企業の売り上げが伸びないのはなぜか?(刀 森岡毅さん/モーサテ20230818)
日本の売り上げが30年伸びておらず、GDPが停滞している。成長鈍化の要因として、従来のビジネスモデルが通用しなくなった、原材料の高騰、法整備の変化、為替など外部環境の変化のせいだと経営者はよく言う。これって本当か?
外部環境が変わることは以前から分かっていること。例えば、食を例に例えると、時代やテクノロジーの進化で消費者の嗜好も変化しており、その変化にソリューションや選択肢を変えなければならない。
つまり、成長鈍化は外部環境ではなく、企業の内側の問題だと考えるべき。外部環境は1社では変えることが困難であり、希望が湧かない。自分たちの企業の内側であれば変えられるのでは?
自己変革する能力がない自分たちの問題だと、ベクトルを自分に向けて考えることから始めなければならない。
自己変革すべき革新は、売り上げを伸ばし続ける構造を作ること。売り上げとブランド力は相関するからだ。
2011年を100とした際、企業ブランドの価値がどれだけ伸長したかを見ると、グローバルに比べて、日本は伸び率は低く、ブランド力に伸び悩んでいる。
これがGDPの停滞や売り上げの停滞と直結する課題と考える。
つまり、売り上げを伸ばし続けられるよう、ブランドを作る能力を身につければ、外部環境の変化にアジャストして、消費者のニーズを時代と共に捉え続けることができる。
縮小するマーケットで戦っている経営者は、どうすべきか?
価値を見直すことが大切。例えば、既存のカテゴリーで満たすべき価値が生まれてないのであれば、自分たちの会社の強みを生かしながら、新カテゴリーちチャレンジするのもあり。
人は製品の話ばかりする。想像しやすいし、話しやすいから。そうではなく、我々はどういう価値を市場に提供してきたのか、価値をどう定義するかで、いかようにも変わることができる。
その定義の仕方により、企業の活動エリアは今と全く違う領域が見えてくるかもしれない。
つまり、自分たちが提供している価値の根源は何か、今後どんな価値を提供すべきを見直すことが重要だと考える。
どう言う価値を満たせば、消費者を喜ばせ、売り上げを上げ続けられるかという議論をせずに、新商品のアイデアを募集という打ち手を探しに行く企業が多い。
そうではなく、こういう価値で、新しい戦略を作成すると決めてから、価値を実現する商品アイデアを募集すれば、クオリティーが上がる。
価値を決めずに、360度から募集しても、良いアイデアは生まれるはずがない。
商品アイデアは戦術にすぎないため、戦略を議論すべきだと考える。