コロナ渦のサイクルロードレース@バーチャルワールド
今回はnoteのお題「#スポーツ観戦記」と「コロナ渦のサイクルロードレース」について記事を書いてみようと思います。
※サイクルロードレースって何?という方は以下の記事を読んで頂ければ幸いです。
コロナ渦のサイクルロードレース
今年の冬から春先にかけて世界中に広がった新型コロナウイルスの影響で、全世界的にスポーツの試合が中止されたり、観戦できる人数を制限した状態での試合を余儀なくされたりしていますが、それはサイクルロードレースについても同様で、春先にサイクルロードレースの本場であるヨーロッパ諸国で新型コロナウイルスが猛威を奮ったこともあり、予定されていた重要なレースが延期となりました。
そんな中、我々のような一般のサイクリストも、3密を避けるため集団では走らずに一人で走る人や、バーチャルサイクリングに対応したインドアトレーナー(スマートトレーナー)を取り入れて仮想世界でグループサイクリングをする人、レースをする人が増えました。
私もその一人で、2017年頃に一度退会していたZWIFT(ズイフト)というバーチャルサイクリングサービスのアカウントを復活させ、ミートアップというグループサイクリングをする機能を使って、仮想世界で友人と走るようになりました。
(LINE通話を使って話しながら走っています。)
・バーチャルサイクリングサービス「ZWIFT」
ZWIFTに関する詳細情報は上のリンクを確認頂ければと思いますが、ざっくり説明すると以下のような動きをします。
1.現実世界でペダルを漕ぐと、漕いでいるパワーに応じて仮想世界のアバターが走行する。
2.アバターの走行している斜度や空気抵抗に応じてスマートトレーナーの負荷が変わる(※)。
3.スマートトレーナーの負荷に応じてギアチェンジしながらペダルを漕ぐ。
→1〜3を行うことで、現実世界のサイクリングのような動きになる。
※上り坂や空気抵抗が大きいとスマートトレーナーの負荷が上がってペダルが重くなり、下り坂や空気抵抗が小さいと負荷が下がってペダル軽くなります。
つまり、仮想世界でアバターの走っている状況が現実世界に再現されることで、インドアトレーニングに実走感が生まれ、楽しめるという仕組みです。
最近はアバターの走行している斜度を現実世界に再現できるような製品や、専用のバイクも出てきました。(以下リンク)
なお、私はスマートトレーナーを導入していないので負荷は変わらないのですが、自分の動きに応じてアバターが動くだけでも楽しめています。
特にレースはかなり追い込めるのでトレーニングの一環としてオススメです。
バーチャルワールドでレース
バーチャルサイクリングサービスを使って「グループサイクリング」をする人や「レース」をする人が増えたと書きましたが、これはプロのロードレースの世界にも波及しました。
もともとプロと一緒に走れるイベント等はあったのですが、ツール・ド・フランドルやツール・ド・スイス、ツール・ド・フランスといったトッププロしか参加できないレースがバーチャルの世界で開催され、その模様が放送されることになったのです。
もちろん本来のレースと比べると規模は小さいですし、現実世界を再現できていない部分が多々ある(選手が接触したり転倒したりしませんし、下り坂やコーナーをノーブレーキで走り抜けたりします笑)のですが、観戦してみると「想像していたよりも面白かった。」というのが個人的な感想で、嬉しい誤算でした。
特に良かったと思った点は以下の3点です。
・その1
バーチャル ツール・ド・フランスで使用されたZWIFTは、前述したとおり空気抵抗を再現しており、自分の前を他の選手が走っているとドラフティング効果を得ることができるので、実際のレースのように集団の中で脚をためる(体力を温存する)という戦略が取れ、ただ踏めば勝てるといった単純なものではなかったこと。・その2
レース時間が1時間ほどだったこと。
実際のレースのように数時間にわたって観ていられるかと言われると正直微妙だと思いましたが、1時間ほどで完結するレースであったため気兼ねなく観ることができました。
・その3
ZWIFTのパワーアップアイテムが使用可能だったこと。
使用できたアイテムは以下の5つ。(アイテムの効果は一時的なものです。)
・エアロ:自分の空力特性が向上する。
・ドラフティング:人の後ろについた際の空気抵抗を削減する。
・ブレイクアウェイ:自分の後ろの選手のドラフティング効果を無しにする。
・ライトウェイト:体重が軽くなる。
・インヴィジリティ:透明人間になれる。
どれも現実世界ではありえないのですが、e-sportsとしてみればアイテムありのルールで試合を行っているだけですし、マリ○カートのようにアイテムを使って真剣勝負するトッププロと、それを解説する解説者というのも今年ならではだったと思いますし、e-sportsの楽しみ方を少し勉強できたように感じました。
仮想世界とサイクルスポーツ
今年は新型コロナウイルスの影響で仮想世界を走るライダーが増えたり、トッププロによるバーチャルレースが開催されたりしましたが、新型コロナウイルスのワクチンが完成して安定供給されるまでは現状のような状況(新型コロナウイルス感染者数が増えてしまった場合、延期か中止)が続くと考えられ、当面の間は以前のようにサイクルスポーツの観戦を楽しむ事ができない可能性が高く、落胆する気持ちが強かったのですが、この記事を書いていて以下の2つの点については悪い面ばかりではないと思えるようになりました。
まず1つ目。
仮想世界を走るライダーがこれまで以上に増え、バーチャルサイクリング市場が拡大する可能性があり、バーチャルサイクリング市場が拡大してe-sportsの一つのジャンルとして定着すれば、e-sports(バーチャルサイクリング)きっかけで現実世界のサイクルスポーツに興味を持つ人も出てくる可能性があること。
そして2つ目。
バーチャルサイクリングサービスから優秀なライダーが出てくる可能性が高まったこと。
ZWIFTは2016年から「ZWIFTアカデミー」というZWIFTを使った才能発掘プログラムを開催しているのですが、この「ZWIFTアカデミー」の勝者はプロサイクリング契約を結ぶことができることで人気となっています。
こちらは仮想世界の実力者が現実世界でプロになる登竜門となるわけですが、バーチャルサイクリング市場が拡大して参加人数が増えれば増えるほど新たな才能を発掘できる可能性が高くなると考えられ、現実世界のサイクルロードレースが更に面白くなる可能性を秘めていると感じています。
近い将来、ツール・ド・フランスのようなビッグレースで「この選手はZWIFTアカデミー出身なんですよ。」という解説が入る日が来るかもしれません。
最後に
私たちの生活に大きな影響を与え続けている新型コロナウイルス。
未だ収束する目処がたたず、サイクルスポーツを観戦するにしても自分で楽しむにしても色々な制限がつく状態が続いていますが、各団体が試行錯誤をすることで新たな市場が生まれているという事実もありますし、現状を悲観しすぎずサイクルスポーツの火を絶やさないようにサポートしていけたらと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今後書く記事の参考としたいので、本記事に関するご意見、感想などを頂ければ幸いです^ ^
【参考】
バーチャルツール・ド・フランスの動画リンク(以下)