お年玉 de 金銭教育
「お母さん預金」の危険性
「子どもにお金を渡すと使い込みそうで心配」という理由でお年玉を預かる親御さんは少なくないと思う。
子どもがたくさんのお金を前にして無計画に使い込むのではないか。だから私が預かったほうが安心なのではないか。
そして、大人になったときにこれがウン年分のお年玉、として通帳を渡そうーー
この気持ちはよくわかる。本当に分かる。
ただ、これには様々な危険性があることに留意していただきたい。
贈与税が発生する可能性
まず、通帳を渡すときに危険なのは贈与税である。
ご存知の方もおられるかもしれないが、暦年贈与も相続時精算課税でも年間110万円を超えると贈与税がかかる。
「通帳は子どもの名前だから贈与にはならないだろ!」と言いたくなる気持ちもあるかもしれないが、その口座を渡すまで、実際に管理していたのは親自身である。
このままでは「名義預金」といって、口座の名義人と管理している人が違う状態となっている。
そして、子どものお金になる(=贈与が発生する)のは子どもに通帳を渡す段階である。
要するに、口座の管理人が子どもに移動(=通帳を渡す)した時点で110万円以上残高があれば、税金が発生する。
そしてその贈与税を払うのは贈与を受けた側(=子ども)である。
贈与をすることで、かえって子どもが損をするのだ。
子どもから「この通帳の中のカネを全部あげるっていったはずなのに、税金のせいで全額貰えなかったじゃねえか!あのク●ババア!」とブチギレられても反論のしようがない。
全額子どもに渡す際の金銭教育
お小遣いは、お金の「消費」を学ぶ材料になる。
一方で、一度に多額のお金をもらう「お年玉」はお金の「貯め方」や「資産運用」を学ぶ材料として使える。
キッザニアでは通貨「キッゾ」が半年複利で年利10%とかいうトンデモ利息で貯められるので、お金が面白いほど増えるので、子どもにとっても実感度の高い金銭教育にはなると思うが、いかんせん現実味がなさすぎる。
一般的な銀行の普通預金の場合、金利は年間0.1%〜せいぜい0.3%くらいである。
例えば、10万円を金利0.1%で1年預けて、79円の金利である。
定期預金でも0.5〜0.6%くらいが限界である。
利息が低すぎて教育にはならないだろうが、お金を貯めるという面では十分教育材料になる。
きっかけは「○○がほしい」とか「家族にプレゼントしたい」とか些細なことでいいと思う。
例えば「Switchがほしい」という課題から
・Switchの値段はいくらか
・その値段をどうやって貯めるか(お年玉・お小遣いなど)
・貯金箱ではなく、銀行を使うことで「金利」が発生してお金が少しだけ多く貯まる
という自由研究も可能である。
金利の計算はネットにフォームもあるし、エクセルで自作のシートを作っても構わない。
エクセルだと「単利」と比較して、「複利」だとよりお金が増えるとか、メリット(借金の場合はデメリットになるが)も理解することができる。
もし子どもが小学生以上であればお年玉を親がただ預かるだけでなく、一緒に使い方・貯め方に向き合うことで、「お金の使い方」を勉強するという方向にシフトするのはいかがだろうか。
ただ親が預かるだけでは、お金の使い方を学ぶ機会を奪いかねない。
今年は一度子どもとお金についてもう一度向き合う機会にしてみたらいかがだろうか。
余談
新NISAではなく特定口座で株を買ってしまった
儲けが出たら税金払ってでも買い直します