人工知能も人も知らない情報からは考えられないのは同じという話 - シンギュラリティに備えるDXの考え方
人工知能にはないが、人には経験やカンやそれによる創造性があるなどという間違った認識が広まっていると思います。
しかし、経験もカンも創造性も、人の脳が処理して記憶したデジタル化されていない情報があるだけの話であって、情報がデジタル化されれば人工知能にできないことではありません。
人工知能が得られている情報は人より少ない
現時点では、人工知能が得られる情報は、人の生活のそれよりも圧倒的に少ないと言えます。
それは、データの量の話ではなく、データの種類の話です。
これは、なぜかというと、現時点では、人工知能自体に、多様な情報入力を効率よく自動で処理するキャパシティが不足していることに加えて、人間の五感に相当する入力デバイスがまだ普及できるだけの状態になっていないことが原因です。
人間も知らないことからは創造できない
人間の創造は、無から創造する神の天地創造神話のようなものではありません。
存在する知識や事象を語感を通じて捉え、組み合わせて考えていった結果、今までになかった組み合わせが今までになかったものを作り上げる。
ミクロであれマクロであれ人による創造は組み合わせて加工することが根本原理です。
組み合わせて加工すること自体は、情報さえあればコンピュータにだって出来ます。
現時点でコンピュータになく、我々が将来的にコンピュータが持つであろうと想像し難いのは、欲望と意思です。
シンギュラリティ2045年にはどうなるか
人工知能が人間を超えると言われているシンギュラリティは、2045年であると予想されています。
人間を超えるというのは、多様な情報取得手段と処理能力の獲得です。
人工知能の進化と入出力デバイスの進化により、多様な形式のデータの柔軟に対応できるようになれば、現時点でも形式化されたデータであれば人間より大量データを処理できる人工知能に、カンや経験という領域でも、創造という領域でも叶うわけはないのです。
人工知能にないのは欲求と欲望
人工知能には、自分の暮らし、自分たちの暮らし、社会がどうしたら良くなるかという欲求・欲望はありません。
シンギュラリティに向けた働き方で重要なことは、「こうすれば皆にとって良くなる、こうしたい」という欲求・欲望を共有し形作っていける力に他なりません。
なんでも人工知能ができるからこそ、どう変えたいか、どう変えるのが良いかを「人間」がしっかり意識共有し、議論し、結論づけていかなければならないのです。
あくまで個人の欲求ではなく、集団の要望、社会の要望にいかに沿って取りまとめていくかということは人工知能社会にとってとても重要なことです。
そのためは社会でも組織内でも、単なる多数決や議会制の「民主主義」を超えた新しいやり方の模索が求められます
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