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プチ小説にハマり中! 千代田区立ちよちよ小学校の保護者会。れなママVSさくらこママのバトル勃発! れな 3
千代田区立ちよちよ小、2年生のママたちは、保護者会で学校にいた。
「れなちゃんママー! テレビ、見たわよー」
教室を出ようとすると、りこちゃんママ、ゆなちゃんママが、れなママに声をかけてきた。
「はい。えーっと……?」
れなママが答える。
りこママ「あら? また『眠りのれなママ』なのね?ふふふ!」
ゆなママ「ちょっとー、りこママ古すぎ! 名探偵コナンの小五郎ネタなんてー。くくく!」
ほかのママたちも集まってきた。
「昭和な企画だけど、シンプルな挑戦っておもしろいわね!」
「あーめんどくさい。ま、軽くスルーしよう。」
と、れなママは思う。
「わたし、日本綱渡り連盟の五段で。あのくらい、目をつぶってもできるんでー。ふふふ……。」
シーン。
「すべったー。嘘じゃないのに。あ、聞きたいのは、ここじゃないのね。」
ゆなママ「で、どうだった? 本物のEXIT兼近くんって?」
りこママ「彼にインタビューされるなんていいなあー。35歳になって、黒髪に戻すって渋い! 大物になりそー。」
おおもの、大物、大物? ああ、テレビに出ている人気芸人ね。
「うーん。大物じゃないかなー。大物の側で盛り上げる、いい脇役になりそーねー。」
れなママが、「大物」の一言に反応して、覚醒した。もちろん、ママたちは知っている。いつものことだ。
「わたしのかねちに、辛口すぎー。」
「たしかに、トーク回せるかは未知数だけどー。」
ママたちが、目をキラキラさせながらざわつく。そこに……怪しい影が近づいてきた。
「あらー。また大物の話? で、大物ってなんですの?」
空気が、ぴーんと凍る。れなママとは犬猿の仲の、さくらこママだ。
「カナダでまで行っての猿回し? ああら、失礼。つなわたりね。それをやると、れなちゃんは、どんな大物になるのかしらあ?」
意地悪にほほえみながら、やってきた。
毎度のことだが、大物絡みの話となると、いつも大人しいれなママも、黙ってはいない。
「さくらこちゃんママー。高学歴でいらっしゃるから、大物のなんたるかくらい、ご存じのくせに~。ふふふふ~。」
「そう言って、また大物の定義は、答えないんですのね。フッフッフッ。」
さくらこママも、食い下がる。
「定義? 型にはまらないのが、大物なんじゃありません? あ、慶応ではこんなこと、習わないですよねー。七光りのほうが好きそうですから。
慶應卒の大物って言えば、
石原良純さん、
でしたよねー。ふふふ。」
カッチーン。
「確かに石原良純は、誰もが認める大物じゃない。でも、慶應卒の星、石原良純一をバカにするのはゆるせん。くぅ~。」
さくらこママも、キレはじめる。
「そういうれなママのご出身はどちら? 東大? 京大? 早稲田あたり? 意外と、二松学舎短大だったりして~! ホーッホッホッ!」
れなママが、少し困ったような顔をする。そして、キッとさくらこママを見つめる。
「二松学舎短大じゃ、いけないんですか?」
「え? 本当に二松学舎短大? いえいえ、メジャーで活躍する元カープの鈴木誠也も、二松学舎(高校)でしたし~。偏差値も上がったとか上がらなかったとか。ホホホ~。」
さくらこママは、もう笑いを抑えるので必死だ。
こころの声は、こんな感じ。
さあ、言え! わたしは二松学舎短大卒ですと。
二松学舎短大卒なのに、慶應卒の石原良純をちゃかして、ごめんなさいと。
「あんまり知っている人いないから、言いたくなかったんですけど……。」
「けど?」
さくらこママは、今日一番の意地悪い笑顔で答えを待つ。
れなママ「北京大学です。」
ママ全員「ぺきんだいがく~!?」
検索好きなママが、即、調べた情報をさくらこママに見せる。
「アジア一の超名門大学。アジアの大学ランキングでは、ぶっちぎりの1位。いや、本当に。有名人もたくさん輩出。そのランキングで言うと、東大は11位……。」
れなママ「併願校が、二松学舎短大だったんです。母が、自分の母校だから、そこしかダメだって……。」
ガーン。
さくらこママは、大ショック。さっきまで、二松学舎短大卒だと信じて疑わなかったのに……。
れなママ「卒業式のときの写真です。」
と、みんなにスマホの写真を見せてくれる。
うん、中国だ。だって、卒業式の服が真っ赤で、中華模様が入っている。
みんなで、赤い帽子を、空に投げている写真もある。
卒コンでは、みんなで「北京大学」と大きく書かれたTシャツを着ている。
さくらこママの頭の中は、こんな感じだ。
あ、これはガチなやつだ。
あーあーあ。どんなバカ親よ?
北京大学入れる頭脳の娘に、併願が二松学舎短大って。
で、でも、まだ負けてない。
わたしには、切り札があるわ。
(つづく)
あとがき:noteでは禁断とされる、(つづく)に挑戦してしまったあ!
まいっか。最近、プチ小説が楽しいし♡
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