the band apart 楽曲構造まとめ
はじめに
バンアパって変な曲多くないですか?
変な曲コレクターをやっております森栖檸檬です.よろしくお願いします.この記事ではバンアパが変な曲ばっかり作っているのかどうか確認することを目的として,そのための手段として音楽理論の対象の一つである楽曲構造に注目して分析を行っていきます.楽曲構造はよほど意識してないと考えることのない部分だと思いますが,捉えるのが割と簡単で客観的に議論しやすい上に作者の創意工夫が現れやすい部分だと考えられるため,分析にうってつけなわけです.本当はコード進行の分析を中心におけたらいいんですけどバンアパの曲の耳コピすんのすっげえ大変なので許してください.
この記事を書いているのはバンアパにハマって1年くらいのニワカなので,バンアパ以前以後とかよくわかっていないし古参の方にとって常識的なことも知らない可能性がありますが,生暖かい目で見ていただけると助かります.
対象とするのはオリジナルアルバム(K. AND HIS BIKE, quake and brook, alfred and cavity, Adze of penguin, Scent of August, 街の14景,謎のオープンワールド,Memories to Go, Ninja of Four)収録曲とします. EPにもいい曲いっぱいあることは知ってるんですが,いかんせんサブスクでは網羅できてないので… ちなみに先日Falling in Loveを購入しまして,Snow Ladyとクレメンタインを狂い聴きしているところです.ちなみにちなみに特に好きなEPはPOOLです.
調については基本的にすべてメジャーであるとします.つまり明らかにAマイナーからCメジャーに変わっていても転調とはみなしません.ただしFリディアやGミクソリディアなどの場合は調判定を放棄してその旨を記載します.特にバンアパはえげつないコードの使用がままあるため,迷ったらメロディの構成音を重視します.
セクションや調性の変化を追いかけるためにコード進行も大まかに拾ってはいます.特にこれは!と思ったコードについては何かしらコメントするつもりです.表記するコードは「こういうつもりで作ったんだろうな〜」というお気持ちを表したものになるので,実際に鳴っている音を必ずしも反映したものではないということをあらかじめご了承ください.一般的な記号を使っているとは思いますが,もしよくわかんないのがあればSoundQuestを見るなどしてください.おそらく書いてあります.なお,表記してあるコードが正しいという保証は一切ありませんので留意の方お願いします.まあこれは変な曲ばっかり作るバンアパの責任ということにします.幸いなことにバンアパについては偉大なる先駆者たちが耳コピして動画投稿してTabまで提示してくれていることがそこそこの割合であるので,参考にできる部分についてはどんどん参考にしていきます.ちなみにこのアカウントではnoteに耳コピTab譜を公開してくださっている,めちゃくちゃ信頼できる方を1人フォローしているので気になる方は覗いてみてください.もちろん鵜呑みにするわけではなくて,実際に聴いてみて合っていそうだと判断できた部分についてはありがたく採用し,そうでない部分については自分の耳を信用して聴こえる音だけを考慮します.
観測には細心の注意を払っていますが何かおかしいなと思うところがあれば指摘していただけると助かります.
凡例 I: Instrumental, Intro, Interludeなど A,B,C,…: Aメロ, Bメロ, Cメロ, … S: サビ 記号の後の'は以前に出てきたパートと基本的には同じだがある程度変化していることを,記号の後の数字は以前に出てきたパートと大きく異なることを表す.各記号の後のアルファベットは調性を表し,転調する際に表記する.
構造とかお構いなしに曲のここ好きポインツを早口詠唱オタクしている部分もあるかと思われますが,そういうもんだと思ってください.なるべく頑張って抑えます.個人的に旋律の再利用だったりリハモだったり2-5連鎖だったり旋法だったり曖昧な調性だったりが好きなので,該当箇所では限界になってるかもしれません.Here we go~~~~!!!!
K. AND HIS BIKE
FUEL
I1→A→B→A'→B→B→S1→A→B→B→B'→I2→S1→S2→I1'→I3
I1: B
A:
B: ここがサビだと騙される人がいてもおかしくない感じ.
A: あっさり戻る.
B:
B: セクション終わり際はサビに向かうため伸ばします.
S1: Eに地味〜に転調!打って変わってシンプルなロック!
A': Bに戻る.歌い回しなどが変わっている.
B:
B:
B': いや長いな!?と思わせない工夫としてリズムパターンやコードを変えてきている.
I2: 間奏.一回落としといてぶち上げに来るの脳に良い.
S1: E コード一発のシンプルアレンジがこの転調を地味,というよりあまりに自然すぎて違和感が全く生じないものにしています.
S2: Eへ転調していることが確定するのはここで初めてラが鳴ってるから.
I1': B 冒頭部分がない.
I3:
なんだこの曲… 初っ端からヘンテコな構造でぶちかましてきます.やはりBに結構サビっぽさがある気がするのでサビの2段構えになっている印象を受けたりする.
cerastone song
I1→I2→A→A'→B→S→I3→A→I2'→B→S→S→I1'
I1: E
I2:
A: ちょくちょくAmが鳴っててキー=Eから逸脱しようとしている.
A': 歌い回しが大きく変わる.
B: Gへ転調.
S: Eに戻る.F#φ→Bを起点にしたわりかし普通の転調(当社比).
I3: ?わからんなにこれ.
A:
I2': ギターソロ.
B: G タメのため終わり1小節延長されている.
S: E
S:
I1': ここで冒頭に戻るのにくいね〜.
I2: ベースのラインを変えてきてビビる.
なんかもう既にバンアパらしさみたいなのが確立されていませんか?早くない?
Snowscape
I1→A→A→B→A→B→S→A→A'→B→S→I2→S→S→S'
I1: A
A:
A:
B:
A:
B:
S:
A:
A': リズムを変えてくる〜.
B:
B: 歌い回しも変えてくる.
S:
I2:
S:
S:
S':
転調もキモコードもないし楽曲構造もそんなに捻ってないしで普通のポップスに近い感じがして,原さんが没にしたがったというのも頷ける話.没にするにはあまりにも勿体無い美メロなのは書くまでもない.
ANARQ
A→B→S→B'
A: E
B:
S: 結構面白い進行してるけど転調まではいかない.
B': Bのリフを鳴らして締め.
サビが一個しかないという点で普通ではない楽曲構造.
Take a shit
I1→A→A→S→I1→A→A'→S→S'→I1→I2
I1: B
A: セクション終わりに調を揺らしてくる.
A:
S: ロック!!
I1:
A:
A': コーラスが加わる.クソ綺麗.
S:
S':
I1: サビと地続きみたいな感じ.
I2: 急展開!いったんEマイナーを通ってEメジャーになって最後のコードは元のキーの主音Bで締め!なんだこれ!!
タイトルに反して穏やかで良い曲だなあ〜と思わせといていきなりクソを投げつけてくるスタイル.
fool proof
C→D→I→A→B→S→A→B→S→S'→I
C: G いきなりCとかいうセクション名で始まるという暴挙.
D:
I: サウンドだけ聴くとボサノヴァどこいったという感じだけどコードはしっかりメジャーセブンスのまま.こういうところが受けた要因の一つなんだろうなというのは想像に難くない.
A:
B:
S:
A: 厳密にはSとAの間にリフが挟まってるけど気にしない.
B:
S:
S': リハモを決めてきて最高.
I:
ロックパートになってからはめちゃくちゃ普通の構造だけど,その前にボサノヴァパートを入れているというだけでお釣りが出るレベルの強烈さ.
silences
I1→I2→A→I3→B→S→I2→A'→I3'→B→S→I4
I1: D タイトルに反してうるせえ.
I2:
A:
I3:
B: 急に落ち着くな!サビへのタメなんでしょうね〜.
S: 急にポップになった!こういうバランス感覚が素晴らしいですね〜.
I2:
A': ハネてる.
I3':
B:
S: 落ちサビみたいな始まり方してる.
I4: 後半はA→Em→A/D→Dm/Gみたいな調性が曖昧な進行してる.
I2やAまでは調がはっきりしない進行をしていて,サビに向かうにつれてどんどん確定して(ポップな方向へ向かって)いてとても良い構造だと思えます.
ag FM
楽曲構造もクソもあるか!ダイブするぞ!
Eric.W
I1→I2→A1→A2→B→A1→B'→S→A1→A2'→B→B''→C→S→S'→I3(→I1)
I1: ボサノヴァのコードでボサノヴァよろしくものすごいペースで転調していくので調性は書き(け)ません.
I2: D
A1: ベースはg→f#→eと下行,荒井さんパートはE7omit3→F#7omit3→GΔ7omit5と上行,川崎さんパートはb→a→bとどっちつかずの動きをしていてボイスリーディングが素晴らしい.
A2: セクション終わりのBaug7みたいなコードすこすこ.
B: 4-5-3-6を繰り返す,この曲で一番普通な部分(当社比).
A1:
B':
S: そのルートにその音は乗せんだろみたいなメロディを平気でやってきて,それでいてものすごくポップなサビになっているのでもうひれ伏すしかない.
A1:
A2': さらっとAパートをコーラスとして被せてきてるけどなかなかできることではない.キメかっこいい.
B:
B'': スウィープってこんなにさらっと伴奏に取り入れるもんなんですか??
C: Gに転調.まさかの冒頭I1で提示したリフと進行の上にCメロを乗せます.
S: Dに戻る.
S':
I3:
(I1: 再録版やライブ版だとここで再びイントロを使って締めます.最高.)
バンアパにしか作れないの極致を最初期にやってのける恐ろしさ.
k.and his bike
A→I1→A→A→S→A→A→S→S→I2→B→I3→I4→C
A: E
I1:
A: ためて,
A: ためて…
S: 爆発!
A:
A:
S:
S:
I2: 調が揺らぐ進行に,
B: ソリッドなメロディを乗せてくる〜.
I3:
I4: 爆発の後の,
C: 静けさが沁みる〜.
2サビまでは普通の構造だな〜と思っていたのに,そうは卸さないというか,展開につぐ展開をぶちこんできます.
in my room
A→S→I1→A→A'→S→I2
A: A
S: Am7/D→GΔ→Gm7/C→FΔ→Fm7/Bb→EbΔ→E7みたいな規則的で美しい転調を繰り返してくる.
I1: Aに流れるように戻る.
A:
A': 歌い回しが違う.
S:
I2: ちょっと違うけどSとかEric.Wとかと同じ系統の進行で下行と転調を繰り返している.
さらっと作ったにしてはSの進行がおいしすぎるぜ.
When You Wish Upon a Star
I1→A→B→A→B→S→I2
I1: G ループ終わりにパラレルマイナーを混ぜてきている.
A:
B: Bb パラレルマイナーの効果がこの流れるような転調で出てる.
A: G
B: Bb
S: A まさかの半音下へ転調!
I2: コードを変えない代わりにドラムをこれでもかと変えてきます.
1stのクオリティじゃねんだわ.
逆に普通の構造って言えるのはcerastone song, Snowscape, silences, in my roomくらいか?
quake and brook
coral reef
I1→A→B→S→A'→B'→C→I2→S→S'
I1: D
A:
B: ちょっと調性が怪しくなっている気が.サビ前は冒頭のリフレインになってて嬉しい.
S:
A': アレンジが落ち着いたり落ち着きがなかったり.
I1': ギターソロ.ライブ映え〜.
B': サビに行かんのかい!
C: Fに転調.一回落ちるのウケる.
I2: D
S: 焦らした甲斐があります.
S':
何回聴いてもCへの寄り道で笑ってしまう.
my world
I→A→B→S→A→A'→B→I2→S'→S→S''
I: B
A: 変拍子が粋ですな〜.
B:
S:
A:
A': 変拍子をとっぱらっちゃった.
B:
I2: ギターソロ.夜の向こうへのそれに似てるな〜って毎回思ってしまう.
S': 実質Cメロみたいなとこある
S:
S'':
ラスサビ前後に一捻り二捻り入れてきてる感じ.
from resonance
I1→A→S→A'→S→I2→B→I3→S
I1: E beautiful vanityとかDEKU NO BOYとかにも共通する,ソロであらかじめ提示されてたリズムが実は表拍ではないんですよ〜みたいなパターン.
A:
S:
A': アレンジも歌い回しも違う.
S:
I2: 6への転拍子.ギターソロ.
B: その後にSがなければここがサビかと思えるくらいにはキャッチー.
I3: I2の4拍子版ともとれるような感じある.
S:
2サビの後にCメロ入ってラスサビに向かうみたいな捉え方をすれば普通の構造なんだけど,そういう捉え方をさせてくれないような曲.
M.I.Y.A
I1→A→I2→I1→A→A'→I1'
I1: Ab いきなり変拍子.
A: 急に落ち着くな!
I2: また急に変拍子.
I1:
A:
A':
I1':
サビすらないという変っぷりよ.
night light
I1→A→A'→I2→A→I2→S→A→A'→I2'→B→S→I3
I1: B
A:
A':
I2: 5-2を基調とした部分転調.
A:
I2:
S:
A:
A':
I2': リズムを変えてきている.
B: 拍子感を怪しくしてきている〜.
S:
I3: またもや脅かされる拍子感.
Aの後にいちいちインストが挟まる構造はありそうでない感じがありますね.
forget me nots
I→A→B→S→A'→A→B→S→C
I: C
A:
A:
B:
S:
A': めちゃくちゃ落ち着いてて効果的.
A:
B:
S:
C:
インスト部分がほとんどなくてバンアパにしては珍しい構造かも.
violent penetration
I1→A→B→S1→A→B→I2→S1'→S2→S2'→I3
I1: F
A: 一応ギターにeの音が含まれているのでキー=Fとはしてしているもののメロディで鳴っているわけでもないので調性が若干曖昧.
B: Bb 調性を確定させる音がなかなか聴こえない上にパラレルマイナー入れてくるからなおさら調がわかりにくいけど,Bbに転調していると考えるのが妥当でしょう.非常にシームレス!
S1: Db さらに転調!
A: F やや強引な戻り.一度提示したパートへ戻るときは唐突な転調でも違和感が少ないので強引でも良いというのは割と一般的にとられる考えだと思っています.
B: Bb
I2: ここなにやってんのかマジでわからない.転調してる気はするけど…
S1': Db 口笛も相まってかなりジャズっぽい.
S2: D バンアパでは珍しい気がするラスサビ転調!
S2':
I3: 最後はAbm/Dbみたいなどう考えてもDではないコードで終了.
このアルバムはあんまり転調しない(当社比)のでこういう曲があると目立ちますよね.嬉しい.
higher
I→A→A'→B→A→B→S→I'→B'→S→S'
I: F#
A:
A':
B:
A:
B:
S:
I': ライブで聴いたときここめっちゃ映えるな〜と思いました.
B': サビ前のF#/E→Bm69/Eみたいなコードとその後の2拍大好き.
S:
S':
私いたって普通のポップスですが?みたいな顔しといてちっとも普通じゃない構造をしている曲.
quake and brook
I→A→S1→S2→I→A→S1→B→I'→S1'→S2→S2'
I: E 意味不明な進行で揺さぶってきますがE.
A:
S1: 半音下行を基調とした見事な進行.
S2: リハモして繰り返す〜.
I:
A:
S1:
B: G 唐突の,そして束の間の転調.
I': E ギターソロ.
S1': 最初Cという記号を振ろうかと思ったけど,どうもS1のコードを倍テンで鳴らしているっぽい.ヤバ.
S2:
S2':
普通のヴァースコーラス形式に見せかけて妙な部分がちらほら見え隠れ.
real man's back
I1→A→S→A'→I2→S→A
I1: A
A:
S: GΔ→F#m7→Am7→C/D→BbΔ→Am7→Gm7→D/C→D/EみたいなDとFの間を行ったりきたりするような転調をしているっぽい.
A': A 歌い回しが別物.
I2: 目まぐるしく転調していく〜!何やってるのか全然わかってないです.
S: D?F?
A: A
構造云々の前にサビの進行がものすごく特徴的で大変素晴らしいです.
個人的に一番ハマるのに時間がかかったアルバムです.時間がかかっただけでちゃんとハマってはいます.
変って何?って感じに早くもなってきました.楽曲構造が変じゃない曲も楽曲構造以外が変だったりして流石.
alfred and cavity
72
楽曲構造もクソもない.シンバル叩くぞ!
Still awake
I1→A→B→S→A→B→S→C→I1'→S→I2
I1: E
A:
B:
S:
A: 先に述べた信頼できる耳コピerの方の動画概要欄に書いてあったんですけど,1番のBメロまではドラムはハイハットを全然叩かずにスネアを腕2本で叩いていて,ここからハイハットを解放しているという対比を効かせているようです.
B:
S:
C:
I1': リズムがI1のそれを踏襲していてとても良いですね.3連キモチエ〜〜〜!!!
S:
I2: 3連再び.
ストレートに殴ってきます.気持ちい.
SOMETIMES
I1→A→B→S→A→B→S→I2→I1'→S→S'→I3
I1: A
A: CとAの間みたいな調性してる.
B: A
S: 木暮さんも書いてたけどサビで落ち着くのめちゃくちゃ面白い.
A: C?A?
B: A
S:
I2: 転拍子したりしなかったり.
I1': ダーダーダーダーダダー
S:
S':
I3: 転調してるとは思うけどキーはわからない… そしてまたも転拍子.
構造的には2サビまではかなり普通だけど急に遊びを入れてくるから油断ならない.合わせるのめっちゃ難しそう.
the same old song
I1→I2→A→A→B→S→I2→A→B→I3→C→S→S'
I1: C めちゃくちゃ印象的なフレーズだけどこの後一度も出てこない.
I2: G
A:
A:
B: C 完全4度のシームレスな転調.
S:
I2: G
A:
B: C
I3: I2のバリエーションみたいな雰囲気もあるけどなんか違う.
C:
S:
S':
バンアパはこういう構造が多い気がしてきた.これが普通ってヤツなのか…?
headlight is destroyed
I1→I2→A→B→S1→I3→A→B'→S1'→S2→I2→I3'
I1: G
I2:
A:
B:
S1:
I3: 短く伏線を張る.
A:
B': アレンジが違ってて良い.
S1': アレンジが違っててとても良い.
S2: 実質的にはCメロ扱いなんだろうけど,S1と同じ進行なのもあって別の記号を用意.それにつけてもここが真サビかと錯覚できるキャッチーさ.
I2:
I3': 伏線回収.C/Bb→DΔ9みたいなFとDの間の行ったり来たりを感じさせる進行の上にEロクリアを感じさせるギターが乗って複調っぽくなっててめちゃくちゃ良い.そして最後はAで締め.
木暮さんも書いてたけど同じリズムの部分が全然なくて面白い.
Circles and Lines
I1→I2→A→I1'→A→I1''→A→I1'→A'→B→B→I3→S'→S→S''
I1: 調性についてここだけではなんとも言い難い進行.
I2: D
A:
I1': 記号振るか迷ったけど冒頭で提示したものと進行が同じっぽいので.
A:
I1'':
S: かなりFに行きかけているけどギリ部分転調の範囲内でしょう.
A:
I1': 短い
A':
B:
I3:
S': 落ちサビ.
S:
S'': リフレイン.
'が今までにも増して多くて面白い感じがします.
led
I1→I2→A→B→S→I3→A→B→I2'→I4→S→I5
I1: B
I2:
A:
B:
S:
I3:
A:
B:
I2': 多分I2同じ進行.
I4: Aと同じ進行.ギターソロ.
S:
I5: 多分メロディックマイナーとかをペアレントスケールとしたフレージングになってるので調性を考えるのも野暮な気がする(逃げ).
同じ進行をするインスト部分がないっぽく,次々展開されてって結構戸惑う.
Stanley
I1→A→S→A→S→I2→I3
I1: ここだけだと判別が難しいけどこのリフはその後Aメロで出てくるのでキーはAメロと同じとみなせるでしょう.
A: Cミクソリディアなメロディになってて結構レア.
S: Cメジャーでしょう.
A: Cミクソリディア
S: Cメジャー
I2: Sと同じ進行
I3:
シンプルなのもあってなかなかにポップ.
stereo
I1→A→A'→B→S→I1'→A'→A'→B→S→I2→S→I3
I1: C
A:
A': 不協和音がいい味出してる.
B:
S:
I1':
A':
A':
B:
S:
I2:
S: サビのインストだけ先に鳴らして勢い作るの良い.
I3:
最初のクリスマスみたいな雰囲気をサビでぶち壊しに行くと誰が予想できたろう?
beautiful vanity
I1→I2→A→S→A→S→S→I1'→I3→I4
I1: E
I2:
A:
S: Bに転調.
A: E
S: B
S: 終わりのコードを変えてる.
I1': ところどころDあたりに転調してる.
I3: GとEの間をゆらゆらしてる感じ.
I4: 拍子のカウント難すぎて頭が全貌を把握する前にタイミングを体で覚えてしまった…
これI4がサビみたいなもんですからね.なんてこったい.
Can't remember
I1→A→B→S→I'→A'→I2→S→S'→I3
I1: E
A:
B:
S:
I1': 本気出してきた.
A': このアルバム全体に言えることでもあるけどとにかくリズムで遊び倒す.
I2: ギターソロをサビの前座にするというめちゃくちゃ贅沢なアレンジ.
S:
S':
I3:
私いたって普通のポップスですが?みたいな顔しといてちっとも普通じゃない構造をしている曲2.
KATANA
I1→A→S1→A'→I2→S2→I3→S1→S1'→I1(→I4')
I1: G
A: どこがダサいのかマジでわからん.全部かっこいい.
S1:
A':
I2:
S2:
I3: 突然のメタルゾーン.Eとかに転調はしてる.
S1: G
S1': なんとS2を重ねてきている!
I1:
(I4: まあこの辺はふざけまくってるしダサいかも…)
彼らがふざけると技巧がエグくなるんですかね.ふざけんなもっとふざけろ.
このアルバムの再現ライブが初バンアパライブでした.荒井さんがMCで言ってたまさにその通りで,バンアパって本当に存在するんだ…!って思いました.
その後使い回されないI1をイントロとして持ってくることが多かった希ガス.
Adze of penguin
enter
楽曲構造もクソもねえって.ドア開くぞ!
Falling
I1→I1'→A→A'→B→S→A→B→I3→C→S→S'→I1
I1: Cでいいはず.F/G→Fdim/Gみたいな変な進行.
I1': ギターが違う調に寄り道しまくってるから困る.
A:
A':
B: 目まぐるしく転調!俺耳がバカだからよくわかんねえけどよお〜,Bb/C→C→F/A→Ab→Eb/Bb→Ab/Eb→Dm→G9→G#oみたいなノリの進行をしてんじゃねえの?
S: C ここでもやっぱりキモめのコードがなりまくってる.
A:
B: F?Eb?C?
I3: EbとCをフラフラしてる〜.
C: C
S:
S':
I1:
同じセクションが最初と最後だけに登場するのはEric.WとKATANAを除けば初かも.耳コピ難度が急に上がってビビります.
I love you Wasted Junks & Greens
I1→A→B→S→A→B→S→I2→C→I1'→S→S'
I1: A
A:
B:
S:
A:
B:
S:
I2: ちょっとメタルゾーン.もしかしたらここで既に転調してるかも.
C: D メトリックモジュレーション!!!!!!!!!!!!!
I1': A 各々のソロ!3連楽しい〜〜〜!!!
S:
S':
構造としてはなんかもう見慣れた感じになってきましたけど,Cで落としてI1'で盛り上げて最後の3連でぶち上げるのがポップス曲として強すぎる.
Cosmic Shoes
I1→I2→A→S→B→A→I3→C→S→S'→B
I1: B コードがめちゃくちゃ汚くて良い.
I2:
A: サビ前のコードエグくてすこ.
S:
B: Sの一部ともとれるしA'ともとれはする.
A:
I3: 調性ぐらぐら.
C:
S:
S':
B:
サビの後におまけがくっついてるのもありそうでなかったかも.
bacon and eggs
I→A→B→I→A→B→S→A→I→B→S→S→I→I'
I: G トップノートがずっとdになってて良い.
A:
B:
I:
A:
B:
S:
A:
I: ギターソロ.
B:
S:
S:
I:
I': ヘミオラを利用したポリリズムで遊んでくる.
面倒なので'を付けませんでしたが,セクションごとにアレンジが違うことがほとんどで楽しいです.
Malibu
I1→I2→A→A'→B→S→I1'→A→A→B'→I1''→S→S→I1'''
I1: B
I2:
A:
A': 歌メロとユニゾンするギターすこすこ.
B:
S: ギター同士のユニゾンすこすこすこすこ.
I1': 派手さこそないけどここもギターソロみたいなもん.
A:
A':
B': 落ちます.
I1'': 冒頭のフレーズがギターソロに接続!
S:
S: SとSの繋ぎ目にアウトロで使うフレーズが出てるね.
I1''':
構造はかなり普通よりだけど飽きさせないための工夫は山盛り.
Moonlight Stepper
I1→A→I1→A→S→A→B→I2→S→S'→I3
I1: Bb
A:
I1:
A:
S:
A:
B:
I2:
S:
S': 終わりでFに転調してるっぽい.
I3: F
取り立てて変なことはしていないけど不思議な曲だ…
pieces of yesterday
A→A→S→A→A→I1→B→S→S→I2
A: D 歌始まり珍しい.
A: 楽器追加
S:
A:
A:
I1: ギターソロ.
B:
S:
S:
I2: 2拍3連化.すっげえ変なボイシングしてて面白い.
面倒なので'を付けませんでしたが,セクションごとにアレンジが違うことがほとんどで楽しいです2.
July
I1→A→B→A→B'→S→A→B'→I2→S→A'
I1: C
A: ちょくちょくコードがキモくて嬉しい.
B:
A:
B': 2個目のコードでノンダイアトニックなテンションf#を鳴らしていて複調気味になっていてとても良い.
S:
A:
B':
I2: ギターソロ.ワウワウ.
S:
A': リハモしてるかも.
落ち着いたAで締めるというのもそこそこ珍しい気がする.
Waiting
I1→A→A→B→S→A→B'→I2→I1'→S→S→S'
I1: Gなんだけど2個目からノンダイアトニックでその先も躊躇なく転調していく.Em9→C#φ→CΔ→FΔ→BbΔ→EbΔ→Am7→CΔ→D/E→Am11→C/D→Eb→C/Dみたいな最高に原さんな進行.
A: Gを基本としつつにBbに行ったりしてる.
A:
B: サビ前のCmM7(13)みたいなコード最高.
S: サビ終わりのC#φ→CΔ→D/E→Am11→C/D→Eb→C/DがI1のダイジェストみたいになってて良き.
A: (wind is getting colder at night)
B':
I2: gとfとebを行ったり来たり.
I1': Da-da-da-da-da…
S: ここライブだと落ちるんですね〜.繰り返しによる飽きを避けられて良いです.
S:
S':
バンアパの真骨頂.構造もそんな感じ.
なぜかハマるまでにはそこそこ時間がかかったけどハマってからはものすごい深さに沈められたアルバム.
めちゃくちゃ変なことやってる訳ではないんだけど,かといって普通と呼ぶには無視できない捻りがあったりする曲ばかりでなんとも言い難いですね.全曲似たような構造になってる感じはしました.バンアパらしさみたいな部分が構造の面でも固まってきたのかも.
Scent of August
photograph
I→A→B→S1→A→B→S2→I'→B→S2→I→A→S1'
I: C
A: レレミミドファミレの箇所をAと定めます.
B: ソソソソファミレの箇所をBと定めます.
S1: photograph連呼してる箇所をSと定めます.
A:
B:
S2:
I': ギターソロ.
B:
S2:
I:
A:
S1':
セクションの区別が非常につけづらいのが特徴.面倒なので'を付けませんでしたが,セクションごとにアレンジが違って楽しいです3.
Game, Mom, Erase, Fuck, Sleep
I1→A1→A2→B→S→A1'→A2→I2→B→S'→S→I1'
I1: G 普通の6/8拍子風のメロディに対する楽器隊はまさかの7拍子.
A1: メロディとCΔ→Cm6→GΔ→G6→Am7→Ao→Em9→G6という進行だけ聴いたらほとんどディズニーの世界.なお実際はプログレな模様.
A2:
B: FΔ→F6→Em7→Em(b6)→Dm7→Dm6→C#m7→C#m(b6)→CΔ→C6→Bm7→Bm(b6)→BbΔ→Bb6という規則的で非常に美しい進行.しかもメロディは転調している気配がないためポップさが失われていなくて最高.
S: 普通の4拍子に.
A1':
A2:
I2: 4拍子化.諸所に挟まる付点8分x10+8分1個はちゃんと数えないと絶対に崩れると思うので合わせるのクソむずそう.
B:
S': 落ちサビ.
S:
I1': 付点8分再び.
構造だけ見たらいつもの.やってることがエグすぎる.
AG (skit)
構造もクソもねえ.と言いたいところだけど歌がサビに入るところでギターのコードが変わります.そこに構造を見出すかどうかは置いといて.
light in the city
I1→A1→B→A2→S→A1→B→A2→I2→S→A3→I2→I3
I1: A
A1:
B: セクション分けるか迷ったけどコードが変わっているので.
A2:
S:
A1:
B:
A2:
I2:
S:
A3: ここが真のサビと言っても過言ではない.
I2:
I3:
いつもの.シンプルだけど普通に一捻り入れてる感じ.
Azure
I1→A→A'→B→S→A''→I2→B'→C→S→S
I1: A
A:
A':
B:
S:
A'': ベースが遊びまくっててわかりにくいけど違うセクションかも.
I2:
B': アレンジが変わりまくっててわかりにくいけど違うセクションかも.
C:
S:
S:
自由気ままに展開して行ってる感じがある.
FUCK THEM ALL
I1→A→I2→S→A→I2'→I3→S→S'→S''
I1: C
A: ちょくちょくキモコードが入っていて嬉しい.
I2:
S: 結構キモコードが入っていてとても嬉しい.
A:
I2': 変拍子化.FUCK THEM ALL
I3: ギターソロ一部fに#がついていますな.
S:
S':
S'': ミにフラットがついたりつかなかったり…
構造は意外と普通に見えるけど,これぞ変なのって感じの曲.
Source K (skit)
次曲Taipeiのアウトロなのでそういう意味では次曲とセットで構造をなしているとはとれる.
Taipei
I1→A→B→S→A→B→S→S→I1'→I2
I1: A
A:
B:
S:
A: ベースの跳躍すこすこ.
B:
S:
S:
I1':
I2: Dにシームレス転調.
I1'で終わっておけば普通の曲なのにそうはしないのがバンアパスタイル.
bind
I1→A→B→S→A→B→S→I1'→C→I1''→S→I2
I1: F
A:
B:
S: バンアパではかなり珍しい気がする4-3-6(-2)進行をしている.
A:
B:
S:
I1': ギターソロ.
C:
I1'': ギターソロおかわり!?
S: サビ終わりの転調しかけみたいなコードを発展させて本当に転調!
I2: F#フリジアみたいなモードのメタルゾーンに突入!
やっぱ前半は普通なんすよ.後半でめっちゃ遊ぶから普通じゃなくなる.
Rays of Gravity
I→A→B→S→I→A'→B→S→S→S→I'
I: Db
A:
B: Fm7→EM7-5みたいな進行すこ.
S: Fm7→EM7-5(-13)みたいな進行すこすこ.
I: サビ後にインスト挟むのバンアパだとレアな希ガス.
A':
B:
S:
S:
S:
I': with me…
サビが多いくらいしか特に捻りがない.ストレートロック.
Karma Picnic
I→A→B→C→S→A→B→C→D→C'→S→S'
I: A→Dmみたいな進行でなんとも言い難いけどまあAでしょう.
A: メロディがCに行きかけてる
B: Cに行ってしまった
C: Aに行きかけているCみたいな
S: CよりのA
A:
B:
C:
D: 明確なA
C': メロディが違うからどこのセクションか特定するのに時間がかかった.
S:
S': pick me up, drop me down karma just goes round and round…
展開が激しすぎるし調性も全く安定しないのに不思議な聴きやすさをしている.インスト部分がイントロしかないのは初かも.
WHITE
I1→A1→A2→S→A1'→A2'→S'→A3→B→I1
I1: C
A1:
A2:
S: 終わり際のコードよくわからんけどめちゃくちゃ良い.
A1':
A2':
S':
A3:
B:
I1:
変化が激しすぎてなんとも言えない構造になっている.セクションわけこれでいいのかな??
1000 light years
I→A→B→C→I2→A→B→S→C→I2→I3
I: GだけどめっちゃCっぽい
A:
B: サビにしては音が低いのでBにしました.
C: I1にメロディ乗せたもの.
I2: GなはずだけどめっちゃDっぽい.
A:
B:
S: もしかしたらB2扱いがふさわしいかもしれないけど.
C:
I2:
I3: 急にめっちゃ転調するやん.
Stay Up Late
I→A1→A1'→A2→A1→S→A1→A1→S→S→A2→I→A2'
I: D
A1:
A1':
A2:
A1:
S: F Dm11/C→Gm9(13)/Bbみたいな進行めちゃくちゃふわふわしててすこすこ.
A1: D
A1:
S: F
S:
A2: D
I:
A2':
シンプルなんだけどあらかじめ提示しておいたA2が最後に出てきて一回消えたかと思いきや姿を変えて戻ってきたみたいな構成が面白い.
アルバムとしての流れが最高すぎる.日本語に転換するのも頷ける集大成っぷり.
シンプルなものと変なものとがくっきりわかれた感じになりましたね.
街の14景
いつかの
I→A→A→A→A→A→A→A→S→S→S→I→I'
I: A
A:
A: ドラムイン.
A: ギターイン.
A: ベースイン.
A: ロック!
A: 落ち.
A: スネアのクレッシェンド.
S:
S:
S':
I:
I': 次曲へ向けて.
元々は他のアルバムと同じようにインストトラックにする予定だったそうなのでさもありなん.
ノード
I1→A→B→S→A→B→S→I2→I3→C→S→I4
I1: E
A:
B:
S: 短い.
A:
B:
S:
I2: 一気に落ちる.ここの進行好き.
I3: 爆発!
C:
S:
I4:
いつもの構造って感じだけどこんなに落差を設けることはなかった気がする.
仇になっても
I→A→B→S→I→A→B→S→C→S→S→S'
I: EΔとEmを交互に鳴らしてるけどまあEでしょう.
A:
B:
S: 短い.
I: 歌混じりとはいえ間にインストを挟むのやや珍しい気がする.
A:
B: サビ前に追加された2コードすこすこ.
S: リハモすこすこすこすこ.
C:
S: 落ち
S:
S':
驚くほどに普通.サビに挟まれた純粋な(一般に言う)Cメロは初では?しかしコードは全く普通ではないのが流石です.
夜の向こうへ
I1→I1'→A1→A2→S→I1''→A1→A2'→S→I2→C→S'→S→I1'''
I1: Ab
I1':
A1:
A2:
S:
I1'': ギターソロ.
A1:
A2': 掛け合い.
S:
I2: Db
C:
S': Ab 落ちサビ.冒頭のLの鋭いピッキングの再利用嬉しい.
S: 連れて行ってくれ.
I1''': 最後短3度上がるのすこすこ.
普通のポップスの構造をしているのも相まってめちゃくちゃポップ.
12月
I1→A→S1→S2→A→S1→S2→A→S1→S2→B→I1'→S1→S1→S2→S2'→I2
I1: Gb
A:
S1:
S2:
A:
S1:
S2:
B: ファニーなパーカッションが消えたのもあってかエモさがマシマシに.
I1':
S1:
S1: ハモリ追加.
S2:
S2': S1が重なる.こういうの大好き!
I2: まさかのクロスフェード.
いつもの+セクション合体.
AKIRAM
I1→A→S→I1→A→S→I2→B→C→S'→I1'
I1: E
A:
S: 短い.
I1: コーラス追加.
A:
S: 体感半分くらいのコードがノンダイアトニックな音を含んでいる.
I2:
B:
C: 実質S'
S':
I1': テンポダウン.
原さんの中で楽曲構造の型が固まってきたのかなという感じはする.
明日を知らない
I→A→B→S→I→A→B→S→S'→I
I: A
A:
B:
S: 短い.
I:
A:
B:
S:
S':
I: ギターソロみがある.
全く捻りがない.ホッと一息みたいな曲なのでそれでいいんでしょうね.
師走
I1→I2→I3→I2→I3→I4→I3'→I5→I5'
I1: G#m7→GΔっぽい.
I2: Cを主音としてそうなモードへ移行.
I3: 6+6+6+5拍子へ.Gを主音としてそうなモードに.
I2:
I3:
I4: Eを主音としてそうなモードに.
I3': I2をEっぽくしてる感じ.
I5: 6+7+6+8拍子.
I5': リードギターは4+4+5+4+4+6っぽい拍子で演奏してる.
プログレなのでそらそうよ.
泳ぐ針
I1→A→S1→I1→A→S1→S2→I2→B→C→S1'→S1→S2→I1
I1: EΔ→FΔみたいな進行で調性があれですがまあE判定でいいでしょう.
A: メロディだけ聴くとCのようにも聴こえる.
S1: コード進行がGだっつってる.
I1: E?
A:
S1: G
S2:
I2: ドラムソロ.
B: ベースの動きがI1と同じなのもあってか安心感がある.
C:
S1': 落ち
S1:
S2:
I1: E?
1サビが短いのも落ちサビが入るのも見慣れた感がある.当時のトレンドだったんでしょうか.
black
I1→A→B→A→B→S→A→B→I2→I3→S→S→I3'
I1: Aイオニアかドリアかどっちか.
A: C?G?
B: FとDの間をウロウロしている.
A: C?G?
B: F?D?
S: DとFの間をウロウロしている.
A: C?G?
B: F?D?
I2: Bセクションの進行.
I3: Eミクソリディアっぽい.
S: D?F?
S:
I3':
構造はまあバンアパゼミで見たことあるやつ.ずっっっと調性が曖昧ですごい.
ARENNYAで待ってる
I1→A→B→S→A→B→S→C→I1'→S'→S'→S''→I2'
I1: Ab g→gb→f→fbのラインが非常に美しい進行.
A: 3小節目で早くもBあたりに部分転調.
B: E/F#→F#/G#という進行の上でBへ本格的に転調.戻りはIからAへの移行でも提示していたfb→gb→abというベースラインを使って綺麗に戻ります.
S: Abへ戻る.短い.
A:
B: B
S: Ab
C: G/A→DΔ→G/A→DΔ→C#m→F#Δ→BΔ→EΔ→Eb7という進行に乗せてDからF#を経由してBを通りAbに戻るみたいなアクロバティック転調を果たしています.
I1': Ab Waiting in the hermitage…
S': I1'のコーラスが残っている!こういうの大好き!
S':
S'':
I2':
次のアルバムの全曲解説コラムで木暮さんが,原さんの興味が楽曲構造よりもコードやフレーズに向き始めたのかもと書いていましたが,その気配が伺える曲になってる気がしますね.
アウトサイダー
I1→I2→A→S→I1'→A'→I3→B→I2→A→S→I3'→I1
I1: C
I2:
A:
S:
I1': ギターソロ.
A':
I3: またしてもギターソロ.
B:
I2: ここでの再利用はアツい.
A:
S:
I3':
I1:
私いたって普通のポップスですが?みたいな顔しといてちっとも普通じゃない構造をしている曲3.
8月
I1→A→B→S→A→B→S→C→I2→S→S'
I1: G
A:
B: Em7→F9-5→Em7→F9-5→Em7→EbΔみたいな進行すこすこすこすこ.それでいてあくまでメロディはキー=Gを維持しているのも素晴らしい.
S:
A: リズムであそぼ.
B: アルペジオがブリッジミュートになってるのちょっと残念ではある.
S:
C:
I2: シャウト良きかな.
S:
S': シャウトがうっすら聴こえる気がする.
普通です.だがそれがいい!!
outro
キー=E
夜の向こうへ→black→AKIRAM→ノード.1つの進行にいろんなメロディを乗せるための事実上のリハモ,とても好きです.
夜の向こうへが良かったので聴いてみたら他の曲もめちゃくちゃ良くて興奮しまくった1年前を思い出しました.
一部例外を除きだんだん同じような構造に収束してきている感じがします.
謎のオープンワールド
(opening)
よく聴くと次曲のAメロのコード進行になってるっぽいですね.こういうのすこすこ.
笑うDJ
A→B→S1→S2→A→B→S1→S1→S2→I→B→S1→S1→S1'
A: E
B:
S1:
S2:
A:
B:
S1:
S1:
S2:
I: ギターソロ.
B:
S1:
S1:
S1':
シンプル.やはり1サビが短い.
ピルグリム
I1→I2→A→A'→S→I2'→A'→S→I1'→B→S→I2→I2'
I1: Ab
I2:
A:
A':
S: 短い.
I2':
A':
S:
I1': ギターソロ.
B:
S:
I2:
I2':
イントロの再利用とアウトロでのIの回収が素晴らしい.
廃棄CITY
I1→A→S→A→S→I2→S→S'
I1: Bミクソリディアっぽい.
A:
S:
A:
S:
I2:
S:
S':
普通.しかしずっとミクソリディアで通したな.
(save point A)
どの曲のどの部分なのかはよくわからない.前曲にもあるb→aというラインに乗せて次曲の調の構成音であるレシラソを鳴らすことで繋ぎをなめらかにしているのかもしれない.
禁断の宮殿
I1→A→S→I1→A→S→S'→I2→B
I1: 一応G
A: C/D→Baug/C#→CΔ(9,13)→Gadd9/B→C#φ→A#aug/C→Bm7→(Em7→F#m→G?わからん)→G/A→A7→A/B→B7とかいう普通のコードの方が少ない進行.
S: EΔ→CΔ→Am9→C/D→B7とかいうおおよそサビでやるようなもんではない進行でEとGの間をフラフラ.CΔと書いてあるけど実際には5thをomitしていて,その隙間にCにとってのaug5がメロディで入ってきています.ボイシングの妙.
I1:
A:
S:
S':
I2:
B: そうはならんやろみたいな着地.
構造はいつもの.進行は完成の域に差し掛かっています.
殺し屋がいっぱい
I1→A→S→I1'→A→S→I2→B→I3→S→I3
I1: D
A:
S: 短い.
I1': コーラスなんか草.
A:
S:
I2:
B:
I3:
S:
I3:
いつもの.展開の仕方に初期みを感じたり感じなかったりします.
遊覧船
I1→I2→A→I2→A→S→A→I3→S→I2
I1: 本当に何やってるかわからない.Fロクリアとかなのかな?自信が全然ないです.
I2: Ab メトリックモジュレーション!!!!!!!
A: ごく短い.
I2:
A:
S: ブルーノートがえっちですね〜.
A:
I3:
S:
I2: アウトロがやけに長くてギターのリズムもゆらゆらしてるのも相まって船に揺られているみたいな気分になります.
これを変と呼ばずしてなんと呼ぶ.
月と暁
A→S→I1→→A'→S→I2→C→A→S→I1'
A: C 歌始まり!しかもワンコーラスまるっと.
S: あまりサビらしくなくておもろいですね.
I1:
A':
S:
I2:
C:
A:
S:
I1': リズムで遊ぶ.
この予想のつかない展開はやはり初期感がある気がします.
(save point B)
アルバム内での意味づけや他の曲との関連性を無理に見出そうとする必要はないでしょう.
裸足のラストデイ
I1→A1→A1→A2→B1→B2→I2→S→A1→A2→B1→B1→B2→B2→I2→S→S→I3
I1: ベースラインを聴く限り冒頭はEで,その後Bにシーーーームレスに転調.
A1: B
A1:
A2:
B1: ここをサビだと勘違いしてもおかしくない美メロに気違い連呼.流石です.
B2: B1の進行の倍テンっぽい.
I2:
S:
A1:
A2:
B1: メロディとベースだけ聴くとEっぽい気もする.
B1:
B2:
B2:
I2:
S:
S:
I3:
繰り返し回数にこだわりを感じたのでセクションを細かく分割しました.
消える前に
I1→I2→A→B→S→A→B→I1'→S→S→S'→I3
I1: C#ミクソリディアっぽい.
I2: C#
A:
B:
S:
A:
B:
I1': C#ミクソリディア 再利用嬉しい.
S: C#
S:
S':
I3:
いつもの.1サビが分量控えめなのは徹底されている感じがありますね.
最終列車
I1→I2→I3→A→S1→I3'→A→S1→S2→I1→B→S1→S2→S2→I4
I1: B ベースラインがS1になっててとても嬉しい.
I2:
I3:
A:
S1:
I3':
A: リードの音色おもろい.
S1:
S2: リードギターがI2っぽくて嬉しい.
I1:
B:
S1:
S2:
S2:
I4:
1stや2ndの表題曲みたいな空気を構造からも感じます.
(ending)
前曲のアウトロ.エンドロールって感じだ.
とにかくメロディがキャッチー.日本語詞の面白みも存分に出てきました.
ラスサビに向かうにつれサビの分量を増やすという変化を伴いつつ,初期の混沌とした感じも混ぜてみたみたいな感じがしました.
Memories to Go
intro (a broken navigator)
君が大人になってもがこのアルバムに入ってたらいくらなんでもエモがすぎるかなと思うので,制作が間に合わなくてよかったのかもしれない.
ZION TOWN
I1→I2→A→A→B→S→I2→A→B→S→S→I1'→B→S→S→S'
I1: DΔ→Bm9→BbΔ→Gm9→C9みたいなDなのかFなのかわからん進行で開幕.
I2: D
A:
A:
B: Em9→Bbaug/C→Bm7→Am7→Dm9→BbΔ→F/A→Gm7→G/A→C9みたいなDなのかFなのかわからん進行で進行.
S: Bm9→F#aug/G#→Gm7→C9→FΔ→BbΔ→Gsus2/E→G/AみたいなDなのかFなのかわからん進行で一貫.
I2:
A:
B:
S:
S:
I1': 冒頭が戻ってくるの好きです.
B:
S: 落ちサビ.
S:
S':
進行だけでなく構造も原さん印.
Find a Way
I1→A→B→S→I1'→A→B→S→S→I2→C→S→S
I1: D
A:
B:
S:
I1': ギターソロ?
A:
B:
S:
S:
I2: ちょっとメタルっぽい?
C:
S:
S: ここのリードギターすこ.
いつにも増していつもの.
Castaway
I1→A→I1→A→S→A→S→B→S→B→I2
I1: D 静かめの入り.
A:
I1: 爆発
A:
S:
A:
S:
B: 落ち
S:
B: コーラスすこ.
I2:
コードがシンプルな分アレンジで暴れまくる.
KIDS
I1→A→B→S→I2→A→B→I3→S→S'→C
I1: F
A: ミの扱いちょっと旋法感ある.
B: Bb
S:
I2: 2個目のコードすこ.
A: F
B: Bb
I3: メタルチック.
S:
S': Bにラスサビ転調!
C: ギターがI1と同じ動き!
英語詞なのもあってかかなり初期感のある構造.
雨上がりのミラージュ
I1→A→B→S→A→I2→B→S→I3→C→S→S→I1
I1: B
A:
B:
S:
A:
I2: ギターソロ.
B:
S:
I3: 突然のメタルゾーン.
C:
S:
S:
I1:
日本語詞なのもあってかかなり最近感のある構造.でもやっぱ変だよ.
She is my lazy friend
I1→A→S→I1→A'→S→S→I2
I1: C
A:
S:
I1:
A':
S:
S:
I2: ファにシャープがついたりつかなかったりしてる.
シンプルではあるけど,そうはならんやろみたいなアウトロはやっぱり"らしい".
BOOSTER
I1→A→S1→S2→A→S1→I2→S1→S2→I3
I1: G
A:
S1:
S2:
A:
S1:
I2: なんだこのベースラインと思っているうちに転調していた.
S1: A ラスサビ転調といえるのかな…?
S2:
I3: 転拍子に加えて調性のようわからんギター.やってんな.
やっぱり英語詞だからなのか初期の香りがします.
Super High
I1→A→I1→A→S→I1→A→S→B→I2
I1: Bb
A:
I1:
A:
S: 転拍子.もし日本語詞だったら多分一回り短かったと思うんだよね〜.
I1:
A:
S:
B:
I2: 転拍子に次ぐ転拍子.
これをいつものと感じられるほど慣れきってしまったのが悔やまれる変っぷり.
お祭りの日(LIC2.1)
A1→A2→I→A1→A2→S→A1'→A2→S→S→B→S→S'
A1: B
A2:
I:
A1: 歌詞ほんと草.
A2:
S:
A1':
A2:
S: 1サビとギターのエフェクトが違います.
S: 1サビと同じ.
B:
S: 落ちサビ.
S':
日本語詞だからなのか,最近の構造の感じがします.
38月62日
I→A→B→S→I→A→B→S→C→B→S→S→S'→C
I: G#φ→Gm6→DΔadd11→DΔ→E7/G#→Gm7→DΔadd11→DΔとかいうFよりのDみたいな,およそイントロでやるものではない進行.
A:
B: GΔ→Daug/C→Bm7→E9みたいなDであることを疑わざるを得ない進行.
S: Em9→Bb/C→Bm7→F#aug7/G#→Gadd9→D/F#→Em7→D/F#→Gadd9→A7sus4→Bsus4/C#→C9→Bm7→Dm9→Em7→D/F#→Gadd9→A7sus4とかいう何食ったら作れるのか皆目見当もつかない激ヤバ進行.それでいて難しく聴こえずにあくまでポップなのが本当に何よりもすごい.
I:
A:
B: リードギターが1Bよりも面白いことやってる.
S:
S:
C: G#φ→Gm6→F#7→Bm9→E7/G#→Gm7→G/A→DΔというIのダイジェストみたいな進行.
B:
S: ちょっと落ちて盛り上げる.
S:
S':
C:
原さんの中では1サビと2Aの間にIを入れることが普通になってきた感じがあります.
集大成って感じですね.最初に好きになったアルバムです.
初期と最近の感じのバランスが本当に絶妙に取れていることが構造からも窺えるような気がします.
ここでちょっと脱線してベストアルバム収録曲について軽く触れたいと思います.なぜかって触れたいからに決まってんだろ!
まず茶番はI1→I2→A→S→I2'→A→S→I1→S'→S→I3→Bみたいな感じで,なんというかとても"らしい"構造になっています.
Flower ToneはI1→A→A→B→S→I2→A→B→B→C→S'→S''→I3みたいな感じで,I1の進行がCでリプライズされていてすこすこです.珍しくラスサビ転調を2回もやります.'をつけていないですが歌い回しも当然のように変えてきます.
君が大人になってもはI1→I2→A→B→A→B→S→I1→I3→S→S→Sみたいな感じで,I1がCΔ→Ab/Bb→EbΔ→B/C#→F#Δ→D/E→AΔ→F/Gみたいな規則的な進行になっててすこすこです.I3でメトリックモジュレーションしてますね.1サビ前のG#oaddb13みたいなコードやI3終わりのG#oaddb13→Am7→Bb9→G#oaddb13みたいな進行にも癖を感じます.
Ninja of Four
夏休みはもう終わりかい
I1→I2→A→A→B→S→I2→A→B→S→C→S→I1'→I3
I1: 君が大人になってものイントロがAΔ→F#aug/G#→BΔ→Abaug/Bb→DbΔ→Bbaug/C→EbΔ→Caug/Dみたいな感じでより複雑になって新登場!
I2: A
A:
A:
B: サビっぽさのある美メロ.
S:
I2:
A:
B:
S:
C: Cに転調したかと思いきやEbへ行きさらにF#を通ってAに戻るという非常にアクロバティックでかつ整合性のある美しい転調.
S:
I1': 転拍子.
I3: 次曲への繋ぎなんだけど,宿題やってない焦りみたいに言われてるのをどっかで見て吹いた記憶.
ラスサビまでは本当に(あくまで構造だけ見れば)普通なんですよ.絶対最後に遊ぶから.
The Ninja
I1→I2→A→B→S→A→B→S→I2→I3→S→S→I2→I4
I1: FΔ/Bb→Cadd9みたいな動き.
I2: C ブッコムって何
A:
B: Aに転調しかけている.
S: C
A:
B: C?A?
S:
I2:
I3: 前半のベースの動きはI1と似ていますね.終わり際のF→C→Db6好き.
S:
S:
I2:
I4:
英語詞期と日本語詞期のブレンド路線が続いているみたいな構造.
アイスピック
I1→A→S→A→S1→S2→I2→B→S1→S1→S2→I2'
I1: C
A:
S1:
A:
S1:
S2: リハモ大好き!
I2:
B:
S1: 落ち
S1:
S2:
I2':
日本語詞期のターンって感じ.
オーバー ザ トップ
I1→A→S→A→S→S→I2→S→S
I1: G
A:
S:
A: コーラスよきかな.
S:
S:
I2: ドラムがプチメトリックモジュレーションで遊んでる
S:
S:
びっくりするくらい普通.
キエル
I1→A→I1→A→S→I1→A→S→I1→B→I2
I1: Eミクソリディアかな.
A:
I1:
A: オクターブ上がった!
S: E
I1: Eミクソリディア
A: ギターが遊び出した.
S: E
I1: Eミクソリディア
B: C#フリジアみたいな様相を呈してきたな.
I2:
罷り間違っても普通ではないがかといってバンアパっぽいわけでもない変な構造.
SAQAVA
I→A→S1→S2→A→S1→B→I'→S1→S2→S2
I: AbからFへ.イントロからなかなか忙しい.
A:
S1: Ab コーラスよきかな.
S2:
A: F
S1: Ab
B:
I': 転調すると見せかけてせんのかい!ハーモニーの扱いが美味い〜.
S1:
S2:
S2:
シンプルですが工夫がないとは言わせない作り.
酩酊花火
I1→I2→A→S→I2→A→S→B→I3→I1
I1: F
I2: C
A:
S: サビの冒頭がFΔ→Abaug/Bb→Am9→Bb/C→F#9-5みたいな感じでこの時点でかなりすごいんだけどその後Fm9→Ab/Bb→CΔ→Gm7→F#9-5みたいな感じで進行していて,頭2つのコードを同じルートに揃えながら部分転調しているのが素晴らしい.さらにその後もC7(-9)→A7(-9)→Dm9-5→G9sus4みたいなリハモをかましていて最高.
I2: リズムの途切れ面白い.
A:
S:
B:
I3: 酩酊してよくわからないモードへ.
I1: F
ラスサビ後に予想不可能な方向へ進んでどうなることかとハラハラさせたところで冒頭のセクションを回収して見事に着地.
bruises
I→A→B→S→I'→A→S→S'
I: D
A:
B: イントロのギターリフに歌を乗せてて良い.
S: ギターリフがサビ本体.
I': ギターソロ.
A:
S:
S':
記号の並びを見ているとまあそこまで変ではないという感じだけど,実際に曲を聴くともうそんな感想は抱けない.変です.
夕闇通り探検隊
I1→A→I1→A→I2→S1→I1→A→I3→I2→S1→S2→S2'
I1: E
A:
I1:
A:
I2:
S1:
I1:
A:
I3: ギターソロ.
I2:
S1:
S2:
S2': サビの進行にI1のコーラスを乗せています.こういうの大好き!さらに,ベースとドラムがなくなった後だと特にわかりやすいですが,セクションの最後にリハモします.こういうの本当に大好き!!!!
コーラスを最大限に活かしたイカした構造.
レクイエム
I1→A→I1'→A→B→S→I''→A→B'→S→S'→C→I1'''
I1: G 全っ然鎮魂歌っぽくないバカっぽさが良いですね.
A:
I1':
A:
B:
S:
I1'': 様子が変わった.
A:
B': 戻った.
S:
S':
C: 進行はBと同じ.
I1''': 寂しさを含んだような落ち着きを見せながらもやがて最初の明るさに戻ってフェードアウト… めっっっっちゃ良い構成.
今まで名前に反した素っ頓狂で変な曲やな〜くらいの感じで聴いていましたが,改めて構造に注意しながら聴くとめちゃくちゃアレンジが良いことに気づきました.やってよかった.
バンド=レストラン,曲=料理という木暮さんのnoteの表現を踏まえるなら,ここまで美味しい曲を作り続けてきていただいて,本当にありがとうございます.
20周年の振り返りを終えて新しい境地を切り拓き始めたという様子が構造にも滲み出ている感じはします.
考察
何かしらの対象の特徴を考えるにあたって,その比較対象が必要になるわけですよね.今回のように普通じゃない,変だと思っている対象を相手にするならば比較対象はできるだけ普通であってほしい.ところが普通の定義って意外と難しくて,この世に存在する全ての曲を集計して平均したりするとまあ普通って客観的に呼べると思うんですけど,それは人間にはもはや無理なので,ここから先は筆者の主観が入りますことを申し上げておきます.まあここまでの文章もそうだったし問題ないね.
普通のポップスの構造っておそらく(I→)A→(B→)S→I→A→(B→)S→IorC→S(→I)みたいな感じなのかなと思っています.もちろん時代やジャンルによっても変わってくるとは思いますが.最近だとサビ始まりパターンも多そうな印象だったり,間奏が切り詰められている印象だったりがあります.ギターソロを飛ばす若者が〜タイパが〜云々みたいな話もありますよね.
対するバンアパは,いきなり歌で始まることがまず少なく,間奏もふんだんに入っている様子が見られます.周りのことを特に気にせずに彼らの好きな音楽を好きなようにやっているという姿勢が,そのまま楽曲構造にも表れている感じがあります.あとは,(最近の原さんの監督曲を除けば)Sの後にすぐAがくることが多い印象があったり,2サビ後にストレートにラスサビに入らずに何かしらの捻りをぶちこんでくる感じがあります.
盛り上げのために普通のポップスでよく行われるラスサビ転調はほとんどやっていないという状況です.ただし,全くやっていないわけでもなくて,どうせやるなら面白いやり方でやったれみたいな心構えを感じます.転調自体はかなり行われていて,特に完全4度の転調が多い印象があります.クラシックだとよくある転調なんですけどポップスだと地味だからかあまり見かけないので面白いです.短3度を行ったり来たりしまくるタイプの,わけわからんペースで部分転調する曲もかなりある印象を受けました.
以上を踏まえてバンアパっぽい構造を考えると大体
I1→I2→A→(B→)S→A→(B→)S→I3→(C→)S→S'(→I4)みたいな感じになると思われます.バンアパっぽい曲を作りたい方はこれを参考にするとバンアパっぽさが当社比5%くらいは確保できるのではないかと思われます.こうしてみると普通の構造と比べてさほど変という感じはしませんね.ここでいうI3とかCとかI4でいかに変なことをするかがおそらく重要で,そうはならんやろみたいな面白いアイデアをぶちこめたら,っぽさをさらに10%くらいゲットできるかも.
ここまで散々変だという話をしてきたわけですが,それ以上に大事なことがあります.バンアパの曲は確かに変だけど,それを感じさせないポップさを兼ね備えていることに何よりも価値があるんですね.みんな知ってたとは思うけども.でも曲を作る際にはそこを決して忘れないようにはしたいですね〜.
まとめ
考察という見出しで「〜と思います」「感じます」「印象を受けます」という述語を連発するカスの卒論みたいな文章になりました.とはいえある程度の分量の楽曲に対して統一的にそこそこの分析ができたという点でこの記事には価値があるんじゃないかと思われます.また思ってしまった.
今回の記事では楽曲構造という音楽のごくわずかな側面に注目してバンアパの音楽の面白さについてくっちゃべってきました.バンアパの音楽には楽曲構造以外にも様々な面白ポインツがあること請け合いですので,根性のある方は是非彼らの楽曲の魅力を分析して,noteにでも投稿してください.お願いします.誰が監督したかによってもかなり特徴が出ているのでその辺を触ってみても面白そうです.私自身も新たに気づいたことがあればなんぼでも追記したいと思っております.
謝辞
本当に素晴らしい楽曲を作り続けていただいて,ありがとうございました.
タイムリーなことにapple musicが今年の音楽の振り返りみたいなやつを提示してくれているので見てみたら,バンアパの総再生時間が14,019分でした(ちなみに次点が4,761分のミスチルと4,034分のtricotでした.).来年以降も聴き狂う予定ですので,どうぞこれからも末永くおもしれ〜変な曲を作り続けてください.よろしくお願いします.
参考文献
最終閲覧は全部2024/12/5です.