静かに溺れる
なんだか小説のタイトルのようだけど、リアルに怖い話です。
なにかというと【溺水】について。
夏になって海や川にお出かけする機会も増え、溺水に対する意識が高まる時期かと思います。
実際は、年中起こるこどもの死因上位の【溺水】を今回は取り上げます。
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本日の内容
・第2位!!
・気づいたら溺れてた
・静かに溺れる
・溺死は防げる
・とにかく引き上げろ!
・備えあれば患いなし
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〈第2位!!〉
初めに知ってほしい事実があります。
年齢別の死因です。
乳児~学童のこどもの死因で『不慮の事故』が上位にあります。
0歳はやはり出生時の異常が上位を占める結果ですが、それでも不慮の事故が4位です。
不慮の事故の中でも、交通事故に次いで多い死因が『溺水』です。
「海とか川ってそんなに危険なの?」と思われた方いませんか?
いやいや、『溺水』いわゆる水に溺れるというのは年中起こります。
しかも家庭内で起こるものがほとんどです!
それでは詳しくお話します。
〈気づいたら溺れてた〉
日本は浴槽文化があります。
それがゆえに溺水の危険性も高まります。
着替えを取りに行った一瞬、親が洗髪している一瞬で
「気づいたら溺れてた」という状況になりえるのです。
こどもは重心が高く頭から転落しやすい。
そのため、洗い場の床と浴槽の縁の高さが50cm未満の場合は、溺水の可能性が高くなります。
最悪、少し水の入った洗面器でも溺死する可能性はある。
鼻と口を覆うだけの水があれば十分なのです。
さらに、温かいお湯は冷たい水よりも死亡・後遺症を残すリスクが30倍!
かつ、溺れている時間が5分を超えると脳に後遺症を残しやすいといわれている。
以上の点から、溺れた場合はいかに引き上げるかが勝負になる。
〈静かに溺れる〉
ここが一番怖い話。
『溺れる』といえば「助けてー!!!」と声をあげ、暴れて手足をバシャバシャするイメージがありますよね。
実は、あれ大嘘。
実際は、静かに溺れていきます。
溺れる人は呼吸をすることで精いっぱいで声もでなけりゃ
手を振って助けを呼ぶ余裕もない。
それを”本能的溺水反応”と呼ぶのだそう。
こどものほとんどは『何が起こってるのかわからない』間に溺れていってしまう。
しかし、大人も同じ。
全く泳げないカナヅチの人はこの状況がイメージしやすいかもしれませんね。
〈溺死は防げる〉
一番大事なのは、目を離さないこと。
ここで少し、私の実体験を話したいと思います。
私も幼少期2回溺れた経験があります。
1回目はそれこそ家の”お風呂”。
ひとつ上の姉と母との入浴中。
身体を洗うために洗い場で浴槽の縁に立っていた私はおそらく1歳ぐらい。
母が一瞬目を離した一瞬で”ドボン!”
音に反応して、母はすぐさま足から引っ張り上げたそう。
2回目は家族5人で川にキャンプに行った時のこと。
父は準備で荷物を運んでいる最中。
生後半年の弟を抱いた母と、一人で遊ぶ3歳の姉。
浅瀬で浮き輪に乗った2歳の私。
浮き輪に対してまだ小さかった私は、一瞬のすきに浮き輪から抜けて水の中へ。
真横にいた母が気づいて残った手を引っ張り上げた。
弟を抱きながら私を引っ張りあげた母はびしょ濡れになったそう。
母曰く「わたし気小っちゃいから怖くて離れられんかったから横でいたんよ」とのこと。
そのおかげで私は今こうして呑気に記事を書いていられる。
聞いてみたらやっぱり「静かに溺れていった」らしい。
溺れたけど助かったのは目を離さなかったことが大きいと思う。
私の話が長くなったけれど、詳しく予防策をお伝えしよう。
①入浴後は必ずすぐにお湯を抜くこと
(これからの時期ビニールプールも使うと思うが、終わったら毎回すぐ水は抜く)
②浴槽のふたは厚くて堅いものを使用する
③こどもが勝手に浴室に入れないように外に鍵をつける
④小さなこどもだけの入浴はさせない
⑤大人の洗髪中は浴槽から洗い場に出す(その間もできるだけ目を離さない)
⑥洗濯機やトイレのふたも必ず閉める
以上が具体的な予防策です。
〈とにかく引き上げろ!〉
おそらく言わなくてもそうするだろうが、一刻も早く引き上げること!
まずはそこから。
そのあとの対応は
①平らな場所に寝かせる
②意識があるか確認
③意識がなければ人を呼ぶ(救急要請も)
※もしもに備えAEDも用意
④すぐさま人工呼吸をおこなう
(溺水は水没による呼吸障害。そのためまずは人工呼吸を開始する)
⇒人工呼吸(2回ほど)だけで反応する場合もある(嘔吐物注意)
⑤それでも反応がない場合は、胸骨圧迫と人工呼吸を続ける
(救急隊が来るまで人工呼吸2回→胸骨圧迫30回を繰り返す)
途中こどもが泣いたら一安心!
嘔吐(水を吐き出す等)が見られた際は、すぐに顔を体ごと横向きにし、すべて吐き出させる。
緊急時の対応は時間との勝負です。
もしもに備えて、しっかり頭に叩き込んでおきましょう。
くれぐれもパニックになって、ただ立ち尽くす…なんてことのないように!!
〈備えあれば患いなし〉
溺水に限った話ではありませんが
「気を付けてるから大丈夫♪」が命取りになります。
車の教習所で「”だろう運転”ではなく、”かもしれない運転”しなさい」と
教習所で教官に言われましたよね。
溺水も車の運転と同じです。
交通事故や溺水などの事故も、大人になってからの病気も、
はたまた離婚や浮気問題も、新型コロナ感染も…
全て他人事ではありません。
「大丈夫♪」なんて保障どこにもないですから。
一瞬の油断が、一生の後悔を生みます。
常に警戒しろ!なんて鬼のようなことは言いません。
ただ、常に危険は隣りあわせなのだということを意識して
いつでも対応できるように備えておきたいですね^^
〈参考〉
今回『教えて!ドクター』のサイトを参考に作成させてもらってます。
「乳幼児は静かに溺れます」と題して、主に入浴時の乳幼児の溺水事故を防止するための啓発活動をされてます。
サイトの溺水のフライヤーがイラスト入りでとても分かりやすいです。
イラストが描けるって、伝わりやすくていいな。
気になる方は下記から見てみてください👇
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YouTubeのチャンネルでも保育や育児に関する情報発信を行っております。
下記のURLから見てみてください↓↓↓