「ホワイトカラー消滅」で語られていないこと
もともと冨山和彦さんの著書は何冊も読んできたが、今回の新著はより多くの方々におすすめしたい。
上から目線になってしまうが、私が持っていた仮説などをほぼ全て解消する内容で、新書とは思えない充実度だ。
ちなみに、以下の記事で触れている「地方の宿痾」にも書籍でしっかり触れられていた。
欲を言えば、タイトルを本書の内容により則したものにできなかったのか。「ホワイトカラー消滅」はフックに過ぎず、語られていることの一部だ。せめて副題でスケールの大きさと話しの深さが伝わるようにして欲しかった。
あと、個人的に唯一抜けていると感じたのは「メディア」のことだ。
既得権に守られ、旧態依然なメディアの変化も冨山さんが描くビジョンの実現には欠かせない。
「見せかけのジャーナリズム」を標榜していることが明らかになり、メディアが凋落の一途を辿る今、今後どうあるべきか。あえて触れなかったのかもしれないが、冨山さんの考えを知りたかった。
とはいえ、総じて素晴らしい内容なので、気になる方は一度手に取ってみることをおすすめしたい。