高成長を続けるインド株の原動力とは?(ピクテ・ジャパン 田中純平氏/モーサテ20230824)
過去20年間のMSCI株価指数を見てみると、米国株は約6倍のところ、インド株は18倍であり、今年7月には最高値を付けた。理由としては、急激な人口成長と高い収益性(ROE)の二つが挙げられる。
人口成長については、2023年インドは中国を逆転する見込みである。理由としては、中国は少子高齢化により本年より人口減少し、インドは2063年まで増加するという予測が要因。
ROEについては、主要株価指数を各国と比較すると、インドは米国株の次に高い。
理由は、インドは他の新興国と違い、民事主義国家であり、株主価値を重要視する経営が行われていることが要因と言われている。また、株価指数の業種別の構成費を見ると、ROEが高いITや金融のウェイトが高いことが、インド株のROEを押し上げてるとも言われている。
インド株の好調さを牽引しているのは以下の4会社が代表的である。
HDFCバンク
インド最大の民間銀行、住宅ローン普及率が対GDP比で11%とまだまだ低い
インフォシス
ITサービス企業、インドのITサービスは安い人件費、高い英語力、豊富な理数系人材が魅力
マルチ・スズキ
自動車メーカー、スズキの子会社
インドの新車販売台数が日本を抜き、世界第3位となった。一方、1世帯あたりの自動車普及率は8.5%と低い。
トレント・ファーマシューティカルズ
ジェネリック医薬品企業、インドはジェネリックの世界シェア20%を占めている。
企業業績の見通しも良好である。
EPS成長率について、2024年も2桁台を想定されている。
インド株の市場予想PERは、米株式のように2022年低下せず、高水準を維持している。
理由としては、アメリカはインフレのターゲットであるPCE 2%を大きく上回ったが、インドのCPIはインフレ目標値である4%±2%に概ね収まっており、FRBと比較すると、半分程度の利上げになる。
今後、金融政策は穏やかになり、2024年より利下げ転換を想定されている。
インドは新興国株であるため、リスクが高いため、ETFや投資信託を推奨している。
エルニーニョ現象(気候変動/海面水温の上昇)が生じると、2023年予測されているため、インド株にとって逆風になる可能性も考えられる。
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