【考察⑥】〜立位姿勢&パワーポジション〜
今回のテーマは、パワーポジションです。
パワーポジションとは、定義が曖昧なものという感じが私の中にはありますが、スポーツの基本姿勢であり、わかりやすく言うと“自分の体が安定して最も力を発揮できる構え”のことです。
この“パワーポジション”というものを、選手にわかりやすく伝えて実感してもらうことは難しいなと感じていましたが、非常にわかりやすいYouTube動画にたまたま偶然出会いました。
その動画の解説をしているのは、40代に突入してもまだ進化を続ける福岡ソフトバンクホークス・投手の和田毅氏です。
その動画を紹介しますので、球児の皆さんはぜひ視聴し、実践してみてください。
パワーポジションのとり方を誰でも簡単に理解でき、実践できるものを紹介してくれています。
そして、パワーポジションを作る前に、立位の姿勢が大切であることを解説してくれています。
この正しい立位の姿勢は、高校野球のトレーナーでも有名な塚原謙太郎氏も、複数回拝聴した講演会・セミナーや、著書『甲子園強豪校880日トレーニング論』の中でも、その重要性を述べられていました。
さらに、その立位の姿勢を作る際に、メンタルトレーニングの基本でもある“臍下丹田”の重要性も説明してくれています。
いろいろな話が繋がってきて、わかりやすく素晴らしいです。
プロ野球という世界で20年以上活躍されてきた方の“思考”は、大変勉強になります。
そして球児の皆さんは、もう一つさらにこの動画を視聴してみてください。
このパワーポジションを身につけることで、どのように投手の“並進運動”に活かすことができるかを和田氏が解説してくれています。
投手が投球する際、踏み出し足を挙げて軸脚で一本立ちし、そこから軸脚の外旋・外転によりプレートを軸足で押し、軸脚側に“タメ”を作りながら、股関節を内旋させていわゆる“ピップファースト”で投球方向に勢いよく“並進運動”をしていく。
これをいちいちそれぞれの動作を意識しながら投球すると「何か1つを意識すると、他の箇所の意識が薄れて、フォームのバランスが崩れる」といったようなことが起こる選手も少なくないと思います。
この和田氏が解説するパワーポジションを活用すれば、意識せずとも踏み出し脚・軸脚・股関節などが連動した並進運動ができるのではないでしょうか。
打撃のいわゆる“割れ”の動作にも応用することができますし、走塁のスタートや守備の“1歩目”にも応用できると思います。
このパワーポジションを活用した投球の並進運動や打撃の“割れ”などの動きは、【指導観③】〜“脳”に刺激を与える〜の中でも軽く紹介した“インナーゲーム理論”とも通ずるところがあると感じています。
“インナーゲーム理論”については、また機会があればnoteにまとめてみようと思います。
今回はソフトバンク投手・和田毅氏のパワーポジションに関する動画を3つ紹介しました。
冒頭でも述べたように、パワーポジションは定義が曖昧なものという感じが私の中にはあり、他にも元メジャーリーガー投手・岩隈久志氏がプロデュースしたIWAアカデミーの書籍やYouTube動画の中でも、パワーポジションの確認方法が紹介されたりしています。
IWAアカデミーでは、肘や肩、手首などの部位ごとによるパワーポジションを確認し、個人によってパワーポジションが異なると解説しています。
もしよろしければ、書籍や以下の動画も参考にしてみてください。