ヒナゲシに砌と騙る万愚節 我が時も彼の虚事ならば
下の句が欲しかったのでつけた。
ひなげしに みぎりとかたる ばんぐせつ わがときもかの そらごとならば
ナガミヒナゲシを早々咲かせているエイプリルフールよ。
私の生まれて此の方をも、お前が騙しているのならば、
いい加減ネタばらしをしてはくれないか。
上の句だけなら、「エイプリルフールのやつ、誕生祝いに好きな花咲かせてくれるとか結構いいやつじゃん」的なほのぼので終わるんだけどさ。
「ついでにこの半生にも "はいウソー! やーいだまされてやんのー!" って言ってくれねえかなあ」みたいな私欲を抱いててな。
実際嘘なんだよ。私の予定日は4月23日だったんだ。そこを3週間も早く生まれてきてしまってな。
私もまた、エイプリルフールに砌を騙られたんだ。
おかげで小児科に通い詰めだわ学年で一番年下だわ背の順前から3番目だわ体育の成績は万年3だわマラソン大会は地獄だわ自転車通学で力尽きるわ……閑話休題。
だから、今22歳ってのも嘘。
だから、今までの年月も嘘。
だって、今日生まれたのは嘘だから。
……ってことにならねえかなあ——!(大の字
という感情を込めるために、『我が時も彼の虚事ならば』は、
(ナガミヒナゲシを早々咲かせたように)
「私の生まれ時も、お前が前倒ししたのだから」と、
(ナガミヒナゲシに花期と嘘つくように)
「私の半生も、お前の嘘であればよかったのに」
とでダブルミーニン。超頑張った。誰か褒めて。
要は、このグッダグダ半生を全部エイプリルフールのせいにし、身勝手に詰りたいのだ、私は。
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