏重になりすぎないこと。
小さい改善ばかりでは効果が出なくなりがち、大きめの機能開発も視野に入れること。
ロードマップのための開発とKPIのための開発は分けて考えるべき。

goodroomのマーケティング施策について
グッドルーム株式会社 webマーケティング主任 越智氏

gooddaysホールディングス
物件施策〜集客〜リーシングまで一気通貫で実施。施工も客付けもしているのが他社と比べると珍しいところ。

goodroomとは?
ユーザー目線を追求し、急成長中の賃貸不動産アプリ

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市場の状況とユーザーニーズの変化
発信するだけでは駄目。企業の発信を鵜呑みにしない世代が台頭。
ユーザー目線のサービスが暮らし領域にも求められている。

goodroomが心がけていること
発信だけではだめ、ユーザー目線のコンテンツ(物件詳細ページ)+発信が大切。

ユーザー目線のコンテンツづくり

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従来のポータルと比べ、お部屋探しがラクになる物件詳細ページを目指している。マイナスポイントまで記載し、実際に部屋に行かなくても物件の様子がわかる→本当に住みたい部屋だけ内覧→お部屋探しが楽になる。
写真を盛りすぎない。正直でユーザー目線な物件情報、写真を掲載。

ユーザー目線の発信

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国内賃貸業界では最大規模の28万フォロワーに。ほぼオーガニックでユーザー獲得。インスタは業界No.1。
SNSを選んだ理由は、goodroomのターゲットと親和性が高いため。goodroomのメインターゲット=20〜30代女性、暮らしに関心が高い。
また、発信したいこと(ブランディング、認知拡大)がSNSに適しているため。

goodroomにおけるSNSのゴール
CV獲得(問い合わせや内覧予約ではなく、ユーザーを楽しませることを追及。質の良いファンが付く→広告無しで拡散→結果としてCVが増加、という好循環を目指している。

トークセッション

モデレーター:Repro株式会社 山中氏
パネリスト:OYO山口氏、スペースマーケット堀田氏、ハウスマート高松氏、グッドルーム越智氏

議題1.自社サービスの原点、転換期について
不動産領域のどのような「不」を解消しようとしたサービスなのか、また、PMF達成/ピポットの契機とは?

スペースマーケット堀田氏
人口が減っていき、場所が余る、という課題が顕在化しているのでそれを何とかしたい。PMFは受給のバランスをいかに取っていくかがキモ。供給側を増やして行くことのハードルが高い。

グッドルーム越智氏
施工会社としての課題→リノベ物件を普通のポータルに載せると築年数で露出されない。築年やスペック以外の価値観、見せ方で課題解決していく。
東京ではある程度「リノベーション」の認知がされているが、地方はまだまだ厳しい。「おしゃれな部屋」等、言い換え、啓蒙が必要。

OYO山口氏
物件を借りる障壁を限りなく減らしたい。
PMFはまだ達成できていない。PMFを達成するにはPMFしている状態を強制的に体験させるしか無いと考えている。体験したことが無いものは比較対象にならない。いちど経験してもらい、良いと思ってもらえるかが勝負。とにかく短期かつ圧倒的な物量で進めていく。

ハウスマート高松氏
実需に特化したサービス。不動産仲介ではどうしても売り主によりがち。
仲介業務を自社でやっており、スケールしづらい。そのため、BtoBサービスを提供し、成長スピードをあげようとしている

課題2.ハードシングス、ここが辛い/辛かった
いかにtoBを巻き込んでいるのか?

スペースマーケット堀田氏
鶏か卵かの問題は不動産に限らず、マッチングサービスの宿命。最初から物件を取ることに注力し、泥臭くやっていた。具体的には、業界に入り込むための活動を真正面からやっている。業界団体への加盟、事業会社との資本業務提携、など。物件を持っている事業者と真正面から提携を進めている。

OYO山口氏
物件提供するパートナー企業、不動産会社をいかに敵に回さないかは徹底的に議論した。パートナー企業といかにうまく付き合うかについては常に意識している。黒船、という記事が出ると訂正してもらうようにしている

グッドルーム越智氏
世界観を保ちながら情報量を増やすために気をつけていること→物件紹介の切り口を変える、など。以前はリノベ物件の掲載がメインだったが、物件が増えることで普通の物件も載るようになってきた。そういった際に、街を取り上げるなど、ポータルの検索軸とは違う切り口で物件が見せられる様に工夫している。

議題3.不動産業界とCRM
顧客のライフサイクルが長い不動産領域で、CRMにどの様に取り組んでいるのか、アプリをどう位置づけているか

グッドルーム越智氏
他の不動産賃貸メディアよりもユーザーのナーチャリング期間が長いのが特徴。SNS・アプリがユーザー引き止めに役立っている。アプリについてはPushなどで特徴的な物件や記事紹介などを行なってリテンションを図っている。検討期間の長短は割り切って考える様にしている。検討期間が長いユーザー向けの施策と短いユーザー向けの施策、それぞれ分けて行なっている。

ハウスマート高松氏
売買仲介はさらに検討期間が長いため、顕在化したユーザーを確実に内見につなげるためのツールとしてアプリを利用している。検討期間が長いユーザーにはユーザーインタビューなどを行なって障壁を取り除くための施策を行なったりしている。

スペースマーケット堀田氏
オーナーや事業者向けの取り組みについて→ホスト向けにSNSやイベントでコミュニティを運営。結構そこにはリソースを宛てている


議題4.トレンド
注目している不動産テック、ビジネストレンド、その理由

ハウスマート高松氏
アメリカの事例はよく見ている。物件情報が公開されたあとの未来を考えるため。

OYO山口氏
家の中のテクノロジーは見ている。OYOは物件を持っていることが強みになるはず。家の中からいやらしくなくデータが取れる、人が住めば済むほどデータが貯まるようなビジネスが出来ると強い。また、ハビットチェンジを実現したサービスの取り組みはよく見ている。

グッドルーム越智氏
イタンジ×bitKeyの取り組み。無料で10万台投下しないと動かない領域なのかと感じなくはない。

スペースマーケット堀田氏
オフラインをオンラインの感覚で運用するようなサービス、ポップアップストアをデータを元に回すようなことをやっていきたい。あとはブロックチェーン。ポータルのような中央集権型ではない世界観が本当に来るのかは注視している。

パネラー同士の質問・会場からの質問
スペースマーケット堀田氏への質問
Q:不動産オーナーの反応、嫌がられなかったか?
A:複業として儲かったオーナーが多く、やりたい、というオーナーが増えてきた。直接営業しておらず、不動産会社や民泊代行業者などに営業代行をお願いしており、物件の収益獲得の方法として、回せるようになってきている。スペースマーケットの価値は普通に賃貸で回せない物件が回せる様になること。

ハウスマート高松氏への質問
Q:AI価格査定の同種サービスとの競争から抜け出すための施策、決定打とは?
A:価格査定サービスが複数存在するのは本当は望ましくないと考えている。ある程度査定結果は揃っているべき。査定金額の精度ではなく、査定や情報提供のタイミングなどの方が大事だと思う。

感想、その他

タイトルに「不動産業界のディスラプトを語る」とあり、OYO LIFE参加とあって、事業開発や業界へのアプローチ方法など、生々しい話を期待した参加者は多かったのではないだろうか。自分もその一人。内容は不動産業界におけるマーケティング手法、Knowledgeの共有と至ってまじめ(?)な内容で、それはそれで興味深くはあったのだけど、若干の肩透かし感は否めなかった。いや、勝手に勘違いしだだけなんだけども。
個人的には、ハウスマート社の発表内容が腹落ち感があり、あたりまえのことを丁寧に設計し、ちゃんと回していく、ということって大事なんだな、と月並みなことを感じました。CTOがマーケティング施策を語るって地味に凄い。プロダクトデザイン・開発・マーケティングのサイクルがちゃんと回ってるんだろうな、と推察。不動産領域って実業に近いほど、このサイクルを回すのは結構難易度高い気がする。
それにしても、OYOの圧倒的物量発言が気になって仕方ない。▲300億で物件買い漁るとかかな。

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