「侵入思考」への対処法
「Rachmanら(1978)は,健常者の84%がこういった思考を体験していることを明らかにしています。」
https://www.urawa-suzunoki.net/mentalhealth-penetration/
どれぐらいの規模の調査結果かはわからないけれど、この言葉は意外だった。そうか、そんな珍しい事ではなかったのか。
私は小学校高学年の頃に、思ってもいない言葉が突然思い浮かんで苦悩する状況になった。暴力的な事など、当時の私から見てタブー視している言葉が思い浮かぶ。気になる。気にするとまた出てくる。脳の中で言葉が思い浮かびやすいタイプなのか、なぜなのかわからないが出てくる。社会人になってから、たまたまネットで、こういう状況を「侵入思考」と呼ぶのだと知った。
当時の私は最初、母に「こんなことが思い浮かんでしまったのだけれど、おかしくないだろうか」と尋ねたりしていた。何度も尋ねられて母が困っていた。「そんなことをしていたら、大きくなってから、近所の人にそんなことを話して、おかしいと思われてしまう」と言われた。でも、思い浮かんでしまう言葉を、自分でどうする事もできないでいた。
でもその内に、良い対処法を見つけた。「今何か思い浮かんだかもしれないけど気にしない」と唱えるのだ。この言葉を頭の中で唱えれば、何かが思い浮かんでも気にしないでいられることに気付いた。この言葉のおかげで、その後いつのまにか侵入思考は現れなくなった。
後に再び、大学受験の時期に現れた。その時は、あまりに侵入思考が多くなって、「このままでは自分の考えが、思ってもいない言葉に乗っ取られてしまいそうだ」と苦悩した。後で思えばそんな心配はいらなかった。どんなに多くなっても、侵入思考は、ただ言葉が思い浮かんでいるだけ。そして、気にするからさらに増えるのだ。気にしないようにうまく流せば、そしてストレスの多い状況が終われば、自然と消えていく。犬をトレーニングする時に、叱ると犬が「構ってもらえた」と思ってまたじゃれついてきてしまう。侵入思考はそんな犬と同じだったのだなと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?