静岡旅行記〜前編〜
気まぐれに静岡に行くことになった。
「掛川花鳥園行ったことない行ってみたい」
「昔行ったなぁ……そんな見るとこないよ多分」
「え、ハシビロコウいるって」
「え、なにそれ見てない」
「ハシビロコウって偉そうだよね」
「王の貫禄あるよね」
「どっちかっていうと社長っていうより役員だよね」
「会長とかね」
「相談役って感じ」
「相談役」
「フラミンゴって目がやばいよね」
「いっちゃってるよね」
「サイコパスっぽい」
「あの目は絶対何人か殺っちゃってんね」
「殺っちゃったかー」
食虫植物展をみたり、大きすぎるビカクシダを見たり、抹茶ソフトクリームを食べたり、いろんな鳥が芸をするバードショーを見たりした。
バードショーはイルカショーや猿まわしに比べてすごく地味で、動物に無理させてない感じが良かった。所詮鳥だからな。
インコ部屋では大量のインコたちの群舞が見られて良かった。最近見た「君たちはどう生きるか」に出てくる鳥がたくさん出てきて、ここ由来なんじゃないか?とおもうほどには出演鳥網羅してた。オウムもいたし。
館内は非常に清潔で、あれだけの鳥が放鳥されているのに糞を踏んでしまうとかかけられるとかいうこともなく、匂いも全然気にならなかったし、スタッフさんたちのホスピタリティが大変高いように感じた。
結局閉館ギリギリまで居て、お土産まで買ってめちゃくちゃ楽しんだ。
「いやめっちゃ見るとこあるやん」
「楽しそうで何より」
「楽しかったーもっと見たかったー。16時30分までって閉まるの早いよね」
「動物が疲れるからね」
この人はこういう事をさらっと言える所がいいよなぁ、っていつも思う。優しい人とは、想像力のある人だ。
夜は花火大会を見に行ったり温泉に入ってゆっくりしたりした。
海も見れたし、焼きとうもろこしも食べたし、大満足の一日目だった。
子どもの頃は夏休みの絵日記を書くのがめんどくさかったなぁ。
今ならこんなにかけるのに。
あの頃は記録したり、それをあとから見て思い出したりする必要性を感じなかったというか、そんな事より明日は何しようって考えるだけで毎日忙しかった。
記録より体験そのものの方が大事だったし、価値があった。
大人になると、忘れることが怖くなる。
失ったり、忘れたり、そうやってしか人は生きていけないのにね。
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