出不精OL、在宅習い事のすすめ
大人になってからというもの、習い事がなかなか続かない。
社会人になって最初に通ったのはゴルフスクール。
家から近く、安い、という理由で、大手ジムの一角にあるインドアゴルフのスクールに入会した。そこは先生がなかなか独特で、1時間のゴルフレッスンのうち、9割以上、政治の話をしている。
あの政治家はだめだ、この政党は終わっている…など彼のボヤキを聴きながら、シュミレーター機能もないシンプルな鳥籠ネットに、ボールを延々と打ち続けた。忍耐力は鍛えられたものの、スコアは150前後から何一つ変わらず、しだいに足が遠のき、通い放題1ヶ月8,000円という破格の月謝が勿体なくなり辞めてしまった。ゴルフクラブもメルカリで売ってしまった。
料理教室には友人と何度か体験に行ったものの、小洒落た店ほど家から遠く、わざわざ一人では通わないだろうということで契約には至らなかった。プログラミング教室や中国語教室も、なんだかんだ仕事が忙しいなどの理由で、体験授業に止まった。
しばらく習い事難民をした後に入会したのが、ピラティスジム。入会の決め手はやはり家から近いことだった。ピラティスは運動系の中で、最も自分に合う、素晴らしいものだった。しかし、冬は寒い、夏は暑い、腹が痛い、など、体調も気分も万全な週というのは意外に少なく、家を出るのが大変で、次第に足が遠のいた。女性トレーナー陣からの「最近さぼりすぎよ〜」という煽りに、辟易したのも相まって、月謝が勿体なくなり辞めてしまった。
習い事に入会できない理由、辞める理由は共通していて、外に出るのが面倒くさい、ということだ。自慢できたことではないが、家にいる時間の大半をパジャマにメガネで過ごしている。散歩すら、1日の一大イベント。近所のジムに行くのには相当な労力が必要だ。平日は外には出るが、仕事や飲み会で、とてもそれどころではない。
そんな中で、コロナ禍でなんとなく始めた「オンラインの習い事」は、出不精の自分には非常にフィットするもので、無理なく楽しく続いている。
1年以上続いているのは、オンラインヨガのSOELUだ。
パジャマだろうがメガネだろうが、全く咎められないのが魅力だ。先生の画面からはこちらが見えるが、他の生徒から覗かれることはない。また予約の取りやすさが異常だ。例えば21時50分に「運動をしていないな」と感じたら、スマホアプリで22時からのレッスンを予約できる。「運動したい」と思った希少な瞬間を逃さず、鉄を熱いうちに打てるのがポイントだ。
自宅でヨガをする魅力は利便性に止まらず、掃除の意欲も高めることができる。自宅でヨガをすれば、床のホコリが異様に目に付く。マット一枚分の余白を確保しようと、出しっぱなしのモノや不要なモノを取り除く良いきっかけになる。
オンライン英会話も、まだ半年程度ではあるが楽しく続けている。勤務先の会社から語学学習費用補助が出るので、大手のベルリッツのオンラインコースを申し込んだ。早朝〜深夜まで、大変枠が多いのが魅力的。私は「毎週土曜の9:00~」を自動予約している。土曜の朝は習慣的に家にいるし、「レッスンに行きたくないなぁ…」と思ったら布団の中から繋いでしまえば良い。
一度オンラインの習い事にハマってしまうと、何故わざわざお金を払って家から出て、交通費を払い、相手の時間に合わせねばならぬのだ(そして大半遅刻をしてしまい叱られる)という思考回路になっていく。
そんなに予定に縛られたくなければ、いっそ習い事をせずに、自力でYOUTUBEを見るなり参考書を読めば良いのではと言われそうだが、それはまた違う。教師と時間を取り決め、お金を払ってまで交わした人との約束を反故にする罪悪感の中、強制的にやるべきことと向き合う。その拘束時間の最中だけでも、「少しでも良い生徒に見られたい」という自意識過剰な部分をエネルギーに、運動や勉強と真摯に向き合いつづけることができるのだ。
(7つの習慣風にいうならば、人生にとって重要度は高いが緊急性の低い、第二領域のタスクを、習い事という制度によって第一領域にうまいこと押し上げているのだ。)
ヨガと英会話が板についてきたので、次習いたいのは乗馬なのだが、オンラインで乗馬はできるだろうか。(ジョーバ、のような、大きいモノは増やしたくない)。
あるいは幼少期に長期間習っていたピアノにまたチャレンジしたい思いもあるが、狭い賃貸マンションにキーボードを買うかはまた悩みどころだ。
実家で眠っている、祖母の遺品の着物を活かすべく、お着物を習いたい。
そうしたらついでに茶道も習ってみようか…(しかしモノは増やしたくないし、家から出たくもない)。
大きなモノを買わず、家から出ずにできる習い事、ヨガと英会話に続き、もう1つ、2つ、増やせると良いなと思っております。
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