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アメリカ利下げ開始後、長期金利はどう動く?(オールニッポンAM 森田長太郎氏/Morning satellite Sep,2024)

アメリカ利下げ開始後、長期金利の行方について解説する。

通常であれば、利下げが始まると長期金利低下と想像出来るが、過去を振り返ると様々なパターンがある。

最初に、2000年代を見ていくと、3回利下げ局面があり、開始後すぐに長期金利が下がったのは、2007年のサブプライムの問題、その後リーマン危機に至った時である。それ以外の2回は、早期に下がらず、時間をかけて最終的に約1%低下した。つまり経済状態により様々なパターンがあることが分かる。

次に、1980-1990年代を見ていくと、特徴的なのは95年と98年であり、利下げ開始直後にほとんど下がらず、98年では逆に長期金利が上昇した。理由して考えられるのは、利下げは開始したもののリセッションに至らなかったことが考えられる。

ただ、1980年代は89年を除き、リセッションに至らなかったものの、金利水準が高かったことから、長期金利の利下げ幅が大きかった。つまり、リセッションに至らず、金利上昇幅が大きくなければ、上昇もしくは維持する可能性があるということである。

次に、1970-80年代を見ていくと、利下げ開始後、長期金利は上昇した。特に70年代はインフレ期待が強く、利下げを開始するとインフレを高めるリスクが警戒されていた。つまり、現在のコロナ後の利下げ局面と似通った状況である。

最後に、1965年から現在までの政策金利と長期金利の推移を見ていくと、1980年までは利下げ開始後、金利は上昇するトレンドであったが、それ以降は逆の下降トレンドとなっている。特に2010年代、リーマンショック後、インフレ期待が低下し、目標の2%に届かないリスクが懸念され、政策金利をゼロまで下げた。つまり、現在とは逆の状況であるため、今回は利下げ開始=長期金利低下ではく、金利上昇する可能性も考えられる。

今後の予測としては、FF金利は3%後半から4%で推移するとの想定から、長期金利は、3%半ばに留まり、大きく下げないと考えている。

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