井の中の蛙
「井の中の蛙 大海を知らず」という言葉があります。
中国の古典が元になって、それに日本で形作られた言葉だそうです。
読み方は、「井の中の蛙大海を知らず」⇒(いのなかのかわず たいかいをしらず)です。
あまりにも世に浸透している言葉なので、そのショートバージョンの「井の中の蛙」は皆さん聞いたことがあると思います。
ひとことに言うと、狭い世界に生きて広い世界のことを知らないということですが、最近この言葉をすごく感じることが増えたんですね。
大概この言葉って自分の専門分野に使われることが多いと思うんですよ。
僕だったら投資の世界のことなら何でもわかっているつもりでも、実は今の常識をまるで知らなかったとか、ね。
全てわかったフリをしてても、実は知らないことがたくさんある。そういうことっていっぱいありますよね。
だから、常に謙虚な気持ちをもって勉強とか研究は止めたらダメなんだと思います。
一方、もちろんそういう自分の専門分野に関しての視野狭窄には気を付けなければならないのですが、どっちかというと最近は一般生活においてそういう場面をよく見かけるようになったなぁって思ったんですね。
特に自分よりも周りに。
僕の友人となると40代よりも上が多いのですが、あらゆることを自分の世代の常識に当てはめがちな気がします。
僕らより上の世代は、基本的に新しいことに挑戦することをめんどくさがる人が多いので、自分の経験したことを全てベースにして考える傾向にあるんですね。
だから、話をしていても「いつの話してんだよ」が多いし、出してくる例も良くて平成、悪いと昭和が出てくるんですが、それが全然今の常識じゃないんです。
まぁ年を取ると新しい知識を知ろうとするよりも、昔を懐かしむ時間のが大切になってくるのかもしれませんので、もはや否定しようという気持ちにはならないのですが、若い時の経験も活かしつつ、「大海も知る」。
僕自身はそういう生き方をもっとしていきたいですね。
なお、このことわざには続きがあります。
「井の中の蛙大海を知らず されど空の深さ(青さ)を知る」。
なんか途端にポジティブな言葉に変換されましたよね。
井の中の蛙の人は大海は知らないかもしれないけど、つまり一つのことだけを突きつめようとして研究している者は、他の知識は知らないかもしれないけど、狭い一つのことに集中した人だけが知りうる世界がある、ということなんですね。
専門家だからこそたどり着ける世界がある。
なんとなくダブルミーニングみたいですが、この「されど空の深さ(青さ)を知る」というのは中国の古典にはなく、あくまでも日本人が付け加えたという説が有力みたいです。
ことわざの言葉の定義よりも、その内容にフォーカスして自分がどうありたいか?それが大切な気がします。
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