はぎれリメイク 〜考えて形にする小さな楽しみ〜
「私は、新しい布にはさみを入れるときよりも、いたんだり、小さくなった古いものをもう一度役立てようとあれこれ工夫し、自分流に作りかえるときのほうがかえって楽しく心がはずみます」(佐藤雅子『季節のうた』河出文庫、「リフォーム」より)
明治生まれで、昭和40〜50年代に料理や暮らしぶりを雑誌や新聞に紹介した佐藤雅子さん。「〜ございました」「〜ございましょう」の文体、お姑さんの「しつけ」を受けたという、やんごとなきライフスタイルには、ひれ伏すばかりでございますが、季節を愛で楽しむ家事ごよみ、日々を楽しむアイディアが、わたくしの気持ちを浮き立たせ、深い共感を誘うのでございます。
さて、平素の文体に戻りますが、だいぶ前に洋服屋さんのノベルティでいただいた、全面ロゴ入りトートバッグをリメイクしました。
キャンバス地のしっかりした作りでマチ付き。捨てるには忍びなく、同じ大きさの袋を作ってカバーリング。図書館へ行くときのバッグにします。
内側の元布が見えている部分は、古着スカートのウエスト部分でカバー。
ブルーの花柄スカートは、10年前くらいに西荻のフリマで、着るためではなく手芸材料として買ったもの。サンフランシスコの古着と思われます。ポケット裏地を形もそのまま生かしたオーブンミトンが、私的アイディア大賞。
ポットマット、赤ワインをテーブルに置くとき用マット。コーヒーマットのスナフキン刺繍は、もとは息子の哺乳瓶ケース→水筒ホルダー。今では小学生になり、率先してコーヒーを淹れてくれます。
リメイクバッグの底から裏面にかけて使ったソフトデニム地は、日暮里で見つけたB品。
裏側に赤や黄色で指示書き(?)してあり、うまく避けながら、子どもエプロンを作って以来、いろいろな裏布に、脇役に大活躍しています。
デニムもスカートも、100〜200円くらいでしたが、リメイクの楽しみは限りなく。はぎれの終着点は、年末にひらめいたワインコルク人形。
「(母や姑は)端ぎれができますと、それをたとうに入れて、大切に箱にしまっていたことも思い出します。こんなことは、昔はごく当たりまえの主婦のたしなみでございましたのでしょう。」(同上)
リメイクの楽しみが伝わりましたなら、幸いでございます。