![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29137224/rectangle_large_type_2_c747d4b2815c72a85b32933afbfe521b.jpg?width=1200)
200527_ADAM at『零(ゼロ)』
ゼロから楽しむピアノインスト
静岡県浜松市在住のピアノインストバンドADAM atに出会ったのは昨年、とある夏祭りでのこと。鍵盤から弾きだす音色と一体化するように、自らを揺らし跳ね上がるキーボーディスト玉田さんの姿と、踊れるジャズポップの顔ぶれ。クラシカルな演奏をイメージしていたが、わずかな時間で軽々と覆される。メロディのみから感じるパワーで観客が声を上げるライブも新鮮。とは言え歌モノに慣れ親しんできた自分には、別世界を眺めているようなシーンだった。月日は流れて訪れたコロナ禍。多くのアーティストが苦心するツイートが散見した中にADAM atもいた。音楽と地域を愛しながら支援活動をする様子を見て、インストバンドのCDを初めて手にする決心がついた。タイトル読みが「ゼロ」ということもあり、このジャンルへの一歩を促されたような気もしたのだ。特に<Town Still Turns>のサビリフの軽やかさは心地が良くお気に入り。 クリスマス定番 “ジングルベル”のフレーズを用いた曲もあり、途端に親近感。自分のように「詞がないバンドデビュー」をしたい方におすすめだ。いまADAM atの音楽は、昨夏と同様、想像よりずっとアクティブに自分の部屋を駆け回っている。