編集者がマジレス! 「AIライター」と組んで感じたこと
この1ヶ月ほど、生成AIを活用して記事の量産を進めている。例えば、以下のマガジンの記事は全て生成AIが執筆している(最後に私がファクトチェク含め編集しているが)。
今回は雑多であるが、現時点で感じていることを正直にまとめた。
まずは結論から
率直に感じたことは以下の4点だ
やはりハルシネーションのリスクがあるので、事実確認は必須
仕様だが、最新情報には弱い
普遍的なテーマについては間違いは少なく、あらゆる知識を総動員して執筆できる
Claudeは日本語の文章がナチュラル
そもそも、どうやって執筆させているのか?
執筆させるにしても、ただ「書いて」とプロンプトを投げていては良い記事などできない。
そのため、適切な生成AIの選定と最低限の準備は欠かせない。
まず生成AIは『Claude』を用いている。評判通り、ChatGPTと比較して日本語の生成能力は格段に高い。月額約3000円は痛いが、しっかり使って元を取ることにした(元を取れたかどうかについては後述したい)。
次に最低限の準備である。あまり手の込んだことはできないので最初に100%私が執筆した以下のコラムなどを学習させた。
学習といっても非常に単純だ。私は以下のようなプロンプトを入力して4本学習させた。
そうすると、筆者の考えや記事の文体・語調を以下の通り回答してくれた。
学習素材にした記事は「だ・である」調なのに、なぜかそこだけ間違えているが、それ以外の指摘は的確だ。
このような簡単な準備をして、あとはひたすら執筆させることになる。
企画の考案と執筆のコツ
企画については、以下のように要望を伝える。
これを伝えるだけで、あっという間に5つ企画を出してくれる。気に入らなければ、以下のように要望を伝えれば瞬く間に代替案を提示してくれる。
気に入ったのが揃ったら順次執筆をさせる。執筆はstep-by-stepで1章ずつ進めるのがおすすめだ。
こうして記事が完成となる。再掲になるが、こちらの記事は全て生成AIが執筆している。
プロンプトエンジニアリングを極めるより、生成AIの進化を待つ
プロンプトエンジニアリングのプロが見たら、なんて雑なんだと思うだろう。
しかし、この雑なプロンプトでも(私から見て)クオリティの高い記事が生成できているのは、まさに生成AIの進化の賜物だろう。
極論すると、どのツールを使うのか、そして何を学習させるのかがポイントになっている。これさえ押さえれば、生成AIの効果がより発揮される。まさに身を持って体験することができた。
とはいえ、生成AIもまだ完璧ではない
理想は生成AIが執筆した記事をそのまま配信できることだが、現実はそう甘くない。そう、やはり「ハルシネーション」が怖いのだ。
事実(史実)と相違はないか。いわゆる「校正」は人力でやっている(いずれ生成AIでできるようになりそうだし、ひょっとすると現時点で何か方法があるかもしれない)。
これが意外と手間がかかる。検索してもなかなか出てこない時は、内容を私が書き換える。これくらいの手間はまだまだかかるのが実態だ。
また校正に関連するが、Claudeは最新の情報にはアクセスできないので、たまに古い情報を提示することがある。そのあたりは人間のライター以上に注意深く見る必要があるだろう。
「こんなこともあったな」と笑える日が訪れる
とはいえ、不満らしい不満といえばそれくらいで、ゼロから自分で書かねばならなかった時代を思えば天国のようだ。そして、段々面白くなってくる。
特に、自在に「知の横断」ができるのは単純にすごい。哲学者の思想や名言など、これだけ引用しようとしたらかなりの専門性が求められる。少なくとも自分には無理だ。
さらに、日本語の文章もナチュラルだ。学習素材が良かったからと胸を張りたいが、それよりもClaudeの日本語生成能力の高さが大きいのは認めざるをえない。
生成AIのサブスク費用も現状では回収できていると判断している。生成AIを活用して5本記事を生成しているが、人間のライターに依頼したら1本あたり2万円くらい払わないとあの内容はあがってこない。月額3000円ほど払うことでこれだけ記事を量産できるのは計り知れないインパクトがあると感じている。
また先に挙げた課題も近い将来解決されるだろう。先日、OpenAIがSearchGPTを発表して話題になったが、Claudeもいずれ近い機能が実装されるのではないか。
https://openai.com/index/searchgpt-prototype/
生成AIを積極活用して、未来の働き方を先取り
コストを可能な限り圧縮して、最大限の効果を得る。これは生成AI時代のトレンドになるのは間違いない。それも単なるトレンドではなく、人類の未来をも左右する影響をもたらすだろう。
また企業ではなく「個」の突き抜けた力が生成AIによってより際立たされ、新たなパラダイムを生むと確信している。1年前では夢物語だったことが、今日では現実になっているのだ。
ダイナミクスに満ち溢れた時代に何ができるのか。これからも自問自答し続けたい。