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【後編】PRONIに転職してからの1年を振り返る〜試行錯誤とそこから得た学びとこれからのこと〜
プロダクト開発部PRONIアイミツ(IM)開発グループのしもかわです!
前回の記事「【前編】PRONIに転職してからの1年を振り返る〜変化ときっかけ〜」では、入社当初の状態と現在の自分がどのように変化したのか、何がきっかけで変化できたのかを振り返りました。
第二部の記事では、変化にいたるまでの試行錯誤やそこから得られた学びを振り返ります。また、これからどのようなことに取り組んでいくのかについてもお伝えします。
入社当初の状態から現在の自分に至るまでにどのような考え方で乗り越えたか
困難な状況のなかで「いかに潰れないか」を大事にしてきました。ここでいう潰れないとは、次のような状態を指します。
• 体調を壊さない
• メンタルを壊さない
• 人として腐らない
仕事や人生を全力で楽しむためには、心と体の健康が何よりも大切です!!
また、仕事がうまくいかないときでも身近な人へのリスペクトを失うことや自分らしさを見失うことだけは避けたいと思っていました。
そういった姿勢を欠いてしまえば、必ず後悔するからです。
潰れないために、以下のような思考を心がけていました。
無理に答えを出さない
すぐに何かを変える、結果を出すのは難しいと思いました。これまでの経験から「だいたいのことは時間が解決してくれることもある」と考え、焦らずに構えることを意識しました。
もやもやした状態でも、「できることからやっていこう」と行動を積み重ねることを心がけました。
このような姿勢は「ネガティブ・ケイパビリティ」という考え方に通じるそうです。明確な答えが出ない状況を受け入れ、焦らずに向き合う力というそうです。
落ち込むこと自体は仕方ないと考え、立ち直りの早さを重視する
変化していく過程では、ありがたいものの耳が痛いフィードバックを受けることも少なくありませんでした。
性格上、素直に受け止めすぎてしまい、落ち込まないようにするのは正直難しかったです。そこで、「落ち込むのは仕方ない」と割り切り、回復の早さに着目するようにしました。
「めちゃくちゃ食らっているな」と思ったときは、しばらく横になって思いきり落ち込みます。そして、「十分落ち込んだな」と感じたら、「やったらぁ!」と気持ちを切り替え、仕切り直すように心がけました。
このように立ち直る力は「レジリエンス」と呼ばれるもので、困難をしなやかに乗り越え、回復する力を指すそうです。
余談ですが自分が実施していることが専門的に何と呼ばれるのかを調べるのが好きです!
アニメや漫画が好きなので新たに得た知識やワードをまるで必殺技のように「発動」する感覚で実践するのが楽しみの一つです!
「くっ…これは耐えられないかも…」と思いながら横になり、
_人人人人人人人人人人人_
> レジリエンス発動 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
と心のなかで叫んでしばらく落ち込むみたいなことをしてました。
苦しいときこそゲーム性を取り入れ、楽しむ気持ちを忘れないようにしています。
入社当初の状態から現在の自分に至るまでに取り組んだこと
いくつか抜粋して紹介します。
チャンスを掴むために健康でいる
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入社してから2024年前半、特にサービス統合がおわるまでの時期は「前に進める」ことが求められるタイミングでした。
「バックエンドがやりたい」という気持ちはありましたが、チーム、プロジェクトの状況を考え、「今ではない」と納得していました。
そんな中、他のメンバーの休みが重なり、一時的に人手不足の状況が発生しました。そのとき、たまたまバックエンドのタスクに関わる機会が巡ってきて、「チャンスがきた!」と思いました。
この経験から、「予期せぬチャンスを掴むためには、日々健康でいることが大切だ」と実感しました。
それ以降、さらに意識するようになり、結果的にこの1年間、体調不良で休むことはほぼありませんでした。
既存のシステムやコードを理解するための取り組み
具体的には以下のことを実践しました。
• 次のスプリントで関連しそうな機能を事前にコードリーディングして解像度を上げてみる
• 定常業務で同席して実行したSQLについて、あとからテーブル構成やデータフローをおさらいする
• 終了したスプリント内で自分がレビューできなかったプルリクを確認してコードリーディングする
• 基礎技術が不足している部分を動画教材で自主学習する(特にSQLに関して大きな効果がありました)
・解像度が低い状態でもとりあえずレビューに参加し、気になる点を積極的に質問する
序盤は全体を把握しようとして苦しみましたが、一つのとっかかりを見つけることで、その周辺の理解を少しずつ広げていけることに気づきました。
また、最初は点だった情報が、何度か繰り返し学ぶうちに線でつながり、理解が深まる瞬間もありました。
社内イベントへの積極参加と交流
社内イベントには、ワイワイするのが楽しくて好きという理由から積極的に参加して最後まで残るようにしていました。
顔を覚えてもらう目的もありましたが、それ以上に仕事にも良い影響を与えてくれました。
イベントを通じて、他のチームへの心理的なハードルが下がり、「普段どんなことを頑張っているんだろう?」と関心を持つきっかけになりました。
こうした関心が話題や尊敬の気持ちにつながることが多かったです。
さらに、カラオケやお酒、サッカー観戦など趣味の広がりにもつながり、仕事以外でも充実した時間を過ごすきっかけになりました。
過去のPRONIフェスの様子
個人的な日々の振り返り
振り返りは、自分の成長や改善を支える重要な習慣だと考え、日次や週次でNotionを使った振り返りに取り組みました。
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振り返りを始めた当時、ウィルゲートさんの新卒向け資料「エンジニア基礎」が、自分の初心者マインドを意識し始めるタイミングにぴったり合った内容で、とても参考にしていました。
この資料を日々意識しやすいようにNotionの振り返りページにリンクを貼り、振り返りの際に見るようにしていました。
引用: 【研修資料公開】24新卒エンジニア研修「エンジニア基礎」を実施しました!
それ以外は、
・良かったこと
・失敗したこと、良くなかったこと
・わかったこと
・取り組むこと
のセクションごとに振り返りをするようにしていました。
自分の行動や思考を見直す機会を持てた点は良かったと感じています。
ですが、当時の方法では自分の状況や課題にあったものではなかったため、十分な効果を感じることができませんでした。
わかったこと、気づき
試行錯誤や日々の実践を通じて多くの学びがありました。特に印象的だった気づきや重要だと感じたことをいくつか抜粋して紹介します。
慣れるとはどういうことなのか
この1年を通じて、「慣れる」ということの本質に気づきました。
慣れるとは次のような状態を指します。
• 物事に取り組むときに必要な脳エネルギーを減らし、無意識レベルで一定の成果を出せる状態
• エネルギーの軽減により増えた脳内リソースを、より難しい課題や新しい学びに使える状態
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思考を変えられたのは、基礎技術が向上したことで足元の作業に必要な脳エネルギーが減り、その分の脳内リソースを新たな思考に割り当てられるようになったからだと感じています。
この理解から、成長には「無意識にできることを増やす」ことが重要だと気づきました。その無意識の領域を広げるためには、愚直に反復練習するしか方法はありません。地道な反復が、効率を上げるだけでなく、次のステップへの足場を作る鍵だと思いました。
スピードのポイントは自分で意思決定できる領域の広さとその正確さ
作業そのものが早いことも大事ですがそれ以上に「自分で意思決定できる領域の広さと正確さ」こそが、スピードの本質だと感じました。
なぜ自分の意思決定領域の広さと正確さが大事なのか?
迷ったときに有識者に相談するのは全く問題ありません。しかし、そのたびにリードタイムが発生し、スピードが低下することで、価値提供が遅れるリスクがあることも実感しました。
だからこそ、スピードを出すためには、自分で意思決定を行い、その範囲を広げていくことが重要です。
ただし、意思決定が早いだけでは十分ではありません。その判断が限りなく正確でなければ、やり直しや無駄な作業が増え、結果的に効率を下げてしまう原因になります。
そのため、意思決定の広さと正確さの両方を備えることが、価値を最速かつ最大限に提供するために欠かせないと感じました。
では、どう意思決定していくか?
不確実な問題に直面したときでも、「ありたい状態」を起点に考えることで、手段が曖昧な場合でも、一貫性を持って意思決定を進められることに気づきました。
ただし、「ありたい状態」だけでは不十分で、これを軸に以下のポイントも考慮する必要があると考えています。
• MVP(Minimum Viable Product = 最小限のプロダクト)
最低限の価値を提供するために、優先順位を明確にして必要なものだけ作る
• リスクの管理
リスクを最小限に抑える策(リスクヘッジ)、リスクが生じた際の対応策(リスクマネジメント)、そして必要に応じてリスクを取るべき場面(リスクテイク)を見極める。
この意思決定の思考プロセスを使いこなすことで、不確実な状況でも前に進むことができると思いました。
チーム全体で中心メンバーを補える取り組みの重要性
たまたま中心メンバーが休む状況が発生した際に、他のメンバーがその役割を引き継ぐ必要性が生じました。
この出来事をきっかけに、チーム全体で中心メンバーの業務を補える取り組みが、チームの成長と強化に大きな効果をもたらすことを実感しました。
具体的には、以下のような成果が得られることに気づきました。
・他のメンバーが新しい役割を経験することで、チーム全体のスキルセットが向上する
・特定の業務に対する個人の依存度が下がる
・中心メンバーしか把握していなかった知識などを知れる
今後は、偶然の状況に頼らず、中心メンバーの業務を補える仕組みや環境づくり に取り組んでいきたいと思いました。
自分がありたい姿を再定義
改めて自分のキャリアにおける「ありたい姿」を考え、その形を次のように定義しました。
「ともに考え、ともに作るエンジニア = プロダクトエンジニア」
開発者という領域にとどまらず、各領域のスペシャリストとともにプロダクトの課題解決や価値提供に深く関与していける開発者を目指します!
以下、Niwa Takeru|アセンド株式会社CTO さんの記事が「ありたい姿」を定義する際の指針となり、大きな影響を受けました。
もっと頑張りたいこと、取り組んでいきたいこと
価値提供に注力した開発環境、開発プロセスの改善に集中する
自分は、いろいろなことに手を出したくなる性格なので、まず「やるべきこと」をしっかり決め、それに集中していきたいと考えています!
価値創造は企画側に委ね、自分は「価値あるものを迅速かつ高品質に提供する」ことに集中することにしました。
その過程で、スペシャリストと協力しながら進めることで、より高い水準を目指していきます!
具体的には以下の要素に取り組みます。
・スムーズに開発するためのアーキテクチャの立案や改善
・開発時のボトルネックの解消
・技術的負債の返済計画と実施
・属人性の排除
物事の推進力向上
自分の中で推進力を大まかに分類すると、以下の3つに分けられると考えています。
・意思決定領域の拡張と正確さ
・中長期的なレベルの目標設定・計画力
・達成に向けた会議のリードと準備力
これらを向上させるために各分類ごとの以下の要素が重要だと考えています。
・必要な思考プロセスの構造化
・必要なコミュニケーションの構造化
・構造化された思考プロセス、コミュニケーションを体現する
・必要な知識を把握、収集し理解する
これらを無意識レベルで実施していくことが必要です。
個人的な日々の振り返りの定着化
物事の推進力を向上させるために必要な要素を無意識レベルで定着させていくには振り返りはとても重要な取り組みだと考えています。
これまでの振り返りを通して、振り返りを継続し、効果的に行っていくには自分に合った無理のない振り返り方法を見極めることが大切だと感じました。
「振り返りでどうありたいのか」を改めて定義し、自分に合った方法をアップデートしていきます。これからは、負担が少なく、続けやすい形を模索しながら、振り返りを日々の成長につなげていきたいと考えています。
まとめ
振り返ってみると、この1年は試行錯誤の連続でした。その過程で味わった苦しさや、今感じている変化を考えると、間違いなく人生におけるターニングポイントだったと思います。
繰り返しになりますが、これらの成果は自分だけの力で成し遂げられたものではありません。多くの方々の支えがあったからこそ、乗り越えられたものだと実感しています。
特に、「がんばってもがいていることはわかるから、そういう人は見捨てないよ」とPdMの梶さんがかけてくださった言葉には、本当に励まされました。この場を借りて、改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
これからも、この1年で得た学びを活かし、「ありたい姿」を見据えながら、価値あるプロダクトを提供するために努力を続けていきます。