APD 〜講演会が聞き取れないことがある〜

私は 診断を受けたことはないけれど おそらく APD の傾向があると思う。
ごく軽いものなので、もっと重い人の大変さは、ここで書いたような程度のものではない。ここでは、ごく軽い聞き取りの困難の状況を書いてみたい。

特に最後の章、講演会やプレゼンでは、こういう配慮をしてくれるだけで聞き取れるようになるので、本当にお願いしたい…。


APDを知ったきっかけ

昔から、人の声が聞き取れない事がよくあった。子供の頃から、3人で並んで話している時に、自分の右と左の人の間では会話が成り立ってるのに、自分にはどちらも聞き取れない事がよくあって、変だなとは思ってた。

詳しい聴力検査をしても何も異常がなかった

でも、最近、APD(聴覚情報処理障害)という言葉を知って、『APDがわかる本』のp.22のテスト音源を聞いてみたら、まるで聞き取れない。「通常は1回で聴きとれる」という雑踏の中の声も、何回聞いても全く聞きとれない😂
やっぱりAPDの可能性が高いんだな。長年の謎がわかってすっきりした。

確かに近くで別の音がする所では、話が聞き取れなくなりがち。

耳鼻科でもAPDの事は教えてくれなかった。

2020年に耳鼻科で、聞き取れなくて困っていると話して、詳しい聴力検査を受けたけれど、「異常はありません」で終わりだった。そこでAPD(聴覚情報処理障害)の事を教えてほしかった。

聞き取りで困る場面の例

・研修の講師が早口だとほとんど聞き取れなくて、資料を目で追う事で何とかついていく。
・3人のトークイベントの内、一人の話者の部分だけ、単語は聞き取れるのに、話が全く聞き取れなくて困る事がある。
・長い話は何が言いたいのかわからなくなる。
・シンポジウムは大体、複数の人の話のつながりがわからなくなる。
・聞いただけの事はあまり覚えておけない。
・小説の朗読を聴いても、内容を全く覚えていない。
等々。

『APDがわかる本』pp.46-47「ワーキングメモリの働きによるところが大きい」あぁ…やっぱりと思った。
なんで他の人は聞き取れるの?他の人はこれが理解できるの?って思っていたので、原因がこれかもしれないとわかって、ほっとする気持ちになった。

聞き取れない講演と聞き取れる講演の違い


全く問題なく聞き取れる講演会 や トークイベントもよくある。
それらとの違いから、聞き取れなくて困る事を

話し手の方にお願いしたいこと

■いくつもの文をつなげて話すのではなく、「。」で区切った 短い文をたくさん話すような話し方をしてほしい。
 →こういう話し方をしてくれると、圧倒的に聞き取りやすいので、たとえスライドがない部分でも困らないで済む。

■スライドは字数を少なく、キーワードを箇条書きで書いてほしい。
 →耳から聞く音をしっかり補完してくれて、内容をしっかりつかめる。

■配布資料はスライドと同じにしてほしい。(配布資料が長文だったり、話の流れとは違うものだと、耳で聞き取れなかった部分を補えない。)


聞き取れない原因の考察

上記のことの外にもうひとつ、話し手の話し方のくせによる部分もある。
以前、3人のトークイベントのうち1人の部分だけ、何を言っているのかほとんどわからなかった事がある。単語は聞き取れるのに、である。
UD トークによる文字起こしで読んだら、その人の話だけ日本語としての文の形から大きく外れていた。
思いつくままに 言葉を発している感じ。聞き取れる人には問題ないのだろうけど、長い文を聞き取りづらい 私には、聞いた言葉を脳内で文として構築できなかったのではないか。

聞き取れない私の心の持ち方

★マイノリティデザインの澤田智洋さんが、「見えない、そんだけ」のポスターの話の中で、自分の弱い所の後に、「そんだけ」と付けてみる事で見え方が違ってくる、と言われていた。

聞き取れない、そんだけ。
そう思ったら少し気が楽になった。

部分的に聞き取れなくても、聞いた話題は自分の中に残るし、それがこれからの手がかりにもなる。

参加している時点で色々なものが得られているのだから、それで十分。

ちゃんと理解しなきゃって思わなくていい。

わかる範囲で聞くしかないのだから。そもそもがんばっても聞き取れないもんはしょうがない。聞き取れないところは諦めるし、それは少しも マイナスなことではない。

ましてや自分が悪いわけじゃないので、しょんぼりする必要は全くない。

聞き取れた部分の方に目を向ける。

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