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おはぎ、ぼたもち、彼岸花

おはぎとぼたもち。おはぎは秋に、ぼたもちは春に食べるもち米をあんこで丸く包んだ和菓子です。
秋のお彼岸なので、私もおはぎをいただきました。ころんと丸い、粒あんのおはぎでした。

調べてみると、一部の地域では、萩と牡丹の花の大きさの違いから、おはぎは細めに、ぼたもちは大きく丸く作られることがあるそうで、確かにコロンと丸いもの、細長いもの、どちらも見たり食べたりした記憶があります。

私が今回食べたおはぎは、ころんとまんまるの粒あんのおはぎ。大きさは比較的小ぶりでした。混合バージョンかしら。
粒あんのおはぎと黄粉のおはぎのセットもありました。そこのお店の黄粉のおはぎは餅だねの中に粒あんが入っています。私は黄粉も好き。

秋になると何度でも食べたくなるおはぎ。濃いお茶をいれて一息つきながら、秋の計画を立てるのもまたいいものです。

そんなことを考えながらの帰り道、ふと見るとあぜ道に彼岸花が咲いていました。

一般的には彼岸花と呼ばれるこの花は、地域によって「死人花」とか「地獄花」と呼ばれたりします。
あぜ道にたくさん植えられているのは、彼岸花には球根部分に「リコリン」という毒が含まれているからです。モグラやネズミなどの害獣を遠ざけるために植えられているのです。

お墓や神社の裏などにも見かけることがあります。先祖供養をするお彼岸の頃に咲くため、自然に「死」や「先祖供養」と結びつくようになったのでしょう。
また、仏教では彼岸花は曼殊沙華と呼ばれます。これはサンスクリット語で「天界に咲く花」という意味です。仏教では曼殊沙華は吉凶の象徴とされていて、幸運の前触れとして描かれています。
そのため、仏教の影響を受けた文化の地では、この花は神聖な花としてとらえられています。神秘を感じる所以なのかもしれません。

そろそろ私の暮らす街にも彼岸花が咲く季節になったんだな、そう思ったら私の好きなあの場所に彼岸花が咲いているのか、見に行きたくなりました。

てくてく歩いていくと、公園の周りに真っ赤な彼岸花、咲いていました。

公園には高校生カップル。早くお家に帰りなさーい。
明日か明後日にはきれいに咲くかな。

ワクワクしながら角を曲がると、彼岸花はまだ、咲いていませんでした。一輪だけ、すくっと立ち上がって大輪の花を咲かせていました。まるで秋の訪れを宣言しているかのようです。

錆びたガードレール沿いに最初の一輪。

このガードレール沿いにずっと、彼岸花が咲くのが圧巻です。数年前に撮影したこの日は、私の記憶では小雨が上がったばかりだったような。

数年前の同じ場所。

彼岸花は夏の間は地中の球根で休眠状態になります。土壌が過度に乾燥すると、花が十分に育たない可能性があるので今年は少し心配です。
秋になって雨が降ると開花が促進されるそうなので、このところの雨で一気に咲き始めるかもしれません。

いつだったか、神社の裏庭に思いがけず彼岸花が一面に咲いているのを見たことがあります。あまりの美しさに立ち尽くしましたが、あっという間に蚊の集中攻撃を受けてしまいました。
慌てて逃げたので写真を撮れなかったのが一生の不覚。試しにAIでイラストを作成してみましたが、似ているようで遠い。遠いけれど確かにこんな風に赤と白の彼岸花が日陰の緑に浮かび上がるようで本当に美しかった。

いつかまた、あの場所へ行ってみたい。

AIで作成した「裏庭の彼岸花」

コロンと丸いおはぎと赤や白の彼岸花。私にはどちらも今しばらく堪能したい、秋。


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