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21歳でLabBaseを創業した僕の20代振り返り

こんにちは、LabBase代表 加茂です。
皆様、新年明けましておめでとうございます!(年始に書いてます)

先月30歳の誕生日を迎えまして。節目ということで20代を振り返ったので、備忘録的に書いてみます。


1. 20歳の時何をしてたか

20歳を迎えた2014年12月当時は、大学1年生でした。授業には一通り出席しながら、授業の合間を縫って週3日スタートアップ(ネット宅配クリーニング「リネット」を運営するホワイトプラス社)で長期インターンをさせてもらい、夜は週2,3日渋谷宮益坂の居酒屋でアルバイト(ビールグラス10個同時に割って泣きそうになったのが忘れられない)、という生活でした。加えて、多い時は週8回ほど勉強会やイベントに参加していたり(特にスローガン社のGoodfindセミナーには大変お世話になりました)、プログラミングスクールに通ったり、学生団体をやったり、ビジコンに出たり、たまーにサークルに顔を出したり。この時期は、ビジネスやスタートアップの世界に触れ始め、その面白さに夢中になると共に、「自分も何かやってやりたい」「もっと成長したい」というギラギラだけがある状態だったと思います。
「いつか自分で起業しよう」とは思いつつも、タイミングや事業テーマなどは全く決まっていない、そしてそういう話をする仲間もほぼいない、という状況でした。

2. そこからの変遷

創業に至るまで

その後、スローガン創業者の伊藤さんから、日本や東南アジアで産業創造のための事業開発/投資を行うREAPRAのCEO諸藤さん(エス・エム・エス創業者)をご紹介いただき、シンガポールに渡り、創業当初のREAPRAにてオフィス住み込みでインターンさせていただけることになりました。

その時に初めて、自分自身でゼロからビジネスを立ち上げる経験をさせてもらいました。具体的には、現地富裕層向けのヘルスケアサービスの立ち上げに奔走し、お客様に喜んでいただけることや、ゼロから事業を生み出すことの難しさと楽しさを実感したのを覚えています。

その後、日本に帰国し、3社目のスタートアップ(Repro社)でインターンをさせていただくことになりました。
今振り返ると、起業以外にも色んなやりたいことがあり、また起業/経営/スタートアップについての解像度もめちゃくちゃ粗かった自分が、その道に踏み込めた(そして今も楽しく挑戦し続けられている)のは、お世話になったスタートアップ3社のおかげがとても大きいと思います。自分が沢山のものを得た一方で各社には何も返せなかったので、恐縮ながら感謝でいっぱいです。

研究領域で、37歳差コンビで共同創業

そうしてインターンとしてスタートアップで働く中で、「いよいよ自分で起業したい」と考え、どんなテーマや課題であれば自分の心の炎を燃やし続けられるのか、アンテナを立てながら模索する時間を過ごしました。
そして思いついたアイデアは、できるだけ多くの人にイベント等で「こういうことやりたいんです!」と話し、仲間や支援者も同時に探していました。

結果的に、2つの大きな出会いがLabBase創業へと繋がりました。1つは後に共同創業者となる吉田さん(元ガリバーインターナショナル専務取締役)との出会い、もう1つは「研究領域の課題解決」というテーマとの出会いです。

吉田さんとは、とあるスタートアップイベントの懇親会で挨拶させていただき、オフィスに遊びに行かせていただいたところからご縁が始まりました。最初は当時考えていた事業案(LabBaseとは別)を壁打ちさせていただいていたのですが、その中ですぐ「この人と一緒に挑戦したい!」と思うようになり、ただエンジェル投資していただくだけではなく共同創業で一緒にやろうということになりました。
37歳差の大先輩と、3,4回話しただけで共同創業を決めるという、今思うとなかなかクレイジーな意思決定(吉田さんもまたクレイジー)ですが、人生でした意思決定の中でもトップクラスに良かった意思決定だと思っています。

また、それと同時並行で、心からやりたいと思える課題/テーマを探していました。常に課題を探すアンテナを立てながら過ごしていたのですが、その中で、研究を頑張っている優秀な先輩が、「研究が忙しくて就活に時間を割けない」と言っていて、「推薦で行けるあの会社でいいかな」とすごく狭い選択肢の中から諦め半分でキャリアを決めようとしていたのが一番ショック
なぜか自分としても放っておけなくて、他にも同じような人がいるのかなと疑問に思い、研究している大学院生や教授の方々にもヒアリングをしたところ、他にも「キャリアの不透明性/不安定性」「研究資金不足」「企業パートナーを見つけるのが大変」「書類作業等が多く研究に時間を割けない」などなど、研究領域の課題や不満がたくさん出てきて

後から言語化できたのですが、自分が大学教授の親のもとに生まれ育ち、幼少期から数学者を志していたことから、研究者への憧れとリスペクトが強くあり、そんな研究者を取り巻く環境への課題に当事者意識を強く持ったのだと思います。自然と、「研究領域の課題を解決し、研究者の可能性を最大化する。そして、科学と社会の発展に貢献する」というテーマに、人生を賭けたいと思うようになりました。

そして2016年9月、21歳の時に、株式会社LabBase(当時はPOL/ポルという社名でした)を創業することになった、というのが、創業の経緯です。

起業してからは、目の前に迫り来る課題や機会に全力で取り組み続ける中で、目まぐるしく光景が変わっていきました。

簡潔にまとめると以下のような感じです。

1年目〜3年目

  • 理系採用/就職を加速する研究データベース「LabBase就職」をリリース

  • シードで5,000万円、プレシリーズAで6,600万円資金調達。素晴らしい株主の皆様に恵まれる

  • 各大学アンバサダーマーケ/営業を主戦術に、主要大学大学院生の登録率No.1を実現

  • MRR2,000万円突破

  • 産学連携を加速する研究情報プラットフォーム「LabBase X」リリース(撤退済)

4年目〜6年目

  • 全社を挙げたカスタマーサクセス強化で継続率大幅向上

  • toBマーケ本格化

  • ユーザー登録の主要チャネルが学生間紹介にシフト

  • シリーズAで10億円資金調達

  • コロナ渦を踏まえ、オンラインのキャリアイベント事業立ち上げ

  • 中途領域事業の検証開始

  • 科学技術マーケプラットフォーム事業リリース(撤退済)

  • 研究室データベース「LabBase研究室サーチ」リリース

7年目〜9年目(今期)

  • LabBaseに社名変更。パーパス「研究の力を、人類の力に。」を掲げる

  • シリーズBで政府ファンドや研究者個人等から資金調達

  • 初の通期黒字化

  • 社員数100名突破

  • 複数あるLabBaseサービスを同アカウントで利用できる共通認証リリース

  • 目標とのギャップ見込みから「戦時」と銘打ち、現場/顧客志向へ回帰

  • 「LabBase就職」のエンタープライズ深耕に注力

  • 「LabBase就職」のプロダクト大幅アップデート(AIを主軸に)

  • マレーシアでのプロダクトリリースを筆頭に、グローバル展開開始

  • その他、未公開の新規プロジェクトの仕込みがたくさん!

LabBaseで創業初年度から毎クォーター開催している株主集会(株主の方々をお招きして進捗と戦略の共有と議論を行う)の資料を全て見返しながら振り返っていたのですが、当時の思考や葛藤が蘇ってきました。

20代当初、LabBaseも何も存在しなかったところから、今の状態まで、その差分はとても大きく誇りに思うとともに、「もっとできるはずだ」「まだまだ世の中にインパクトを与えられていない」という焦燥感も大きくあるのが正直な感情です。

3. 20代を振り返って(内面編)

会社の創業と成長はもちろんですが、内面的にも以下のような成長を感じています。

  • 正しさではなく自分らしさを追求できるようになったこと。

  • 自分より大きなもの(創業した会社のパーパス)の一部になれていること。

  • 仲間や相手の幸せや成長成功を心から喜べるようになったこと。

  • 自分の弱さや苦手を隠さずシェアできるようになったこと。

  • 分かり合えて支え合える仲間と出会いチームを組めていること。

  • 自分の頑張りと仲間の頑張りで誰か(お客様やユーザーさん)に喜んでいただけていること。

  • 自分のエネルギーと成果が増長するループを見つけられたこと。

  • やりたいことに対しての自分の力不足を認め、成長を楽しめるようになったこと。

  • 家族を持ったこと。

  • 少しだけ親孝行できたこと。

などなど、ちょっとは成長できた気がします。
LabBaseの成長の過程で、自分自身も成長させていただいている、という感覚です。本当にありがたい限りです。

一方で、振り返る中でこうすれば良かったと思う点もあります。

  • やりたいことを後回しせずにどんどんやっちゃえば良かった。いつかやろう、長期的にやろうだとその時はずっとこない。

  • もっと自分の考え、直感、違和感を信じればよかった。

  • もっとスピード感と緊迫感を持って日々を過ごしたり、プロジェクトを進めるべきだった。思ったよりも時間がない。人生は短い。

  • 大きな失敗をしていない。もっとハラハラドキドキ緊張するような挑戦をする。最初はハラハラドキドキするようなことも、後から振り返ってみると大したことないはず。

雑にまとめると、「もっと自分を信じて挑戦しようぜ」みたいな感じかなと。
これらは30代の糧にしていこうと思っています。

4. どんな30代にしたいか

今回、この節目を迎えるにあたって「40歳を迎える時にどうなっていたいか」を考えようと思いましたが、やめました。その理由は主に2つあります。

1つは、未来の自分を「こうなるんだ」と決め、その範疇に収まるような人生にしたくないということです。それでは面白くないし、自分の想像すら超えるような変化や成長をしていたいと思っています。

もう1つは、10年後にこうなっていたいというビジョンがあるのであれば、それは今すぐやるべきだと感じたからです。10年というスパンでの目標設定は、時に「今すぐ取り組まなくてもいい理由」になりかねません。それは避けたいと思いました。

そのため、30代は、一瞬一瞬目の前にあるやりたいことや課題に全力で向き合いながら、自分を信じて、大胆に挑戦し、今自分が想像できる以上の未来を切り拓いていきたいと考えています。

最後に:特に感謝を伝えたい方々

振り返って改めて、本当に多くの方々のおかげで今の自分があるんだと強く実感しました。名前を挙げるとキリがないですが、その中でも特に感謝をお伝えしたい方々を以下に記させていただきます。

  • 初めてスタートアップに飛び込ませていただいた、ホワイトプラス代表 井下さん

  • 初めてビジネスに関して小さな成功体験(ビジコン優勝)を積ませていただいた、元日経新聞 水無さん

  • 人間と社会についての視野を大きく広げていただいた、バイト先イタリアンバル店長 はるきさん

  • セミナーで沢山勉強させていただき、諸藤さんとのご縁もくださったスローガン創業者伊藤さん

  • シンガポールで挑戦の機会をくださったREAPRA/HealthBank 諸藤さん、大塚さん

  • 愛のあるフィードバックを沢山くださったRepro平田さん、越後さん

  • 吉田さんや投資家など、素晴らしい方々とのご縁をくださった栗島さん

  • LabBaseのきっかけになったリクルートインターン同期 はらひー、みーくん、ねっちょり、まっつん

  • 何の実績もない若造と一緒にチャレンジしてくれた共同創業者 吉田さん

  • 1号社員として飛び込んでくれて爆速でプロダクトを開発してくださったエンジニアおかけんさん

  • LabBaseを前進させてくれた歴代のLabBaseメンバーの皆さん

  • LabBaseを日々利用いただいている全てのユーザーさんとお客様

  • LabBaseのポテンシャルを信じて支援し続けてくださっている株主や顧問の皆さん

  • コーチとして安心と気づきと成長を与えてくれるゴリさん、Keikoさん

  • 安心の土台であり、挑戦を支えてくれる家族

  • これまでに加茂に関わってくださった全ての皆さん

皆様への感謝を胸に、
30代、いやまずは2025年、自分を信じてより一層大胆に挑戦し続けます。
皆様にとっても素晴らしい1年になりますように。

P.S.
LabBase、全ポジション積極採用中ですので、少しでも興味を持っていただけた方は僕のXにDMいただけると嬉しいです!!


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